プロローグ
ゆうくんの事 作しゃ わたし 9さい
「今日から毎日、日記を書こうと思います!
とつぜんだけど今、「恋」に落ちています!ゆうくんに。
わたしがわがままを、言って親がふんぱつして買ってくれました!ゆうくんはすごく毛なみが良くて!かわいい目をしていて、いっつも、わたしに甘えてくるの!でも…犬だからわたしと、けっこんすることができないの…
なので!この気持ちをおさえるためにも日記を書いて行きます!」
絵には、元気なわたしとゆうくんが描かれていた。
日記を書き始めて3カ月目
「今日もゆうくんはかわいい!でもなぜだか日に日にやせて見えるだよね。毎日ちゃんと、ご飯を食べているのを見ているはずなんだけどなぁ。
だから親に聞いてみたのね。でも親は、毎日同じ量をあたえているんだって。不思議だよね。」
絵には、少し痩せたゆうくんをわたしが撫でているところが描かれていた。
日記を書き始めて半年
この日は、文章が記載されていなかった。
ゆうくんを何処かに連れて行こうとする変な人と、わたしが親に止められている絵だけ描かれていた。
「おい…起きろ。起きろ!」
「もう少し寝させてよ…」
変な夢を見たなぁ〜とボーっとしていると背後からグルシュが叫びたくなるほどのキックを私に向けてやってきた。
「つっっ〜〜!」
「早く行かねえと御主人さ·まに怒られるぞ。俺は先に行
くから早くお前も来いよ。来なかったら晩飯抜きな。」
「はいはい、忠告ありがとうございます。」
グリシュはきれいなエメラルド色の目をしていて顔が整っているいわゆるイケメンというやつだが、私より低いため残念なイケメンでもある。私は、もっと背が高かったらなぁ、と考えながらグリシュに追いつくために急いで歩いていった。
私達は主の所に歩き出した。
私、クリアナ·サーガルとグリシュはこの、「ビドゥバブ王国」の奴隷であり、主、ライガ様の奴隷でもある。