―花華堕園―
花華堕園 ――Hanabana Rakuen――
いつもはざわめく街も
小雨の今日は人通りが少ない
雫が跳ねるコンクリートを
裸足で駆けてあの場所に向かうの
雨はボクを隠してくれる
雨は『秘密の楽園』を隠してくれる
早く早く
薄桃色の着物の君に逢いたいよ
いくつもの路地を曲がって
人の住むところから離れて
濡れた草原に足を踏み入れたとき……
現れるボクらだけの世界
大好きなボクの楽園――……
泣いている空の代わりに
桜が微笑う
咲き誇る
雨つぶの歌に合わせて
揺れ揺れる花びら
いつもはざわめく街も
夜の今は人通りが少ない
街灯や車のライトを避けながら
裸足で駆けてあそこへ向かうの
夜はボクを隠してくれる
夜は『秘密の楽園』を隠してくれる
早く早く
幻想的な顔を見せる君に逢いたいよ
いくつもの星達を頼って
暗い山道をそっと進んで
闇から光に足を踏み入れたとき……
現れるボクらだけの世界
大好きなボクの居場所――……
泣き出しそうな空の代わりに
桜が泣いた
散っていく
小さな光に照らされて
舞い踊る花びら
いつものざわめく街に
夜が明けていて
雨上がりの虹の中を
裸足で駆けてあの場所を見上げる
1人ボクだけが知っている
1人『秘密の堕園』を知っている
泣いたあとの空と一緒に
桜が染めた春風に
そよ風に身をまかせて
街に来た花びら…………
――……私ヲ見ツケテクレテ、アリガトウ……。
4月のお題は『花』でした。
絵馬も深桜様もお互い、
「先月も桜使ったよね~」
と。
まぁまぁまぁ。
是非みー様の方もご閲覧くださいっ。
でわ絵馬でした。