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異世界戦国記  作者: 鈴木颯手
第五章・加納口の戦い
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第七十七話・加納口の戦い4

挿絵(By みてみん)

 翌日、佐久間信晴は千四百(・・・)の軍勢で日根野弘就と対峙した。俺としては本当に二千の兵を任せようとしたのだが信晴は「今の某には二千の兵は重いです。その気持ちだけで十分にございます」と言われてしまったのだ。

 それで引き下がったのだが山口教継は「佐久間殿の気概は立派であり是非とも稲葉山城を手に入れる功績を担っていただきたい。その為には某の兵二百を預けます。断らずに使いつぶす気で使ってくだされ」と二百の兵を半ば無理やり押し付けたのだ。とは言え相手の日根野弘就は相当のやり手であることは昨日のでは分かっている。信晴も断らずに有難そうに迎え入れていた。

 そんな事を行った山口教継は兵が少なくなっていた織田三位、橋本一巴と合流した。これで総数千となり今まで以上に戦えるだろう。そんな訳で二日目は日の出と共に攻撃を開始した。

 先陣を切ったのは勿論佐久間信晴だ。自ら先頭に立ち門の前で守勢に回る日根野弘就の下に向かって行く。他の林、橋本、三位、山口連合軍でも攻撃が始まる。ここからではよく見えないが権六たちも攻撃を始めているだろう。


「利昌、もしもに備えて西と北を見張ってくれ」

「……斎藤利政ですか?」

「いいや。土岐頼芸だ」


 土岐頼芸は大垣城周辺を残すまでに勢力が減っている。だが、俺たちを後ろから襲う兵ぐらいは残っているだろう。それも俺のいる本陣を狙う程度には。とは言え頼芸にそんな度胸があるとは思えないし何より家臣たちが付いてこないだろうからな。あくまで最悪の状況を想定するだけだ。


「それにしても斎藤利政は何が狙いでこんな隙とも取れる行動を取ったのやら……」


 俺はそう呟きながら門に攻撃を行う自軍の様子を見る。いくら親子関係が上手く行っていないからと言って天下に名だたる稲葉山城を捨てるとは思えない。考えられるのはそれほどをしてまで斎藤高政を殺したいのか、稲葉山城が落とされても問題ない家中の仕組みなどが出来ているのか……。どちらにしろ織田家は中美濃を手に入れいる事が出来る。そうなれば利政と東美濃は分断される状態になる。東美濃一帯を治める遠山家は独立なりこちらにつくなり何かしらのアクションを起こすだろう。そうなれば斎藤利政の勢力は大幅に削れこちらの勢力は大幅に増える。今川家と戦が起きても簡単には動じなくなるだろう。

 とは言えそれをするには目の前の稲葉山城を落とさないといけない。家臣たちには頑張ってもらわないとな。













「者ども! 我が殿の為に! 敵を葬るのだ!」

「「「おおぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」


 佐久間信晴の激励を受け兵士たちは雄たけびを上げる。彼らの足元には日根野弘就の兵が転がっておりどちらが優勢なのかを如実に物語っていた。既に日根野勢のうち百人ほどは討ち取られており昨日とは立場が逆転していた。

 門の奥に閉じこもった日根野勢は門の防衛を行うが熱烈士気が天を打つ佐久間勢の前に劣勢であった。容赦なく破城槌が打ち込まれそれを防ごうと矢を放とうとすれば佐久間勢から雨の如き矢を射られまともに迎撃すら出来ない。門を抑えようとしても抑えた兵が吹き飛ぶほどの威力で放たれるためまともに防ぐことが出来なかった。


「くそっ! 敵は昨日とは大違いだ! なんとしても門を守るのだ!」


 日根野弘就は目を血走らせながら指揮を執る。昨日の優勢で自身を付けた日根野勢だがそれは今では敗軍の兵の如く士気が下がっている。中にはその場に座り込み逃げたりたちむかう気力すら失われている者もおり日根野弘就がどれだけ声を張り上げても効果は表れなかった。


「このままでは本丸までの撤退を余儀なくされるぞ……!」


 日根野弘就が最悪の事態を想定し始めた時だった。南の方で大きな歓声が上がった。


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