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キョーハク少女  作者: ヒロセ
第二章 ホーロウ中年
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まりもさんにお願い

 八月一日、夜。

 僕はスカイペをつけてまりもさんとチャットトーク。



ユウ:そう言うわけで、山にいたのは変質者なんかじゃなかったんだ。


まりも:それはよかったね。君の秘密基地が穢されないですんだ……のかな?


ユウ:あまりいい気分はしないけど、困っている人は追い出せないよね


まりも:優しいね君は。嫌なら嫌って言ってもいいと思うんだけどね


ユウ:嫌って言うほどでもないから、別にいいよ


まりも:君がいいのなら、いいと思うよ



 僕の心配をしてくれているんだね。顔も知らないし本名も知らない相手を心配するなんてそうそうできる事じゃないよ。すごいよね、まりもさんは。

 あ、そうだ。



ユウ:まりもさん、せっかくの夏休みだから、この機会に会ってみませんか?



 なんだか恥ずかしくて敬語を使ってしまった。不自然だよね……。



まりも:それはいい考えだね! ……と言いたいところだけど


 

 あれ。



まりも:それは難しいかな。君にショックを与えたくないからね。顔は合わせないに越したことはないさ


ユウ:ショックなんて受けないよ。僕はショックを受けないけど、まりもさんは僕の姿を見てショックを受けるかも……


まりも:それこそありえないよ


ユウ:そう言うことだよ。僕もまりもさんと同じことを思っているから絶対にショックを受けないよ


まりも:なるほどw そう言われてみれば納得してしまうね。でもどうしたんだい急に。今まで会いたいだなんて言わなかったのに、突然だね


ユウ:うん。僕、まりもさんをみんなに紹介したいんだ。まりもさんみたいにすごくいい人のことをみんな知らないなんてかわいそうだからね


まりも:なんだ。君が会いたいわけじゃあないのかい。残念だよ


ユウ:もちろん僕もまりもさんに会いたいよ。みんなで仲良くできたら最高だなって思って


まりも:みんな仲がいいことは幸せだろうけどね。でもそううまく行かないのが人生さ


ユウ:僕の友達もみんないい人だからすぐに仲良くなれるよ!


まりも:君の友達だからね。みんないい人だとは思うよ。問題は私にあるのさ


ユウ:まりもさんもとってもいい人だから問題なんてなさそうだけど……


まりも:残念ながら私は君の友達にあまり興味が無いのさ。私は君だけがいればいいからね



 う……。なんだか恥ずかしいことを言われたよ。……でも嬉しいな。頭がふわふわするくらい嬉しいよ。

 ぼ、僕も、返さなきゃだね……。でも、なんて返せばいいのかな……。



ユウ:僕も



 うわああああ。恥ずかしくてこれだけしかうてなかったよ! 言葉にしている訳じゃないのに、恥ずかしいよ!



まりも:そっか。それは嬉しいね。なら、会うのは無しで



 え、あ。……まあ、仕方がないよね。無理やりはよくないもん。会いたくないって言っているのなら合わない方がいいよ。今のこの関係を壊したくないもんね。

 ……でも、僕が会いたいから、僕だけがまりもさんと会いたいからって言っていたら会ってくれたのかな……。

 ……分からないね。


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