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異世界戦国記  作者: 鈴木颯手
第二章・当主織田弾正忠信秀
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第十一話・高貴な方々

母上の葬式は盛大に行われた。母上は含笑院殿茂岳涼繁という法名となった。俺は母上を弔うために含笑寺を建立した。場所はまだ決まっていないが勝幡城近くに建てるつもりだ。


父信定は母上の死に泣き崩れ葬儀の時に少し出たっきり姿を見てはいない。その時に父を見たがとてもやつれていてみている方が辛くなるほどだ。


母上の供養も終わりようやく前の様な状態までなったころ京に行っていた平手政秀が戻ってきた。今、評定の間で報告を聞いている。


「公家の方との面会は堺の商人に頼みました。おかげで公家の方たちに無事に面会することが出来ました。特に千貫を見せるとものすごくお喜びになられ山科言綱様の子、山科言継様自らいらっしゃるとの事で…」


元々ダメもとで命じたのだが予想以上に公家は貧乏みたいだな。確かに千貫は現代で言うと一億近くになるからな。喜ぶのも無理はないのか?


「それで、いつ来ると言っていた?」


「直ぐに来るそうです。恐らく早ければ来月には」


え?早すぎない?それだけ公家は飢えているのか?…もしそうならこれは使えそうだな。公家に献上金としてそれなりの金額を送れば公家の後ろ盾が貰えそうだな。そうすれば信友も簡単には攻めて来られなくなるだろうし俺の元に集まる人も来るだろう。


「ならば急いで準備をしないといけないな。政秀、その指揮を取れ」


「ははっ!」


全く、こんなに早く来るとは思わなかったよ。やはり忍びとかちゃんとした奴を雇わないとな。だが、今は目先の事を片付けないと。





















「そなたが織田信秀か、織田信友との和睦の件は任せたまえ」


政秀からの報告を聞き準備をし始めて約一月が立った。公家の山科言継は言った通り一月、いや、一月もかからずに尾張に来た。あまりの速さに準備は完全とは言い難い状況だ。


「山科様、申し訳ありませんが今だ準備も終わっておりません。明後日には準備が整うとのことございます」


「それは歓迎の宴であろう?それならば先に和睦の件を済ませてしまおう。信友にはすでに伝えてあるのでな」


おう、まさかここまで根回し済みとは。


それにしても人が多いな。


「ああ、それとな。蹴鞠の文化を広めるために飛鳥井雅綱殿も同行しておるのでな。蹴鞠の舞台も簡単でいいから頼むぞ」


「え?…かしこまりました。直ぐに準備させます」


公家に和睦だけ頼むはずだったのになんか大ごとになって来たな。これ、失敗しようものなら俺どうなってしまうんだろう。…と、とにかく蹴鞠の方も用意させないと。ついでにこの機会に弟にも蹴鞠を覚えさせるか。京との外交面を担当してもらうのに公家の文化は必要だろうからな。


「それでは早速向かうとするかの」


「はっ!」


さて、ようやく和睦を終結できるな。今のところ織田信友に勝つのは至難の業だからな。周囲の勢力を取り込んで挑まないと現状では防衛で精いっぱいだ。今回の戦いだって藤左衛門家が出兵していなかったから勝てたようなものだ。今はとにかく戦力を高めないとな。


そう考えつつ俺は和睦のために山科言継を連れ五百の兵と共に清州城へと向かった。


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