第1話~Where Are We Gone?~
――――さあ、おいで・・・こっちの世界へ――――
「あのさ、一つ聞いていい?」
「何ぞい真雪。」
私はいつもの通学路を眺めながら、友達の野神雪に話しかけた。
季節は巡り、初夏。私は友達もでき、高校生活的には充実した毎日を送っていた。気持ち的には、相も変わらず沈んでるけど。
「こ・・・こんなの行きはなかったよね・・・?」
「そもそもあったら普通通行止めとかになってるだろ普通は・・・」
「で、ですよね~・・・」
登校したときはなかった、超大きな落とし穴的な何かを見ながら私たちは立ち往生してしまった。そう、この穴が、すべての始まりだった。
「ねえねえこれ端の方渡れたりとかしないかなー!!」
「無茶言うな、普通に考えればあんな細いところ、あんたの足の四分の一あるかないかのサイズだぞ。」
一人やけに元気な、綱藤安里に対して、冷静な言葉を発したのは、矢村祐奈だった。安里と祐奈は小学校からの仲で、高校でクラスも偶然一緒になった。雪は高校入ってからの友達だ。
「しかし、この穴何のためにここにー・・・」
ズルッ
「おひゃあぁ!?」
「え、ちょ、真雪!?」
嫌な音をたて、屈んでバランスを崩した私は、隣にいた雪になんとか腕を掴んでもらい、落下は防げた。
「ごめ・・・ありがと雪・・・」
「ったく気をつけろよなー。」
「真雪ー大丈夫ー!?」
「どれ、雪、私らも手伝うよ。まったく、真雪はドジだな。」
安里と祐奈も私の腕を取り、持ち上げようとした。
その瞬間、謎の声が聞こえた。
≪君たちも、一緒にいこうよ・・・!≫
「は?」「え?」「んお??」
とん、と雪達の背中が誰かに押され、私達4人は大きな穴の中の闇に消えた。
To be continue...
第1話でした。
次からは謎の世界がステージとなります。
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