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不思議な伝説ポロポロの木  作者: 森禮(モレ)
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夜の訪問者

月が三日月の晩です


いつものようにラッタが夜遅く家に帰ると

ヒソヒソと話し声が聞こえました



ラッタはみつからないようそっと

窓から中を覗きます



山羊のベークでした

医者のベークと兄ウサギチップがなにやら話をしています



チップ

じゃああと半年なんだね


ベーク

あぁ 残念だけど それが現実だ


チップの抑えきれない涙が床を水浸しにします


ベークは黙ってチップの肩に手を置きます


ベーク

チップよまたくる


ベークは家を後にしました


ラッタは寝てるお母さんウサギ

マーサのベッドに行きます



ラッタ

おかあちゃん おかあちゃん






ラッタは弱い言葉を言ってしまいそうな

唇をかみしめ


いまにも泣いてしまいそうな目を

無理やり強くつむり


負けてしまいそうな心に

自分のあたまを何度も何度も叩きました






ラッタ

おいら みつけるよ 絶対 絶対


ラッタはそう心で誓いました



森の夜は深く暗闇


何千里先の鳥の声も

目の前の虫の音も

同じに聞こえるほどの

静寂なのです




カンカン


カンカンカン





寝静まったウサギ達の家にノックがします


窓からのノックです





夜の訪問者にあまり良い知らせはありません




ラッタはそっと窓に近づきます


ミミズクのオルーガでした



オルーガ

ラッタ 大変だ! 聞いたぞ 聞いたぞ♩





ラッタは勢いよく窓をあけます


オルーガに「しっ静かに」と制されました



オルーガ

昨晩森を抜けた野原で動物会合があったんだ

ムジナと白馬が話してるのを立ち聞きしたら

あの お前が探してる あの木

本当にあるみたいなんだ!





ラッタは叫びそうになる声をぐっとこらえて 拳を握りしめました





オルーガ

その会合の野原から さらに草原を抜け

砂漠や山を越えた 場所だ

でもよラッタ 病気のマーサに歩ける距離じゃねえぞ


オルーガはそう言い残し

飛び立ち去りました





ラッタは布団にくるまり考えました

お母さんウサギマーサをその場所まで

運ぶ方法を

明け方 まで何度も何度も

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