世界を守る者たち
一月四日、名前にルビ振っておきました(修正)
「では、神聖歴500年、第二回目の十二師族会議を開催したいと思います。尚、私は十二師族序列第一位、神無月家の代表代理、神無月狂夜です、よろしくお願いします」
にこやかな顔でそう言い放ったのは、十二師族序列第一位の神無月家の代表代理神無月狂夜さんだ。
序列第一位…つまり、権力を持っている十二師族の中で一番の権力を持っている人物だ。
さらに、彼の職は勇者だが、その肩書きはただの勇者ではなく、勇者筆頭。つまり、勇者を束ねる者でもある。ちなみに、余談だがそれは同時に勇者の中で最強を示す。二つ名は、『漆黒』。由来は俺も知らない。
俺も数年前に会ったことはあるが、その時から変わっていない黒服黒帽子と、白シャツと肌以外がすべて黒であるファッション。
彼曰く黒は全てを隠す色だから好きらしい。
「序列第二位、師走家代表代理、師走春仁」
次に神無月の隣にいた男が名乗る。彼もまた勇者で、彼の武勇伝は広く知られる。
曰く、岩を拳で粉砕しただの、曰く、雄叫びだけで、ドラゴンを空から墜落させただの、曰く、ドラゴンを殴り殺しただのと…嘘かまことか分からないような噂が飛び交っている。
そんな彼の外見は、先ほどの噂を疑う余地もなくなるほど筋肉で盛り上がっており、実際、力勝負となれば相手に勝ち目はない。
そんな彼は勇者で、しかも強さは勇者のNo.2である。二つ名は、『無敵の豪神』。力勝負だと、無論神無月を圧倒するだろう。しかし、神無月は、テクニックを多用するタイプなので根本的に相性が悪いのが彼がNo.1ではない原因と言われている。
…まぁ、だからといって彼はテクニックを重視する勇者たちを力でねじ伏せているからテクニックタイプに弱いというわけではなく、寧ろここは神無月の技術力を褒めるべきところだろう。
「序列第三位、睦月家代表代理、睦月破凪だ」
次はおなじみの破凪くん。度々、リュウの城では会ってたが俺は殴られてばかりだ。…嫌われてんのか?付け加えると、今も左頬が痛い。…今回もやられたのだよ…。
勇者育成スクールに行っているから職は勇者見習いだ。…正直聞いた時は驚いたが、魔法を学ばせるだけだと聞いた時は納得した。彼の武術はすでに大人を圧倒する。だが、彼の家には名手と言われるほどの魔法の使い手がいないため
通わせているのだろう。
「序列第四位、弥生家代表代理、弥生姫華よ」
今度は…ふむ、初めて会う人物。女性ですっきりした顔立ち。黒髪で長髪ストレート、黒い瞳。かなりの美人。少し目がつり目だけどそこがいい!
性格は少し、厳しめらしい。職は勇者で二つ名は、『雷の姫』。雷魔法を使えば右に出るものはいないという伝説の持ち主だ。その代わり、他の魔法がやや苦手という噂もある。
「序列第五位、長月代表代理、長月修」
次も初めて会う人物。髪は茶色で短く刈り込みをいれている。顔は濃ゆめ…とだけ言っておこう。
この人は騎士。国防が主な仕事だ。聞いた噂によると、戦ったことはないが、実力は師走春仁に少し落ちると言われる。しかし、劣るとはいえ、それでも超一流の戦士であることは間違いない。
「序列第六位、卯月家代表代理、卯月美波」
こちらも初めて会う。赤みがかった茶色の髪で、ポニーテール。目はこちらも若干つり目っぽい。もちろん美人だった。
この人は勇者で、二つ名は『疾走する馬』。なんでも、攻撃が一撃必殺とかではなく、重ねて行くタイプなのだが、その攻撃速度が異常なくらい早いとか。あとは、ポニーテールが名前に一役買ってるのだろう。
「序列第七位、水無月家代表代理、水無月葵です」
えーと、次も初めて会う。だが、破凪くんの後ろにいた子だ。たぶん彼女だろう。…たぶん。
そう思ってたら、破凪くんがギロリと睨んできた。なんでだ?
事前の話だと、彼女は破凪くんと一緒に勇者育成スクールに行っているらしい。やはり仲いいじゃないか…とか思ったらやはり睨んできた。怖いわ。
「序列第八位、文月家代表代理、文月美雪です」
次も、初めて会う人だ。白い肌、目は珍しく緑。黒髪で肩のところで切り揃えている。ただ、なぜか少し影が薄いとか、薄幸とかの言葉が似合いそうな人だった。
事前に聞いた話だと、代々使用人として仕えているようだ。
「序列第九位、霜月家代表代理、霜月天音です」
次は…ん…あれ?見覚えあるってあれだ!
巷で話題の美少女勇者の二人のうちの一人のひとだ!もちろん、もう一人は姫…青崎さんだ。…むぅ、言い間違えた。
髪は珍しく金髪。顔は明るく、皆が好感情を抱く性格。
『美少女勇者』という身も蓋もないような二つ名は、姫川…じゃない…ええと、優香さん—これだと呼び分ける必要がないから心の中でそう呼ぶことにしよう—が手に入れたが、霜月さんが早ければ彼女がその二つ名だったろうというのは専らの噂だ。
ちなみに、彼女の二つ名は、『霜の女王』。あたり一面を極寒にしてしまう魔法が得意で、それと名字をかけたのだろう。
「序列第十位、葉月家代表代理、葉月聖奈」
……?え、えーと?……。
なんだ…?なんか仮面つけてるんだけど。あの、なんだっけ?ひょっとこってやつ。
この人も一応勇者なんだけども、えーと、女性らしい。二つ名は、『仮面の貴公子』?…結局男なのか?……やべぇ、謎が深まるばかりだ…。
「序列第十一位、皐月家代表代理、皐月颯太」
俺の向かいだ。えーと、こう言っちゃ悪いが、ルックス普通。背丈も普通。体つきも普通。つまり、普通の奴といった印象しかないな。
一応勇者だが、二つ名が…不明らしい。勇者だからあるはずなんだけどなあ。
「序列第十二位、如月家代表代理、如月海斗」
その面々に俺を加えての十二人の十二師族が、この世界を守る者たちというわけだ。戦力的にも経済的にも、である。
そして、今、その会合が始まる。




