表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦国記  作者: 鈴木颯手
第四章・三河、伊勢、美濃。尾張への三国干渉
55/93

第五十二話・笠寺城の攻防~決着~

「殿!敵兵が後方で陣形を整えようとしています!」


敵兵に向かい槍を振るっていた信繫は家臣の報告に前線の後方を見る。そこには空間がありその奥で兵が隊列を組み陣形を作っていた。


それを見た信繫は更に進撃速度を上げるべく指示を出す。


「この敵兵にかまっている暇はない!伝助!お前の隊を使って前線をこじ開けろ!」


突破力のある者を率いる伝助に命令を出し伝助はその指示に従い隊を前進させる。恰幅の良い隊の者は少しずつ敵兵の間に道を作っていく。信繫はその一つに飛び込むと一気に広い空間に出る。後方を見れば信繫に続き兵が飛び出してきていた。


「行くぞ!敵の陣形が完成する前に一気に突撃する!」


「「「「「はっ!」」」」」


信繫は自ら先頭に立ち近付けさせまいと矢が降り注ぐ中を馬の足を止めずに進んでいく。それに奮起され信繫軍も恐れずに進んでいった。松平軍は間に合わないと悟ったのか槍を構えさせて対応しようとしていた。


しかし、中途半端な陣形では防げる攻撃も防ぎきる事などできはしない。それに加えて、


「ぎゃっ!?」


「敵だ!敵がまぎれ…グァ!」


「一か所に固まれ!」


「いや固まるな!後方へ逃げろ!」


「違う前だ!敵を迎え討て!」


「横にそれろ!」


敵兵に混じった信繫軍の者が指揮官と思われる者を殺しながらあらぬことを言って混乱を増長させていた。それにより前線の兵はどの指示に従うべきなのか分からず立ちすくむ者や後方へ下がる者、敵を迎え討とうする者などバラバラに動き始めてしまっていた。そんな状態で信繫軍を止められるはずがなく混乱している兵士に留めとばかりに信繫軍が襲いかかった。


「逃げる兵は追うな!今はただ清康の首のみを求めて前に進め!」


信繫は味方の兵にそう叫びながら槍を振るっていく。信繫軍の兵の士気も上がったがそれ以上に清康軍の兵は信繫の言葉を受けて逃げれば攻撃は受けないと悟った。それにより一人の兵が叫ぶ。


「逃げろ!逃げれば助かるぞ!」


その言葉は清康軍にとっては甘美な叫びと化した。清康軍の前線の兵士は信繫軍から少しでも離れようと逃走を開始してしまったのである。それにより後方の兵とぶつかり混乱を増長させる結果となってしまう。


結果、信繁はいつの間にか清康がいる本陣のすぐそこまで来ていた。周りでは近付けまいと清康軍の兵が向かってきてそれを阻止するべく信繫軍の兵士が迎え撃っていた。しかし、明らかに松平軍は劣勢であり少しづつ信繫軍は本陣に近づいてきていた。


そしてついに信繫が一人突破する事に成功する。後方ではこれ以上通すものかとばかりに松平軍が奮起しているがいずれそれも終わるだろう。信繫は味方を置いて一人本陣に進んでいく。周りの兵はいかせまい、討ち取ろうとするが信繫の前には壁にすらならず周りに立つ度に槍に刺されて殺されていく。


「清康!覚悟!」


そして信繫は陣幕を叩き落としてそう叫び本陣に乗り込んだがそこで目にしたのは無人となった陣内の様子であった。慌てて逃げたのか床机が倒れており物が散乱していた。


「殿!敵は…!?」


「逃げた。追いかけるのは危険だ。後方に行って合流するぞ」


「はっ!」


信繫は追いかけてきた味方の兵に指示を出すとそのまま陣内を通り後方へと移動していいたのである。


その後敵を突破した信繫軍によって清康の本陣は破壊され清康は逃げたと流し松平軍を撤退させ始めた。更に信繫は劣勢に立たされていた奇襲部隊を救出したのである。この戦いにより合計二千いた信繫軍は端数以下の八百近くまで減っていた。しかし、松平軍を千以上倒しておりかつ退けたので信繫軍の勝利と言えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ