生きるという事は死なない事ではない
チップとラッタは
ここにきた過程や目的 道中で起きた事を全て話しました
アルファ
なるほど、、、
我々はだな、、代々 ポロポロの木を守る一族だ
我々の先祖がポロポロの木と
契約して一族を救われた過去がある
それ以来 この山と土地を住処にして
ポロポロの木を守っている
だが 我々は一度も見たことはなかった
あのポロポロの木が目覚めるのを
ただの伝説かとも思った
しかし、、、
君達の父と母の話を聞いてわたしは確信したよ
欲望をかなえたり 見返りを求めるような
低い存在ではない
木は大地の神であるのだろう
チップ
でも木は命を、、パパとママの命を
求めた
アルファ
たしかに その理由はわからない
だが ためされたのだとわたしは思う
気軽になんでもお願いするような
代物、、いや存在ではないのだよ
ラッタ
あと おかあちゃんの願い わからないんだ
ベータ
そうね 、、でもわたしはなんとなくわかるな
あなた達のお母様がどんな気持ちだったか
子供の狼が数匹チップとラッタにじゃれつきます
アルファ
それと 君達を襲ったのはオメガだな
手下に黒いやつとかいただろう
あれは犬との混血で黒が混じる
身体が小さくなった分
君ら小動物を狩るんだ
ラッタ
しってるの?
アルファ
あぁ だがやつらはこちらにはこれない
縄張りがあるからな
それに我が一族は強い
だが一匹紛れ込んできたが、、、
ラッタ
やつらがきたの?
アルファ
君らの仲間が上手くまいたみたいだがな
おそらくポロポロの木の秘密を探ろうとして
後をつけられたんだろう
チップ
卑怯な奴らだ
ラッタ
あいつらは悪い狼だな
アルファ
たがな、、、
君の仲間のミミズクだって小動物を狩る
鹿や山羊からすれば我々も外敵だ
狩に正義も悪もないんだ
必要以上や必要のないものを狩らない
生きるとは
生命とは
そういうものだ
うさぎの兄弟は言葉立場さえ違えど
オメガが似たような事を言っていたのを
思い出しました
狼の巣
もらった野菜と水
じゃれる子狼
チップとラッタは自分達の置かれてる環境に
アルファの言葉を深く飲み込みました
ベータ
お父様とお母様から頂いた身体とスピリット
無駄にしちゃだめよ
死ぬギリギリまで 生きようとするのよ
自暴自棄になり
死のうとしたチップとラッタ
二匹は身体の中に何か強い
何か熱いものが宿ったのを
感じました
アルファ
君達のおかげでポロポロの真意は理解した
先祖から伝わる伝説
我が一族のアイデンティティがやっと確立された
二、三日ゆっくりと身体を休め
森へと旅立つが良い
使いを出そう
アルファが指示を出すと
一匹の狼が一つうなづき
険しい斜面を駆け下りていきました
二、三日チップとラッタは
狼の狩に同行し さまざまな動物や植物に出会いました
血だらけに狩られる鹿
熊との死闘で仲間が殺されたが
あえて放置して鳥のエサにさせた事
巨大な滝壺から何百年も動かない
金色の亀、、、
そして
チップとラッタの旅立ちの朝がきます
アルファ
ふもとまで送ろう
チップ
もう大丈夫
ラッタ
うん あとはおいら達だけで行くよ
ベータは優しく微笑みます
子狼と一族に別れとお礼を告げ
チップとラッタは歩き出しました
アルファ
彼らを守りたまえ我が主 ポロポロよ、、
ベータ
大丈夫よ
ポロポロと我が一族のスピリットを
宿したうさぎだもの
アルファの雄叫びが辺りの空気を止めるほどに響きます
一族の山にこだまする雄叫びに後押しされて
二匹は力強く山をおりていきました




