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不思議な伝説ポロポロの木  作者: 森禮(モレ)
24/33

懐かしき香り

そこは青い空に入道雲が浮かび

よい香りがします



お花 草 風 マーサの香り



ラッタの目に微笑むマーサの顔があります



目をゴシゴシこすると チップの声が聞こえてきました



チップ

ラッタ 早くこいよ



チップの横には父ウサギモーレがいます



ラッタはマーサの膝枕から起きると

モーレのもとへ走っていきます



モーレ

わかるか? 父ちゃんだぞ




微風が心地よい草原で

ラッタは走り回ります



チップとかけっこをし

モーレと相撲をとり

マーサのお弁当を食べました




ラッタ

なぁんだ 今までの全部嘘か、、、



太陽の下

食べて 遊んで 甘えて

子供のするべき事を

ラッタは飽きるほど楽しみました





やがて日が暮れる頃

ラッタはマーサの膝からおろされます





遠くではチップの声がします


チップ

ラッタ ラッター 行くぞ


ラッタ

なんで?なんで?にいちゃん



ラッタはモーレとマーサの顔を見ます



マーサ

あなたが決めなさい



ラッタはキョドキョドと両方を見ます

ぼんやりとした意識の中で

やがて世界がラッタの両側に別れていきます




マーサの方へ 一歩足をふみかけた時、、、





聞いた事がある

声が、、

胸の奥に響きます




心が本当にやりたい事


魂が本当に望んでる事



心、、、魂、、、


よく視つめる






ラッタ

ポロポロの木、、、



ラッタは5秒間だけ何も考えず目をつむります





ラッタ

おいら、、、おいら、、、


にっにいちゃんといくよ



モーレは自分の白いテンガロンハットを

ラッタにかぶせます


大きすぎるテンガロンハットのツバをラッタがあげると モーレとマーサの姿はありません



ラッタが目前の光雪伝いに空を見上げると

白いローブをまとったモーレとマーサの姿があります



モーレ

息子よ いつでも見ているぞ

マーサ

いつもいつの時もわたしは愛していますよ



モーレとマーサの姿がやがて光に溶けていきます


ラッタはその姿が消える前に背中を見せ

チップのもとへ走りだしました



ラッタ

おとうちゃーん おかあちゃーん、、、

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