第4話 後編「その瞳に、地獄を見た」
本作一の過激回。生成AIから一回「過激すぎる」ってNG食らいました。「ガイドラインに違反しない範囲内でもういっちょ」と頼んだら、あんま変わんない内容で生成してくれました。違いがよくわからん。
【カレン視点】
——なんで、立ってんの?
目の前のマツリが、血まみれの顔で、また構えを取った。
殴った。何度も、確かに。
アゴもボディも、全力で狙って、急所にもぶち込んだ。それなのに。
こいつ、どれだけ殴っても、倒れない。
というより……笑ってる? いや、違う。目が……笑ってないのに、口元だけが上がってる。
寒気がした。
「おかしいって……あんた……もう何発もらったと思ってんのよ……っ!」
吐き捨てた瞬間、視界から彼女の姿が消えた。
と思ったら。
「がっ……ぁ……!」
腹が、凹んだ。拳がめり込んで、内臓がどこかへ飛んでいった気がした。
あんな音、自分の体から出たの初めてだった。乾いた打撃音でも、重たい鈍音でもない。
ただ、破裂するような感覚。
「くっ、ぅぁ……ま、まだ……!」
無理矢理ガードを上げた。距離を取ろうと下がった。
けど、次の瞬間。
「ふ、……ぅああああッ!」
また、ボディ。右から。左から。下から。
肋骨が折れるんじゃないかってくらい、容赦なく打ち込まれる。
なにこれ……なにこれ……
マジで、殺される。
「お兄ちゃんを……」
その声が、低く、淡々と響いた。
「……あんな目に遭わせてくれたあなたを」
拳が、真っ直ぐ飛んできた。
「私は、許さない」
もう一本。肝臓のあたり。そこに、ダメ押しの一撃。
「ぅ゛……げほッ……がはっ……!」
息が、できない。
いや、できてたまるか。内臓が逆流して、胃液の味が口の奥に広がった。
倒れたくても、膝が震えてるのに、足がその場から動けない。
降参したいのに——声が出ない。
(やめて……誰か、やめさせて……!)
そこで、気づいた。
あいつ、分かってる。
私が、もう戦う意思なんてこれっぽっちも残ってないってこと。
とっくに心が折れてるってこと。
なのに、あいつ、見て見ぬふりして、殴ってる。
「……っ、はぁっ……や、やめて……!」
喉から絞り出すように出た声も、彼女には届かない。
いや、届いてて、聞こえないフリをしてる。
そういう“目”だった。
冷たい。まっすぐ。何ひとつ、迷いがない。
私は——恐怖に、壊された。
「ごめっ……な、さいっ……ゆる、してぇっ……!」
泣いた。泣きながら、胃の中のものをすべて吐き出した。
リングに崩れ落ちて、汗と嘔吐と涙にまみれて、私は敗けた。
もう、誰にも、あんなふうに笑えない。




