恐怖の狂想曲!!悪夢の予言!! (1)
読み苦しき点、多々あると存じます。
感想頂けると最高に幸せです(:D)| ̄|_
時は中世。天才占星術師ミシェル・ノストラダムスは悪夢を見た。
荒廃した大地が果てしなく広がり、至る所から猛々しく立ち上る炎はあたり一面を赤銅に染め上げる。
巻き上がる砂嵐は激しい熱気を伴い、衣服から露出したミシェルの肌に容赦なく襲いかかる。
巨大な建築物が轟音を立てて崩壊し、蹂躙される人々の絶望的な叫びが、ミシェルの耳に刺さる。
自分は世界の終末を覗いているのか。
ミシェルの精神は目の前に繰り広げられる光景に狼狽しつつも、彼の聡明な頭脳は状況を把握するために視線をあらゆる方向に走らせた。
すると、彼の視線はある異様な存在へと集約される。
悪魔だ。悪魔がいる。
ミシェルは一目でそう確信した。
それは翼もなく宙を自在に飛翔し、ネズミを狩る猛禽のように人々への襲撃繰り返す。
それが細くしなやかな肢体を標的に振り下ろせば、人間はおろか頑強なはずの建築物でさえ、脆弱な卵のように弾け飛んだ。
まるで万物の理を嘲笑うかのように力を振るう存在を目の当たりにし、彼の頭脳はそれが悪魔であると結論づけたのだ。
響き渡る阿鼻叫喚。
なおも猛々しく燃え盛る焔は、狂い咲きながらその煌めきを持ってこの死と混沌の舞台を照らしている。
「自分は地獄に落とされたのだ」
ミシェルはそう確信しながらも、
「これは単なる悪夢に過ぎない。どうか、どうか早く目覚めてくれ。」
彼は瞼を固く瞑り、両の掌を組み重ねると、それらが互いを軋ませる程に強く握り込んだ。
目を開けば温かな日差しに迎えられ、いつもと変わらぬ朝が訪れることを、彼は心の底から神に祈った。
だが、残酷にも夢は終わらない。
悪魔はなおも人々の命を自身の快楽の糧とするため、凄惨な殺戮劇を繰り広げる。
高級な陶器のように白い肌に返り血と獲物の臓物を浴びせながら、ミケランジェロでも再現できないと思わせる程に端正で麗しい貌を悍ましい程の狂悦に歪め、ゲラゲラと野卑な哄笑を轟かせる。
ミシェルは、あまりに現実と解離した凄惨な光景や鼻腔や肺を満たす血と臓物の異臭の不快さを拒絶するかのように、激しく嘔吐を繰り返した。
悪魔がミシェルに目を向けた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!!