198 クラリスの気持ち
あーもう、なんなの。なんなのなんなの!
絶っ対におかしい!
おかしいったら、おかしい!
昨日のアレはお酒のせいでしょ!
全部が気のせいで、勘違いだって結論付けたのに……。
また……。またよ……。また!
また……顔が赤くなって、心がぽーっとして、ちょっと……嬉しかった。
人前で説教されて、本当なら恥ずかしいぐらいなのに……ちょっと嬉しいって思っちゃった。
ふう……。
とりあえず。とりあえず……いったん落ち着こう。
恥ずかしくなって店を飛び出してきちゃったけど……どうして去り際にあんなことを言っちゃったんだろう。
また……来る……って。
もしかして……繋がりを、断ちたくないって思ってるってこと?
う、ううん! そんなわけないよねっ!
あ、そうよ。あの店のモーニングが美味しかったから、また食べに来ようかなって思っていただけよね、きっと。そうよ、絶対に、そう。
……確かめるしかない。この気持ちとか、色々。
あいつに私の電話番号のメモを渡しておいたから、もし……本当に、もし。あいつがそのことに気が付いて、こっちに連絡を入れて来たら……その時には。
――ちょっと、気まずいかもだけど……。