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<ガイア>列伝  作者: 樹実源峰
勇者大会編
55/69

第一戦の終了

すいませんでした!作者です!

昨日まで体育祭の練習やら、体育祭やらで疲れに疲れて…日曜も土曜も学校というキチガイ仕様に心身共にやつれてしまいました…。


と、いうわけで二日遅れでお届けです!

書き終わったのは今日です!多分、加筆修正そのうちあるかと思いますがどうぞ!


※追記 獅子王の読みはライオンキングです。前々話では半ば寝ぼけながら編集してたので間違ってました

なんだ?奴の気配が変わった?


海斗と向かい合っていた『瞬光の隼(ファスト・ファルコン)』は海斗の中で何かが変化していることを漠然と感じていた。


次は先ほどと同じはいかないだろうという謎の予感も同時に感じていた。…今までの戦いではなかったことだ。


戦闘中に急に気配が変わるだなんていったいどういうことだ?


そう隼が訝しんだ時に、海斗は動いた。


と、隼が認識した瞬間に攻撃を受けたのを感じた。腹に一撃。


…勇者大会において、勇者達は他人を傷つける恐れのある剣や、刀などには相手を傷つけないようにバリアをまるで皮膚のように武器に貼り付ける魔法を使っている。もちろん、致命的な場所を誤って傷つけてしまわないようにという配慮である。


だが、だからと言って衝撃が吸収されているわけでもなく、打撲とかはまぁ残る。


ともあれ、海斗が放った一撃は峰打ちではなかったものだが、その怪我は打撲くらいなものだ。


だが、攻撃を受けたという事実は隼の意識を揺さぶった。前回の、番人討伐の時の攻撃は彼の目には捉えることのできたものだった。しかし、今回の一撃は目に見えなかった。


無論、隼とて何もせずただ一ヶ月経ったわけではない。以前よりも格段に速いものの動きをも追えるようになっていた。


それを、海斗の成長は大きく上回ったということだ。


だから、隼は動揺したが、その動揺も一瞬だ。…そもそも、最初からその速度で動けるのならそう動けば良い話なのだ。何故、急に加速したか…その理由の幾つかには心当たりがあった。


海斗の足元に土属性魔法で作った土を投げる。


当然、攻撃にもならないくらいの威力なので海斗は無視した。すると、それは風に吹かれたように舞い上がった。


「『風の鎧(ゲール・アーマー)』か…」


その言葉に海斗はピクリと反応する。


「よく分かったな。さっきの土攻撃か?」


だが、海斗は正体を隠すことなく、寧ろ明かす。だって、この魔法を他人が解くことはできないのだから。


一ヶ月に及ぶ、師匠との特訓において、『風の鎧』を使いこなすのは重点的に置かれていたことだった。風の鎧が持つ防御力と速度、それを鍛えてきたのだった。限界までしごかれ、限界を超えて。


その特訓により、海斗は『風の鎧』が砕けないというイメージを得た。…いや、砕けるというイメージが払拭されたというべきかもしれない。


魔法というのは想像力がものを言う。強いイメージをできるものが、或いは強い意思のあるものが勝って行く。勇者の中では常識のことだ。


とは、言えど多少なりとも相性はある。火に水をかければ冷えてしまうように、ついつい自分の魔法が負けてしまうイメージを浮かべてしまう。…そうすると、負けてしまう。幾ら、覚悟を持った者でも己が敗北を意識してしまえば負けてしまう。


だから、隼は、『風の鎧』の天敵である魔法を使うことにした。


「『風斬牙(ゲール・キラー)!!』


そう唱えた瞬間に、両手に


防御する『風の鎧』に対して、攻撃をする『風斬牙』は対極にある存在だ。互いが互いに勝つことができ、互いが互いに負けてしまうこともある。


つまり、隼は自分の想像力と、海斗の想像力の勝負に出たのだ。…あるいは、覚悟の勝負に。


隼の脳裏に浮かぶのは一ヶ月鍛えてきた記憶…だけでなく、勇者として始まってからの全てである。隼が、軽蔑していた海斗を同等の、油断ならない相手と認識した瞬間だった。


「オ…ォォォォオッ!!!」


雄叫びをあげて、牙を両手で持ち一瞬で肉迫する。そして、渾身の力と想像力を持って海斗へ打ち込み…そのまま風で出来た牙は砕け散った。


「…決着だ。薔薇の剣 参の型 獅子狩り!」


一瞬で相手を二回斬る…それが獅子狩り。獅子は一匹ではない。そして弱くもない。その思いが込められているこの技を使った海斗は、隼が勝負相手として本気で戦う相手であると考えていたのだった。


その一撃を深く受けた隼が倒れる。


「…試合終了!勝者は…『真紅の殺戮者ヴァーミリオン・スローター』!」


倒れた隼の元へ駆けつけた救護係の男がそう告げて、第一回戦は俺の勝利に終わった。




かちゃり。


上品に紅茶のカップを皿の上に置き、静かに姫華は呟いた。


「遅すぎるんじゃないかしら、師走さん?」


そう姫華が良い終わると同時に部屋のドアが開き、その奥から師走が姿を現した。


「…どうして、分かった?」


師走が訝しながら、部屋に入って来てそう言った。


「簡単よ」


と姫華。


「ここは、十二師族専用の観戦ルームで、勇者じゃない他の十二師族は見に来ないし、勇者である十二師族は大会に勝つために少しでも相手のことを知るために直接見ようとする。そしてSランク勇者は私とあなたと神無月の三人だけれども神無月は今日は円卓議会で忙しい。なら、ここに来るのは必然的に貴方でしょ?」


「まぁ…そうか」


そう言って師走は近かった椅子…それも超高級品の上に座った。


「…まぁ、俺だと分かった理由はさておき、俺に話しかけたってことは用事があるんだろう?」


師走は先を促した。


「そうね」


すると、姫華は簡単に認めて師走の方向へ向き直さずに話し始めた。


「では、情報交換、と行きましょうか?」




「クフッ…フフフ…フハハハハッ!なんだなんだ…『真紅の殺戮者ヴァーミリオン・スローター』か?いかにも強そうな新勇者じゃないか!この我を楽しませてくれそうだな!」


観客席に響き渡る大声で男は言った。他の観客は訝しげにその男を見たが、顔を確認した瞬間に目を逸らした。


獅子を思わせる一見無造作に見える髪型で金髪。その顔は荒々しく男らしい。その目には猛獣のような鋭い光が宿っていた。


彼の名は『獅子王(ライオンキング)』、百獣の王の名を頂いたAランクで最強の勇者である。その強さは、一撃における攻撃力が随一のあの師走春仁と殴り合えるほどである。


その初試合は第五回戦。海斗の試合の次の日である(勇者大会は基本一日に四試合ある)。だが、こうやって試合を観戦しているのは、相手の情報を得るため…ではない。強そうな相手を見繕うことにあった。


通常、勇者大会の試合順番がまだである勇者は、リラックスのために敢えてクエストに行くか、少しでも相手の情報を握り優位性を得るように試合を観戦するかのいずれかだ。


それだけ、この男は自分の力を信頼(過信ではない)しているのだ。


「…このまま順当に行けば、準決勝で当たるか。フフフ…待ち遠しい、待ち遠しいが、だからこそ滾るというもの。楽しませてくれ、『真紅の殺戮者』!」

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