プロローグ 『調査』
ここはディアフォラという大きな大陸、夜が無く昼のみの世界
ディアフォラには6つの国がある
小人の住む春の国・アニクス(王政)
犬族の住む秋と冬の国・キュズヒモナス(王政)
巨人族が住む夏の国・リェータ(共和制)
人間と妖怪の住む秋の国・白秋(共和制だが王族もいる)
猫族の住む春と夏の国・エアルエテ(共和制)
ドワーフの住む冬の国・ヒナモス(共和制)
それぞれの国が争いも無く、幸せに過ごしていた
そんなある日….
————— ドッドーーーーン
大きな音と共に大地が大きく揺れた
ディアフォラに住む国々は西の海の向こうに見た事も無い島を見つけた
各国々の代表を決め、西の島へ調査船を派遣した
ところが、船を進めてもある一定の距離で船が進まなくなってしまった
調査船は不思議に思っていると、西の島から船が調査船へと向かってくる
調査船の人々はあちらの船もこちらには来られないと思っていた….が、
西の島から来た船は何の障害もなく、調査船の方へ進んで来た
調査船の人々は不思議そうに西の島の船に訪ねた
「我々はここより東に見える大陸ディアフォラから来た各国々の代表の調査船だ。
あなた方とその島はどこから現れたのか?」
との質問に西の島から来た船の代表らしき船員は答えた
「・・・・すまない。我々もあまりにも突然で何が何やら.....
ここはディアフォラというのか………」
周りを見渡しながらザワザワとしている西の島からの船員達
ディアフォラの調査員は質問を続けた
「で・では、まずあなた方の事を聞きたい」
「これは申し訳ない。我々はあの後ろに見える島・エスタシオンという島国から来た調査員です」
西に見える島が『エスタシオン』・『島そのものが国』という事を理解した
ディアフォラの調査員はさらに質問をした
「我々はここから先には進めなかったのだが、そちらはなぜ大丈夫なのだろうか?
エスタシオン.....には帰れるか?」
ディアフォラの調査船から訪ねられ、不安そうな顔をしたエスタシオンの船員たち
「・・・すまない。1度、戻ってみてもいいだろうか?」
エスタシオンの船員からの言葉にディアフォラの調査員も頷いた
エスタシオンの船が旋回をし、島を目指し始めた
ディアフォラの調査船はあちらからは来られるが、こちらからは行けないのだろうと
思って固唾をのんで見守っていた
しかし、ディアフォラの調査船の調査員たちは目を疑った
エスタシオンの船は何の障害もなく進む事が出来たのだ
不思議に思ったディアフォラの調査船はエスタシオンの船の後を追う事にした
だが、やはりディアフォラの調査船は同じ場所で進ま無くなってしまう
そこでディアフォラの調査船はエスタシオンの船に自分たちの船を引いてくれと頼み
ロープを渡し、引いてもらった
引いてもらい問題の場所に差し掛かったとき
————— ググググ
という音と共にブチとロープが切れてしまった
両方の船は大きく揺れたが船員は皆、無事だった
ディアフォラの調査員はエスタシオンの船員に
「我々は、各国々に帰ってそれぞれの王達に現状について報告をしたいのと思っているのだが、ただ1つ確認
しておきたい事があるのだがいいだろうか?」
「な、何だろうか?」
エスタシオンの船員が聞き返すとディアフォラの調査員が質問をした
「エスタシオンは我々ディアフォラと争う意思はあるのか?」
お互いに硬い表情になり、エスタシオンの船員が答えた
「我々、『エスタシオンに戦う意志は今の所はない』というのが、我らの王の意思だ」
ディアフォラの調査員は安心した様子で、続けて言った
「では、我らの各国の王たちに報告をし結論が
出次第、こちらまで船を出す。我々の船が見えたら、
エスタシオンも船をここまで出してもらえないだろうか?」
エスタシオンの船員は頷いて、両船はそれぞれの国に戻って行った
ディアフォラ調査船の代表者たちはそれぞれの国に帰り、
突然現れた報告をした
報告を受けて、各国の王・君主が集まり会議を行ないエスタシオンから1番近い国・白秋で
エスタシオンの代表者と話し合おうと決まった
すぐに、ディアフォラから船を出しエスタシオンにこの事を伝えた
エスタシオンからも——了承した——との返事が来た