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<ガイア>列伝  作者: 樹実源峰
防衛準備編
50/69

番人狩り

どうも、作者です!


今回は記念すべきかもしれない50話ですが特になんもありません!あっはっは!


戯言以上!特に書くことなく申し訳ありません!

俺と姫華が、約一週間ぶりに会い、そして番人討伐をやると唐突に聞かされたその日の午後には俺たちは薔薇の国の南に位置していた。


因みに、この<ガイア>は東西と南北にまっすぐ伸びた線が重なり合ったような、十字の形をしている。この十字の東に、青薔薇の国。西に白百合の国。南には薔薇の国。そして北には『闇の領域』、かつての黒蘭の国がある。


余談だが、黒蘭の国は最初にゴブリンたちの襲撃を受けてそして陥落しそのままゴブリンたちが居着いてしまったのであってもともとは人の住む国だったのだ。故に他の国は、自分の国でなくて良かったと思う反面、自身らもゴブリンたちに喰われないように国の守護を第一に置いている。


話は逸れたが、そう言うわけで今俺と姫華がいるのは四つの国家の中でも一番南に位置する薔薇の国の、さらに南に位置する街のイーチの街だ。


実質、この『大陸』の最南端に近い場所と言っても過言ではない。


そして、その最南端に存在するダンジョンの、『炎の遺跡』。中は灼熱地獄だ。だがここでしか取れない鉱石の、オルートがかなり丈夫な剣を作るために必要なので度々勇者が依頼を受けて、時たま帰ってこないというのがしばしばある。そんな危険な場所にも人知及ばぬ何かの番人は立っていて条件を満たさない者は通さないようにしている。


ちなみに、ここの通過条件は鉄剣を一人あたり一振り番人に向かって投げるとのこと。その番人に当たった剣は番人に吸収され二度と戻らないのだとか。


そして、その例の番人。固有名『炎の番人』が目の前を立ちはだかっていた。


「我、汝らに問う。汝らはこの奥へ行くことを欲するや、否や」


その声はまるで地の底より響くような威圧感のある声だった。


その体躯は高さ4mほど。身体は騎士達のように鎧に一部の隙もなく覆われていて、右手に巨大な身体に会うように作られたような大剣を携え、左手に大きく丸い盾を構えていた。その全身は、赤く。熱を発していた。その顔の兜の奥からはただただ紅い二つの光が覗いていた。


「通らせてもらうわ」


「あぁ、この先に用がある」


俺と姫華はそんな恐ろしげな番人に向かって飽くまでも平静を装って答えた。俺の心情としては逃げ出したいだが、果たして姫華は逃げたいとか考えているのだろうか?…微塵もなさそうだ。


「宜しい。ならば、供物として鉄剣を一人一振り、捧げよ」


「いや、鉄剣は持ってないのよ」


そう姫華が返した途端、番人の気配が、いや威圧感が増したように感じられた。


「ならば、去ね。どかぬというのならば、力を以って排除する」


「あら、そう?なら、貴方の屍を超えて行こうかしら」


ゴオッ、という音がなりそうなほど急激に膨れ上がった三つの殺意。無論、発生源は番人と姫華とそして、俺だ。


「ならば、排除するのみ」


次の瞬間、その巨体からは想像できない速度で剣を振り下ろす。狙いは、前にいた姫華だった。思わずに回避行動をとった。


ぶわっと舞う土埃。だが、先ほど回避する前に姫華を見たが、どうも回避行動をとった様子はなかった。


「まさか…」


思わず最悪な予想をした俺は咄嗟に魔法を使う。


「マナ・コール・トルネード!」


俺の隣に実に小規模な竜巻が生まれる。そのまま、それは周りの土埃を吸い込んで行った。


その土埃が晴れたとき、そこには果たして姫華が立っていた。


無傷で。


しかも同じ場所に。


番人が振り下ろしたその剣は、姫華の頭数センチのところで止まっていた。


「…殺さないのか?」


と、俺がつい呟くと、


「殺せないのよ」


と、姫華が返した。


「言ったでしょ。死神に迎え入れられるほど甘くないのよ」


そういっておもむろに手を上げる。直前までぶらんと垂らしていたような手をゆっくりと、焦ることなく上げていく。そして、手の平を番人に向けて


「貫け」


といった瞬間に、その手の平から光線が飛び出した。


だが、番人は焦らずに剣を下げて盾を向けた。


ジュゥゥゥゥ……という音によって俺は愕然とした。番人の盾が溶けかけていることに気付いたからだ。


数多の剣を折ってきたし凡ゆる魔法をも跳ね返してきたと伝えられてきた番人の盾にダメージが入ったのだ。


あらためて、姫華の化け物っぷりを認識した。


「さぁ、行きなさい」


その時に合図を伝えられた。


その声を聞くと同時に俺は走り出す。


「マナ・コール・ウィンド・バズーカ!」


背中に向かって風を思いっきり浴びせ、大きく跳ぶ。


一気に番人の首元へと躍り出ると、その首の後ろに直径30cmほどの穴が空いていた。事前の話によると、ここに剣を差し込むことによって番人は動きを停止し、塵となるらしい。


すべて、以前に番人を倒したことのある神無月狂夜と師走春仁の報告書によるものだ。


「これで終わり…ッ!?」


その穴に剣を投げ入れようすると剣でガードされた。しかも…


「なっ…!?鍛治職人渾身の一振りなんだぞ…!?」


魔剣の代わりに使ってた、めっちゃ高い金を払って買ったものだ。ちなみに、鉄を全く使用してないため供物にはならない。


そして、高かった。


それが折れていた。


その時の鍛治職人、しかも、騎士達や勇者達の評判が大変良いその鍛治職人は、自信作だと豪語していた一振りなのにぃぃぃぃぃ!!!!


空中に浮いたまま、その思考を一瞬にして展開して、同時に空中で剣を召喚する。ついでに買ったさっきよりは安いが鉄製ではない剣を。やすくはないぞ?


「はぁぁぁぁぁぁ!!!」


思い切って剣を、その番人の剣に叩きつける。


その瞬間、剣が折れた。


「な…にぃっ!?」


さっきの剣はそれこそ、一番目の剣には及ばないが、そこそこの、ものだった。しかも折れるほどの力は加えていない…はずだ。しかし、折れた。先ほどのはガードされたので折れたかもしれない、と思って敢えて動いていない番人の剣を狙ったのに逆に折られてしまったのだった。


まさか、とある種の予感がしたから、胸元からいざという時のための小刀を取り出し、狙いを定め、再び番人の剣へ投げる。


果たして、その小刀は砕け散った。


「姫華!こいつの剣は剣を破壊する能力を持ってる!なんでかは知らないけど!」


俺は状況からそう判断し、姫華にそれを伝える。


「へぇ」


姫華はそうとだけ言って、手を空に向ける。


すると、空から夥しい数の小刀が番人のそれも、剣を狙って飛んでくる。


しかし、結果は一つ残らず俺の小刀と同じ末路を辿った。


続けて第二群。盾へと向かう。こちらも同じく粉々に。


「武器による攻撃は通じないようね」


姫華はそう、感心したように言って表情を引き締めた。


「じゃあ、魔法でやるしかないようね」


次の瞬間、世界が変わった。


と、一瞬錯覚してしまった。ふと周りを見る。何も変わっていない。だが、姫華は不敵な笑みを浮かべていた。


「サンダー・ランス」


バチンッという音と共に一筋の閃光が、一瞬、姫華の指先と番人の盾を結んだ。


そして、番人の盾が砕けた。


「…なに!?」


先ほどの魔法による攻撃でも表面を削っただけなのに、今回は突き破るどころか、破砕した。


そして、気付いた。今の一瞬で、二人を繋いだ閃光。あれは、姫華の雷魔法だ。


「さぁ、痺れなさい!」


それが死闘開始の合図だった。

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