僕たちはエサ
血の匂い
視姦され見定められるギラギラとした無数の目
いいわけなんて通じないリアル
良くも悪くも森に守られ 閉鎖された
ウサギの兄弟にはじめて体感した恐怖
死の現実
ラッタはガタガタと震えます
チップはなにも出来ない圧倒的な力に呼吸がおかしくなります
ムジナは気がつくといなくなっていました
1匹の狼がゆっくりとウサギ達に近づいてきました
灰色の狼
たいしたエサじゃねえな
黒色の狼
オレ 若い肉けっこう好きよ
ウサギ達の生活や目的なんて
狼達にとってはどうでもよいので
ただのエサなのです
チップ
やられたな ムジナに
オルーガ
泣き言いっても はじまらないぜ
そういうオルーガも油汗が一つ二つ、、、
チップ
たべるなら 僕だけにしろ!
あとはみのがせ
振り絞るようになんとか声をチップがだします
狼のせせら笑い
1番後ろにかまえる傷だらけのボス狼がゆっくりと前に出てきました
ボス狼
いや、全部食う
狼の群れがその言葉を合図に一斉に飛びかかろうとしたその瞬間
白い稲妻が狼とウサギ達の間を切り裂きました
ひるむ狼達
ウサギ達に背を向け
その凜とした神々しい身体を月に照らします
ウサギ達の前に現れたのは、、、




