第3話~Museum is Horror?~
しばらく歩き続けた私。見えぬ道の先、ぼんやりとだが、何かが見えた。
「ドア?こんなところに・・・?」
足を前へ前へ進めると、そのドアらしきものははっきりと映し出された。どこか中世のイメージの、重い色をした、とてつもなく大きなドアであった。
ここが突き当たりなのだろうか、しかしドア以外にはやはり白の世界ばかりで、周りを見渡しても怪しいものはここにあるドア以外に見つからなかった。
「立ち止まっていても始まらないよね・・・」
私は意を決意して、そのドアを押し開けた。
ギギィー・・・
鈍く重い音を立てそのドアが開いた。その先はまた、闇だった。いや、こちらが明るすぎるのだろうか。
私は息を呑み、恐る恐る前へと進んだ。よく目を凝らして中を見ると、ほんの少し先に、小瓶が置けるぐらいの小さな机と、その上にはノートが一冊だけ置かれていた。
「・・・?」
そのノートが気になり、私はドアの中へ入り、ノートに手を伸ばした。それを手にした途端に、ドアはまた鈍く重い音を立て閉まった。
ギギギ・・・・・バタン
ドアの閉まる音がしたと同時に、急に電気がついた。私が今立っている床は赤い絨毯、壁は黒に近い深緑の色をしていた。
私は暫し呆然と立ち尽くしていたが、手に握っていたノートの存在を思い出し、慌ててそのノートを開いた。開いたページには・・・
『ミンナみーんなバラバラ!次会ウトキハ、不思議不思議ナ美術館?それとも額縁ノ中カナ?ソレともそレとも・・・どこかなぁ?デモネ、此処はとッてモ楽シいよ!ダカラ・・・ダカラ・・・・
ココ ラ 出サナ ヨ 死ニ ウ』
「ここ・・・美術館だったのか。ってかこれ・・・!!やばいよね・・・」
開いたページいっぱいに文字が書かれていた。最後の一行は文字が幾つか抜けていたが、不穏な空気が漂っていることに間違いないのは気付いた。
「早く、急いでみんなを見つけないと!」
踵を返し、ドアに向き直った。ドアはさっきと違い、固く閉ざされていた。右と左にそれぞれ道が続いていて、どちらも遠くまでは見えない。
「(えー・・・どうしよう)」
ほんのりとスポットライトと、足元を照らすライトが見えるだけ。
「どちらにしようかな天の神様の言うとおり・・・右か。」
指は右を差した。私はゆっくりと、不気味な廊下を歩き出した。
『りんごのき』
『闇のなかの幸』
『死人と首吊り男の妙舞』
『服を探す女』
「嫌な名前の作品ばっかり・・・。」
嫌気の差すような絵画の中を進んでいった。
To be continue...
やっと美術館に入りました。新キャラ出ます。登場人物ごっちゃになってしまうかもしれません。