風呂場の訪問者
私は仕事を終えて家に帰ると、お風呂場からシャワーの音が聞こえた。
誰もいないはずなのに――。怖くなって、いったんリビングで気持ちを落ち着けることにした。
少ししてから、おそるおそるお風呂場を覗いてみた。
すると、元カレが桶でタオルを洗っていた。
しかし、洗っているうちに、桶の中の水がだんだん赤く染まっていく。
よく見ると、それは「小豆」だった。
元カレの顔も、徐々におじいさんのように変わっていく。
「なんですか!?あなたは?」私は思わず声を上げた。
すると彼は、にやりと笑ってこう言った。
「そうです、私が小豆洗いです」
そう言うと、謎のダンスを踊り始めた。
私も面白くなって、一緒に踊り始めた。
久しぶりに、心がふわっと軽くなるような楽しい出来事だった。