第5話~We Must Find My Friends~
「ほら、少し落ち着いたか?」
「・・・うん・・・・・・」
あの後、暫く泣き続けていた私は、目が赤く腫れ、泣き疲れで頭がボーッとしていた。
泣き止むまで、兄ちゃんは傍にいてくれた。久しぶりの体温がまた涙を誘いかける。
「・・・なるほどな、それでここに落ちたのか。」
「正確には、よくわからないけど・・・」
泣き疲れてしまい、動けない状態だったので、私は今までの経緯を話していた。
「じゃあ・・・此処は何処なんだ?俺自身も、なんでこんなところにいるのか、全然解らないんだが・・・」
「僕らも、此処が何処だかは分からないんだ・・・ただ、今いるここは、美術館・・・らしいんだけど」
「美術館?ってか、僕らって一人じゃないのか?」
「さっき言ったじゃん、安里と祐奈も、僕と一緒に落とされたんだ。今は、はぐれちゃったんだけど・・・。」
「そうなのか・・・。動けるか?」
「んえ?あ、うん、大丈夫・・・」
そう私に声をかけると、兄ちゃんは先に立ち上がり、伸びをして固くなっていた体を解した。
「真雪、どっちから来たんだ?」
「え、絵がかかってたところ正面に左から・・・」
「じゃあ、真雪の入ってきた道まで一旦戻ろう。何か改めて手がかりを探そうな。」
私達は、私の歩いてきた道を戻って行った。兄ちゃんは私の左手を握って離さない。どうしても2、3歩遅れる私を待ってくれる。
「(もう本当に・・・夢じゃないよね・・・?)」
歩きながら常々ほっぺを引っ張ってみるが、痛い。うん、痛い。
「ここか、真雪?」
「・・・・いたたた・・・・・・へ?あ、うん、ここ・・・あれ?」
「どうした?」
「ここのドア、こっちには無かった・・・!!」
机の脇に扉が出ていた。その代わり、私が入ってきた扉は消えていた。とりあえず、開くか調べてみた。
「どう?開く?」
「鍵か何かが無いと開かねえな。」
どうやら兄ちゃんが押しても引いても、びくともしないらしい。仕方がないから、私が入ってきてから行かなかった左を行った。
どうか、どうかみんなも無事でいて・・・・
To be continue...
半端な終わり方すいません・・・。
次からやっとこさ友達の中の誰かがきます。