勇者大会のこと
先週はすみませんでした!
とても忙しくてアップして満足して終わっちゃって謝罪の言葉を述べるのもわすれてました。
だけど、今週は忘れてない!というわけで今後とも勇者の冒険譚改め<ガイア>列伝をよろしくお願いします!
「おはよう、優香。あと、リュウ」
「僕のことをついでみたいに扱うのをやめてくれないか?」
俺はそういう爽やかな挨拶をして、朝食の席についた。なんと、ここの宿は朝ごはんも付いてくる優良な宿だったのだ。
「…それは普通だよ、カイト」
そして、そのメニューは食パン三切れに、バターが付いて、さらに野菜のスープがあるという気合の入れっぷり。エクセレントと言って差し上げましょう!
「どうしよう、姫川さん。僕はこいつのことが心配になってきたんだけど?」
「あは、は…」
ん?なにやら優香が苦笑を浮かべている。…ふむ、リュウを無視し過ぎたかな。
それはさておき。
「それで、正午集合のはずだけど今は七時。あと五時間なにする?」
とりあえず、会話のない食事ほど味気ないものはないので、今日の任務についての話を振ってみた。
「そうだね。正直、この街の中に娯楽はないからね。だからといってフィールドワークにでも出て疲れたら肝心の護衛も失敗してしまうかもしれないしな…」
そこで会話は終わってしまった。…まずいな…と思って何らかの話題を求め新聞に目をやると、思わぬ助けがあった。
「ん?そういえば、来月は勇者大会だっけ?」
「そうですね。でもそれがどうしたんですか?」
「新聞に勇者大会についての記事が載っていたんだよ。今年の大会の有力勇者についてまとめてあるよ。
…へぇ、『疾走する馬』に『霜の女王』、十二師族も出るんだなぁ。…あれ?神無月さんとかいないな?」
「あぁ、それはカイト。Sランクの勇者は出ないんだよ。強過ぎるから試合にもならないからね」
「…なるほどな。ん?おお、『紅水の貴公子』『美少女勇者』もいるじゃ……………『真紅の殺戮者』…だと?」
誌面にリュウや優香のことを見つけ完全に他人事として捉えていたらなんか俺の二つ名載っていた。…いや、色々とおかしい。
「君はゴブリン討伐の功績を認められてBランクになったしねぇ。そうじゃなくても誌面を騒がせたから宣伝目的に突っ込むだろう」
通常、勇者大会に勇者一年目の勇者が出ることはない。いや、通常というか全くなかったはずだ。
そりゃ、ゴブリンが現れてすぐの頃ならいざ知らず、今はゴブリンなんて『闇の領域』と、人間の世界の境界線にいるか、もしくは越えるかしない限り現れないから話題に上るのも分かるが…。
だからといって、ねぇ?
「ちなみに、これに優勝するとポイントが大量にもらえるし、かつ優勝賞品ももらえるからお得だよ」
「優勝賞品って何だよ」
即座に反応する俺。小市民感たっぷり。
「記念品のトロフィーと、賞金五十万円かな。でも…」
「ようし勝つぞ!」
金のことをきいた瞬間にやる気を出した俺を優香は苦笑して、リュウは半顔で見てきた。なんだよ、いいじゃないか。
「ただ、君は今や貴族に戻ったからあまり意味ないかなって言おうとしたんだけど?」
忘れてたな。俺は今は高給職の勇者だし貴族なのだった。だが、だからと言って…
「俺の生まれてこの方刻まれた貧乏性を舐めんじゃねぇよ?」
「…海斗さんこの食事私が負担しましょうか?」
「いや、勇者だから大丈夫だよ。お金はあるしね」
流石に貧乏だったからとはいえ人に、しかも女の子に奢ってもらうというのは少し格好悪いかなと思って辞退した。つうか、俺も言ったけど勇者だから大丈夫だよ。大丈夫じゃないのはこの貧乏性だ。
「えっと、じゃあ他人事じゃなくなったしルール確認でもしよう」
「あぁ、そうだね。僕たちも今年が始めてだし」
「えぇ、そうですね。私たちは一年早めに勇者になりましたしね」
ここで驚くべき事実。優香はなんと一年だけ俺より早く勇者になったのにAランクらしい。……。まさか、新聞を読まないという悪癖がここまで影響を受けるとは…。
それはそれとして
「なんで、お前も一年早めに勇者やってんだよ?お前も俺と同い年だろ?」
「いや、それは単純に師匠が僕に勇者になれっていってきて、お父さんが手を回して…ね」
「私は、あなたたちより年上だからです」
エヘンと胸を強調…もとい胸を張る優香さん。相変わらず大きい。思わず手を伸ばしそうになる。
「そういえば、海斗さんのランクはBで、くれな…柊さんのランクはAですから違うリーグですね」
「リュウでいいよ。あお…姫川さん」
「私も優香でいいですよ」
「分かったよ、優香さん」
「リーグってなんだよ?」
優香とリュウの会話を切って質問を入れた。…別に嫉妬じゃねぇからな。
「え?あぁ、大会は三つのリーグに分かれてて、第一リーグはAランクの勇者だけ、第二リーグはBランク、そして第三リーグはCDEランクの勇者が参加できるんだよ。だから僕とカイトはリーグが違うから戦わないんだよね」
「へぇ。でも戦わないって言っても、試合はトーナメント形式だから運次第だろ?」
「いや、そこは裏からちょちょっと……なんでもないよ」
今こいつ不穏なことを言わなかったか?
「まぁ、カイトに当たるように仕向ける以外は手は加えないよ」
最終的に当たるパターンかよ。
Aランクに上がれると様々な特典がつくのだが、リュウとの試合がセットなら上がらなくていいかもと、ふと思った。




