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<ガイア>列伝  作者: 樹実源峰
はじまりの物語
9/69

作戦会議(?)

「あの剣術はどこで習得したんですか!!」


姫川さんはテーブルから身を乗り出して聞いた。


「いやいや、落ち着いてよ」


それを俺はなだめていた。あと、姫川さんが身を乗り出すときに胸が揺れたので顔を見れない。一応言っておく、わざと見たわけじゃないからな。


「そう言えば誰から習ったんですか!あれって王宮剣術の『薔薇の剣』ですよね!あなたは王族なんですか!」


「いや、違うけど。そもそも王族に職業なんて割り当てられないだろ。割り当てられていたとしてそれは王子とかじゃないか」


「あ…ま、まぁ、そうですよね…」


若干姫川さんが遠い目をした気がしたが多分気にしない方がいいのだろう。


「…まぁ、いつか話すと思うよ。パートナーやってる以上ね」


「そうですね、そうですよね。では、私は新聞買ってきます」


自身にもあまり突っ込まれたくない箇所があったのかそう言って姫川さんは立ち上がった。


「新聞?読んでるの?」


「購読はしてませんが毎日読んでいます。何処かで災害とかあった時にすぐ駆けつけれますからね」


えっへんと胸を張る姫川さん。また揺れたぞ、おい。


その俺の無言を肯定ととったのか、レストランのカウンターへ新聞を買いに行った。


暇だなーと思ってチュルルルルーとストローでジュース(オレンジ)を飲んでいると、聞くつもりはなかったが後ろの席の二人の話が聞こえた。


「そういえば、噂を聞いた?」


「え〜、どんな噂?」


「この町に昨日緑色の気持ち悪いのが出たじゃない?それを一人で全部倒した勇者がいるんだって〜」


「え〜、一人で?だれだれ?」


「それがね、まだ名もないルーキーらしくてね。名前は分からないけど、ただそのパートナーが有名なの」


「パートナーが?そっちは誰なの?」


「姫川優香よ。あの美少女勇者」


ブーーーーッと俺はジュース(オレンジ)を吹いてしまった。幸い、前には誰もいなかったので良かった。


気づかれたかもと後ろに気を配ると…


「もう、後ろの人飲み物を吐き出したわよ、信じられない」


「まーまー。それよりさ、この前でた…」


こちらのことはたいして気にした様子もなしに他の世間話を始めたようだ。


ふぅ、と思って前をみると、なんか濡れてる姫川さ…あれ?なんかオレンジっぽい香りがするよ?


「すいません、如月さん、少しお話があります」


その時の姫川さんの背にはなにか巨大なもの、そう鬼とでも言えるような存在が見えた気がした。


如月海斗の目の前は真っ暗になった…



〜対談中しばらくお待ちください〜



「凄いですよ、如月さんの昨日の活躍が新聞に載ってますよ!」


姫川さんがはしゃいで新聞の一面を見せてきた。俺の写真付きだ。写真はゴブリンの血に染められた公園(白黒なので黒く見える)に、刀を納めた俺の後姿がありその近くに姫川さんがいるという構図だった。(ちなみに、この時に周りに人がいなかったことを考えると、町に防犯として置いてある記録結晶で撮られたものだろう)


もちろん新入り勇者の俺の名前は知られてないので、一面には


「町に攻め込んだゴブリンを一掃!?やったのは名前も知られていない新入りか!?」


とか書かれていた。記事を見ると、広場はゴブリンの血によって様相が変わってしまったことや、負傷者こそ出たものの死亡者がいないこと、そして美少女勇者と共に男がいたことが書かれていた。


「はれ…?ほれってほれやはふへ?(あれ…?これって俺やばくね?)」


俺の姿(後姿だが)と存在が姫川さんのファンクラブに知れ渡ってしまった。夜道を気をつけなければ。


それはそれとして今の俺はちょっと喋りにくい。なぜなら顔が腫れているからだ。いや、まさかあんな目に遭うとは…もう思い出すのはやめよう。


「如月さん?大丈夫ですか?お顔が腫れていますが?」


「は、はぁ?ほくはひらないほ?(さ、さぁ?僕は知らないよ?)」


ちょっと目が光ってる。まるで、余計なことは思い出すなと言ってるように…こんな怖かったっけ?


「まぁ、それは置いておいて如月さんは彼にどう挑む気ですか?まさか正面からとか言いませんよね?」


彼とは昨日の巨大ゴブリン、ギ・ガーというやつの事だ。普通のゴブリンと体格がかなり違写らないう上に更に強さも格段に上だった。


まぁ、彼の手下は全て死んだようなので俺を騙して一対多の状況にはなるまい。まだ残っていたとしても、彼の性格だとそれはすまいと考えたところで俺は答えた。


「もちろん正面からだよ。奴は罠をしかけるとかそういうことをしないだろうから…ってあれ?」


話してる途中に気付いた。顔の腫れが引いてるだと!?


「あぁ、それは話す時に聞こえにくいので魔法で治しておきました。もう、二度とあんなことはしないでくださいね?」


最後の一言は物凄い圧力でした。はい。一瞬さっきの鬼が見えました。


全く関係ないがふと、ここで疑問が湧いてきた。


「ねぇ、姫川さん」


「なんでしょう?」


「なんで俺になんだかんだ優しくしてくれてるの?俺が言うのもなんだけど、昨日のアレを見たら普通俺を避けるものじゃないか?」


「ふぇっ!?」


うん?どうしたんだ?変な声出して?可愛かったが…じゃなくて、赤面までして!?まさか、俺怒らせたのか!?…鬼が、鬼が現れるぞ!?


「ごごごごめん、姫川さん!怒らせるつもりはなかったんだけど…」


「さ、先に宿に戻ってます!」


俺の言葉が終わらぬ内に姫川さんはそう言って店から出てしまった。そうとう怒らせてしまったようだ。むむむ…あ、支払いどうしようお金あったっけ?


後には財布の中のなけなしの小遣いを見る俺が残された。

一月四日更新!

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