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<ガイア>列伝  作者: 樹実源峰
防衛準備編
25/69

二人と二人

滑り込みセーフ!なみに書き終わりました。…危ねえ危ねえです。

うん、下手すれば再来週が危険…ですね。

最近テスト前なので休む暇がなくって。艦こればかり…というのは言い訳か。

駄文失礼しました。ごゆっくりお読みください

「教官、少しばかり時間をもらえますか?」

魔法学の授業後にその言葉が聞こえた瞬間、ざわめいていた教室は水を打ったように静まり返った。

なぜなら、あの睦月破凪が丁寧な口調でそう言ったからである。

睦月破凪、その険しい目線と鍛え上げられた身体、そして強さから女子の目を集め、更に水無月葵と親しげに話すことからほとんどすべての男子の反感を買っている(本人はうるさげに扱ってるだけだが)。

まぁ、風評はさておき、そのような丁寧な言葉を使う印象がおよそ使う気配のなかっただけに、その衝撃は同じ訓練生の疑惑の目を招いた。

もちろん、本人はそういった目線をすべて無視、もしくは気にしないのだが。

「はいはい、何だね、睦月くん?」

たった今授業を終えたばかりの厳島教官は生徒が質問に来たのだろうくらいの気持ちで聞いた。

「来週の授業は休ませてもらいます」

だが、睦月の口から出たのは、強い口調だった。しかも、許可を問うものでなく既に決まったことを口にするような言葉だったことはこれまた他の生徒たちの動揺を誘った。

普通、勇者育成スクールは授業を休むことなどできないのだ。休めるのは、近しいものが亡くなった時とか、そういう時だけである。

だがその際にも普通は生徒は許可を問うような口調で話すべきなのであるのに…というのが生徒たちの動揺を誘った理由だ。

だが、厳島教官はただの教官ではない。彼は、このスクールを任された教官たちの長である…ため、睦月の言葉の裏を読んだ。つまり、その理由を。

「あぁ、そうか。来週は十二師族会議だったね。うむ、なら君と水無月さんも、で良かったかな?」

そして瞬時に睦月の期待通りの答えを返してくれた。

「はい、水無月も会議に参加するので同じ扱いでお願いします」

だから睦月の口調は自然と敬意の表れたものになった。

「うむ、了解した。未来を任せたよ」

そう言って厳島教官は彼の肩を叩いて教室から出ていった。


「へ〜、はーくんあんな喋り方できたんだねぇ」

現在、俺の隣には馬鹿がいる。言うまでもなく葵だ。

「あ?そんなに意外か?」

他の人間にとって意外でも、こいつにとってそんなことはないと思っていたから多少驚き、聞き返した。

「うんうん。普段の偉そうな態度見てると、教官相手でも普通に話しそうじゃない」

…俺はそこまでだったか?まぁ、そんなことはどうでもいい。

「お前は来週の支度は終わったのか?無駄口もう今日の夜には出るぞ」

と、葵に言ってみるとなぜか少し困ったような顔をした。…まぁ、予想はつくが。

「それがねぇ、終わってないから手伝…」

「そうか。奇遇だな。俺も終わってなくてな」

奴の言葉が言い終わる前に速攻に手を打った。実際俺は既に終わっているが、こいつに喋り相手を与えると恐ろしいまでに喋るやつだからな。…絶対に荷造りは終わらない。

「それに、だ。俺が女子寮に行くのはまずいだろうが」

とりあえず、切り札を切っておく。早めに言いくるめて準備始めさせないと恐らく終わらない。

「いやいや、はーくんなら大丈夫だよー」

「は?」

とか思ったら訳のわからないことを言い始めた。

「だって、はーくん女子に人気だもん」

…いや、だからなんだ?という話である。それとこれとは別問題だろう。

「…とりあえず、4時間後に集合だ」

俺は奴を無視して自分の部屋に戻ることにした。後ろから「無視するなーー!!」という声が聞こえた気がしたがそれを無視し、物陰から襲いかかってきたバカ沢の首に手刀をかまして俺はその場をあとにした。


リュウに道場に来いと言われて、如何にも貴族がすみそうな屋敷に道場があるのかと思っていた俺は、その道場について驚いた。

「おいおい、まじかよ…」

床は全面畳張り。そしてその畳は優に100は越えている。

そして、その畳は最高級の物だと立った瞬間に分かった。畳にこういうのもなんだが、ふわふわしていたのた。

「この家の主が寛容なお人でね。今、休暇をもらって旅行中だから、その間は使っても良いという話なんだ」

たぶん…つーかほぼ確実に超金持ちの気がする。何も壊さないぞ、俺は。

「そういえば、木刀とか持ってきてんのか?」

剣の試合だから、実剣でやるわけにはいかないだろうと思って俺はふと尋ねた。

「うん、もちろんだよ。それと、君の木刀と、剣も持ってきておいたよ」

「いや、勇者になった時に俺はもらった剣があるから剣の方は…」

「どうだった?」

いきなり奴は会話をぶった切り、俺にそう言った。しかし、あまりに材料が少なくてイマイチ何を言ってるか要領を得なかった。

「僕はその、勇者の剣を振った感想を聞いてるんだけど?」

奴も察したのか、主語やらなんやらをはっきりさせた。

「あぁ、正直言って振りやす過ぎた。すっぽ抜けるかと思ったよ。あとは、強度だな。俺の剣に比べてやっぱり脆そうな印象を受けた。ギ・ガー…えーとオーガを倒したあとに鍛冶屋行ったら折れてるって言われたしな」

それにスラスラと答える俺。元から思っていたことだけにすぐに答えれた。

「なら、授与式のあとにすぐ取りにくれば良かったじゃない」

と、リュウは言ったが、それは実にまずい。だって

「いや、他の奴に王家と関係持ってるとかバレちゃダメだろ」

それに、お前はあの時いなかっただろう…という言葉は飲み込んだ。まぁ、どちらにせよ行けなかった訳だ。

「…ふーん、まぁいいや。君の剣『骸斬丸(からきりまる)』は、持ってきておいたからあとで持って帰ってよ」

ちなみに、なぜ俺がその剣をリュウのところに預けてあったかと言えば、勇者と騎士の職以外は帯剣は許されていないのである。…まぁ、その分その剣を使った罪は、普通よりも重くなるのだからどっちがいいとは一概には言えないのだが。

そんな理由もあって預けていたのだが、その愛剣が帰ってくるのだ。嬉しくない訳がない。

「まぁ、その前に僕と試合だけどね…ほら、君の木刀だよ」

「お…っと、ありがとよ」

リュウから懐かしき、あの人攫い共をぶっ飛ばした木刀を受け取った。

そして、いよいよリュウとの試合が始まるわけだ。

リュウと俺は一年間会っていない。理由はリュウの都合だ。恐らく王子に関することだろうとは俺の予想だ。

そんな訳で俺と奴が剣(木刀)を合わせるのは一年振り。お互いに成長期とあって、相手のスタイルの変化、腕っ節の強さは全く予想不可能。…そして、魔法の扱いも…。そういえば、魔法と言えば…

「今回は魔法の使用はどうするよ?」

俺はリュウに試合に魔法を使用するかどうかを聞いた。

「う〜ん…君も僕も魔法の威力は上がってるだろうしねぇ…。今回はなし…かな」

正直、この屋敷は借り物だし。とリュウは続けて呟いた。

なぜ、ここで建物への配慮が要るかというと、昔、王宮の広い庭で魔法を使用しながらやったところ、炎魔法がぶつかり合い爆発を起こしたことがあった。幸か不幸か場所は開けたところだったので樹に燃え移るとかはなかったが、俺たちはススで真っ黒になりながら怒られた。それはもうとても…リュウの優しいお母さんがいなければ、危うく夕飯抜きになるところだった。

そう言った事情があったのだ。

そして、この瞬間試合のルールが決まった。

・相手の木刀を折る、相手を戦闘不能もしくは気絶させる、相手に降参させた場合勝利。

・木刀を折られる、戦闘不能もしくは気絶する、降参した場合敗北。

・魔法は使用禁止。使用したら敗北。

・殴り、蹴り、刺突、など有効。

…という比較的に見ても乱暴なものである。まぁ、他人から見ればであって俺らにとってはすでに慣れ親しんだものという印象もあるが。

「じゃあ、始めようか、カイト」

そうリュウが言って、俺達は対峙した。

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