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不思議な伝説ポロポロの木  作者: 森禮(モレ)
23/33

絶望

ラッタはマーサの亡骸に小さなお花を添えました



チップ

だめだ埋めるぞ



二匹の頭上にはハゲタカが旋回しています



チップが亡骸を担ぎ

ラッタが荷物を持ち

なんとか景色の良い見晴らしの丘へ

運びました



ただ黙々と二匹は穴を掘ります



なんとか掘った穴にマーサをおろし

チップは最後の最後の食料の干からびた人参を入れます




また二匹は無言で土をかけ埋めました




ラッタが木の棒を立てますが

チップはそれを抜き遠くにすてました



チップ

目印があると

ママが獣に掘りかえされちゃうから、、、






1日だけうさぎの兄弟はそこにいました




チップ

ラッタいくぞ


ラッタ

やだやだずっとここにいる



チップ

いくんだよ



ラッタ

ヤダヤダヤダ



泣きながらワガママを言うラッタを

無理やり引き剥がし ひきづっていくのは

泣いているチップなのです



やがて

ラッタとチップは無言でただただ

歩きはじめました





うさぎの兄弟はただ歩き続けました




目的も希望もないのに

さみしいからです

なにも考えたくなかったからです



しかし二匹の弱った身体と心は河原に倒れまいます



ラッタは這うように

河原から水を汲み

チップに渡します



チップ

ありがとう でもいらないよ


ラッタ

死んじゃうよ



チップ

水を飲めば 何か食べたくなる

食べ物はないし

あっても今度はいろいろ寂しく辛くなるから

だからこのままがいんだよ

君はお飲み



ラッタ

おいらも、、、



チップはラッタを抱いてやがて

二匹はもうこのままマーサの元へ

いきたいと

暗い闇に落ちていきました




チップ

ラッタごめんな 、、、


ラッタ

おかあちゃん、、、

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