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ユーディキウムサーガ 父親に捨てられた少年は好きになった少女のために最強の剣士を目指す  作者: ムラタカ


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15話   再戦

「はぁ〜っ……」

レイラの本心を改めて聞いたフィーファは心の底からの安堵からか、盛大なため息をついた、

彼女と過ごした2年間がなんの意味もない、仮初めの友情であったなどとても寂しいし、悲しい、レイラが自分のことを大事に思ってくれていた事がフィーファにとっては素直に嬉しかったのだ、


「なら改めて私を護って下さいね、レイラ」


「はい、フィーファ様」


こうして二人は再び硬い信頼と友情で結ばれメデタシメデタシとは第三者からすればいかないわけでラミュア等イノセント勢からすればこのやり取りは茶番というほか無いのが実際の所だった、


「笑わせるね、とんだ茶番だ、

君は今の茶番でソレがしてきた今までの事全てを水に流して、友達ごっこに興じるというのかな?」



「ごっこじゃないです、私はレイラを本心から友達だと思っています、」


「結構な事だがそれからどうする?マグラーナは?レスティーナは?イノセントは?」


「そっそんなの私には……」


「決められないかい?ソレを決断出来ないのなら君はいつまでたってもお飾りのお姫様のままだよ?」


「……私は、」


ラミュアはフィーファにとって触れられたくない部分を的確についてくる、何故赤の他人にここまで言われないといけないのかと憤りすらおぼえるが彼女の言う事は一々もっともだ、

現実から逃げても何も得られはしない、

レイラを護るなら逃げてはいけない、

逃げても変わらない、自分はいつまでたってもお飾りのお姫様のままだ、だったら、


「だったら…だったら、私が、私が終わらせます!」


「なにを?」


「そんなの決まってる!ゴタゴタしたこと、もやもやするモノ全部です!」


「擬音ばっかじゃん、」



「シェインはうるさいです!

とにかくもう、色々悩むのは嫌です

だから私はそれら全部を終わらせます!

具体的な案なんてない、行き当たりばったりでもいいです、ただ、皆で当たり前に当たり前な日常が送れるようにしたいだけなんです、」


「クククッ、馬鹿みたいだね、君、

無策で小娘一人で何が出きると?」


「なら力を貸してください、ラミュアさんもアルフィダさんもレイラもそれにシェインも、私に力を貸して下さい!無論タダでとは言いません、私はレスティーナの姫です、対価は出世払いでかならず支払います!」


「結局地位に縋るのか、レスティーナ姫」


「だから出世払いといいました、今の私はただの小娘です、、でもこの先もそのままでいるつもりはありません!マグラーナがなにか悪い事を考えてるなら私が直接止めてやろうってんです!だから皆は私に力を貸して下さい!!」




そういっきに捲し立て5人に対して頭を深々と勢いよく下げた、元来お姫様であるフィーファは誰かに頼み事したことも、ましてや頭を下げた事など生涯で一度だってなかった、

ラミュアの言い分は理解出きる、世間知らずの小娘に力を貸すお人好しなどいないだろうと、世界はギブアンドテイクでてきている、なんの対価も見返りもなく小娘に助力をするなどというのはご都合主義でしかない、

しかし



「俺はもともとフィーファの力になるために村を出てきた、帰れって言われたって着いてくつもりだったんだ、むしろ望むところだよ、」


「シェイン…、」


「私などがどう力になれるかはわかりません、ですがもう、迷いません、私は私が信じたモノを信じて進みます、だからフィーファ様、どうかお供させてください、」


「レイラ、はい!」


「俺も同行させてもらおう、面白そうだしな」


「アルフィダさん、よろしいのですか?」


「任務に合致してるし、退屈しなさそうだしな、」


「退屈しなさそうって、お前な…」


「退屈しないってのは大事な事だぞ?人生にはメリハリが必要だし、刺激がないとな、」


シェインの呆れたような視線も何のそのと言った感じで軽く流すアルフィダ、

思いがけずフィーファを中心としたパーティーが此処に結成されるもフィーファにとって今もっとも何色を示す相手は今だイエスともノーとも答えていない、

ラミュアへと視線を向けるフィーファは不安そうに胸元においた手を握る、


「出世払いと言ったね?」


「はい!」


「いいだろう、協力してあげるよ、出世払い、楽しみにしてるよ?」


「ラミュアさん!!ありがとうございます!」


「礼なんていいさ、結果を示してさえくれればそれでいいけどね」


「はい、必ず終わらせて見せます!」


「うん。期待してるよ?」



「でもどうするんだ、終わらせるって言っても具体的な案が何もないんじゃ動きようがないぞ?」


「そうですね…とりあえず」


「フィ!フィーファ様ー!

ようやく、ようやく見つけましたぞー、いったい何処にいからていたのですかー、探したのですぞー」


「ガッガノッサ!?」


と、そこにタイミングが良いのか悪いのか今までその存在をすっかり忘れ去られていたフィーファ専属の近衛騎士団長、ガノッサがやってきた



「ほんとに心配したのですぞ!気づけばお姿が見えず何物かに拉致されたの……きっ貴様らダークエルフ!?やはり今回の一件貴様らダークエルフが噛んでいるという噂は本当だったのか!おのれ!!」


抜剣し今にも襲いかかろうとしているガノッサにあわてて静止をかけるフィーファ、状況が掴めていないとはいえ彼の猪突猛進な性格が完全に裏目に出ていた。


口約束とはいえ五大国家の一つに数えられるイノセントの長の協力を貰えたばかりなのにガノッサの勘違いで白紙にもどされてはたまったものではない、


そらからフィーファは今まであった事をかいつまんでガノッサに説明した、


「成る程、そのようなことになっていたのですか、しかしよいのですか?この者、レイラは貴方をずっと騙し続けてきた裏切者だ、信用に値するとは思えませんな、」


「私は彼女を信用します、もしまた裏切られたなら私はその程度の人間だったと諦めます、」


「作用ですか、決心は固いようですね、貴方がそれでいいのなら私はもう何もいいますまい、」


「ありがとうございます、ガノッサ」


なら自分が彼女をこれまで以上に守ればそれでいいだけのことと割り切るガノッサ、

自分は騎士、近衛の騎士に過ぎないのだ、彼女の決断に意を唱えるなど烏滸がましいを越えて失礼極まりない話なのだから、


「それで貴様もこの旅に同行するつもりなのだな、少年?」


「いまさらなんだよ?止めても無駄だぜ?そのために村を出て来たんだ、覚悟もきまってる、決心も済んだ、そもそもここにたどり着いたのは俺が先だ、俺にだってフィーファを護れる、」



「たしかにな、私はこの一件においては無力も無力、無能もいいところだ、今の今までここにたどり着けず無意味な時間をついやした、」




「話が大幅に逸れたが結局お姫様はどうするつもりなんだ、」


ガノッサへの説明も一区切りつきアルフィダが改めて今後の指針をフィーファに確認する


「そうですね、レイラは私をマグラーナに連れて行こうとしていたんですよね?」


「え?あ、はい、そうですが今となってはあり得ない話ですね、敵に喉元を晒すような行為です、」


「いえ、行きましょう、マグラーナに、」



「「「!!?」」」




「なっ何をいってるんですか!?敵に喉元を晒す行為と今言ったばかりじゃないですか!?死にに行くようなモノです!」


「でもほおっておけばマグラーナは必ず何かを仕掛けて来ます、向こうは私の事を人畜無害な小鳥程度にしか思ってないはず、だからその小鳥が毒をもってるって思い知らせてやる必要があります、」



「ワシも反対ですな、今日までの事故、襲撃、そのすべてがマグラーナによる手引なら向こうは手段を選ばない、単身でマグラーナに向かうという事は生身でドラゴンのハラワタに飛び込むも同じ行為なのですぞ?」



「だからこそです、マグラーナはどうしても私を拉致したい、何も知らない人畜無害な私がレイラに騙され城の門をくぐれば向かうは愚かな小鳥が迷い込んだと思うはず、そこには必ず油断や隙が生まれます、そしてソレを生み出せるのは他でもない、私だけなんです!」


「御自分の身をもっと大切にしてくださいフィーファ様、貴方がそんな危険なマネをする必要はありません、貴方は若い、戦争のマネ事に関わるなど時期尚早もいいところです、そのようなことはこのガノッサなど兵に任せれば良いのです。」


「それは違いますよガノッサ、これは私にしか出来ない、私になら出来る事なんです、それに、

私は自分に何が出来るか、何処まで出来るか知りたいんです、だからお願いします、ガノッサ!

私を信じて下さい。」


「し、……しかし、…………」


「ガノッサ!」


フィーファの強い意志のこもった視線を真っ直ぐに向けられ彼女が生半可な気持ちで言っているわけではないとガノッサは理解している、しかしガノッサは彼女の近衛騎士、彼女を護る事こそが仕事であり、生き甲斐だ。


子の背をおしてやりたいという親心に似た感情が邪魔をするが今回の件は別だ、

生きて帰れる保証はない、そもそも生きていたとしても死んでいるのと変わらないハメに会う事も十分に考えられた、


近衛としてそんな事を看過出来るわかもなく彼が首を下げることは無かった。


「フィーファ様の成長を嬉しく思います、しかし私は貴方の近衛騎士、みすみす危険に晒す様なマネ、どうして見過ごせましょうか、」


「どうしても理解してくれないんですか、ガノッサ…」


「クドいですよ、フィーファ様。」


「そんな…」


目元に涙が溜まり始め、それを見られたくないからか、うつむき、ぎゅと拳を握るフィーファ、

マグラーナどうこう以前に身内一人説き伏せれない自分の不甲斐なさに対するものからか、彼女の心の中で悔しさや惨めさが渦を巻く。




「おい、ガノッサのおっさん」




そんなとき場違いにもシェインはガノッサに躍りかかる勢いで話しかけた。




「俺と戦え、リベンジだ。」


「……はぁ…、何を言い出すかと思えば、貴様との決着は既に付いているだろう、今は子供の遊びに付き合っている暇はないのだ」


「付き合えよ?そのくらい年長者の甲斐性だろ?なんなら賭けでもしょうぜ?」


 「賭け?」


「ああ、アンタが勝ったら俺は黙って帰るよ、アンタが勝ったら好きに命令すればいい、」


「くだらん、言ったはずだ、子供の遊びに付き合う気はないとな、」


「逃げるなよ?大人気無いぞ?

その子供の俺に負けたら面目立たないからってそれでも騎士様かよ?」


「調子に乗るなよ?小僧、

先程無様に敗北した事もはや忘れたわけではなかろう?」


「だから言ってるだろ?リベンジだって、

フィーファも俺に賭けてみろよ?フィーファは俺に何を賭ける?」


「シェイン貴方、まさか、」



シェインに強い意志のこもった視線を向けられたフィーファは彼がなんの為にこんな事をしているのか分からないない程鈍感ではない、


ならもうどうするのが一番か、そんなこと決まってる。




「シェインが勝ったら私はシェインを連れて皆でマグラーナに行きます。でももし彼が負けたらガノッサの指示に大人しく従います。ですからガノッサ!彼との勝負、受けて下さい。」



「わかりませんな、何故そこまでその少年を信じておられるのですか?フィーファ様、」


「何故ですか、そうですね、信じたいんですよ。彼を、そして私自身を、」


「……、わかりました、いいでしょう、この勝負、受けましょう。ただし約束は守っていただく、よろしいな?」


「誓いましょう、貴方が勝てば私は従います。」


「フム。では少年、剣を抜け、今度は加減せん、心してかかってこい。」


「あぁ、俺も本気で勝ちに行かせてもらう。」




互いに抜剣を済ませたシェインとガノッサの両者は睨み合う、そこにコレまで静観していたイノセントの女王であるラミュアが宣誓をかって出た。


「僕が僭越ながら宣誓のマネ事をさせてもらおうかな、ココに居合わせた縁もあるしね、では両者、良いかな?では、始め!」


ラミュアの号令とほぼ同時にシェインはガノッサ目掛けて突進していく、先制をとり有利に勝負を進めるのが狙いだ、

しかしガノッサは手にしたハルバードを頭上より高く掲げるとそれを勢いよく地面目掛けて叩きつけた


「ガノッサインパクト!!」


そんななんとも微妙な技名をもって斧を叩きつけ、地面

は粉砕され瓦礫は勢いよく周囲に散乱し紫煙と土煙で視界が塞がれる、


「目眩ましか!?」


土煙で視界を塞がれたシェインはガノッサを見失ってしまうがそれは一瞬だった。

気づけばガノッサはシェインの目の前に躍り出てきたのだ


「はぁああ!!」


ガノッサの多分に殺意を込めた一撃がシェインに襲いかかるがシェインはそれを冷静に見極め剣で受け、力を受け流す様にいなし、ガノッサの一撃を躱しざまにカウンターの斬り付けを食らわす、

ガノッサは咄嗟に左腕でコレを防御するも腕に装備した手甲は弾け飛び左腕から血が流れる、

咄嗟にシェインから距離を作るためバックステップをするもその隙を逃すまいとシェインはさらにガノッサとの距離をつめ斬りかかる。

剣とハルバードが交差し互いに火花を散らし合う。


交差した刃と刃で力比べする構図となり普段ならば体格差から子供のシェインが不利となるはずがガノッサの左腕の負傷が皮肉にも拮抗する状態を生み出していた。


「私の殺意に怯まなくなったか、この短時間で貴様に何があったか知らんが大した進歩だ。」


「別に大した……事は…ないさ!ただやりたい事がハッキリしただけだ!」


そういってシェインはガノッサの左腕側に重心をやり一気に押し返す、ガノッサの腕からは血が吹き出しその痛みに一瞬気をそらされたガノッサはそのまま体制を崩し尻餅を付いてしまう。しまったっと思った時には既に遅くガノッサの頭上にはシェインの剣が突きつけられていた。

尻餅を付き地面に手をついたガノッサとそのガノッサに剣を突き付け俯瞰から見下ろすシェイン、

互いの再戦は誰がみても明らかな結果として終を迎えた、


「この勝負、シェインの勝ちとする。」


そう宣言したのはこの勝負の審判役をかって出たラミュアによって判決された。


「……そうか、私は…負けたのか、」


「約束です、ガノッサ、私のマグラーナ行きを認めて下さい。」


「……本来なら護衛対象を危険に晒すなど近衛失格も良い所です、場合によっては王からそれなりの処罰も覚悟しなければならないでしょう、ですが約束は約束です、あえてこのガノッサ、無能の汚名を拝命しましょう」


「ガノッサ……申し訳ありません、それと、ありがとうございます。」


ガノッサに対して深々と頭を下げるフィーファにガノッサは手をかざして静止をかける。


「頭を上げられよ姫、貴方は勝負に挑みそして勝利したのです。自らのなしたい事のために胸をはり堂々としなされ。」


「はい。」


「それと少年、たしかシェインといったな、」


「なんだよ、」


「私は現在の状況を確認するため一度城に戻ろうと思っている。」


「え?いっしょには来てくれないのですか?」


「私がいればマグラーナの者達に警戒されましょう、フィーファさまの目的に支障を来す可能性すらある、私は今回邪魔だと愚考します。」


「そんな事は…」


「だからこそシェイン、君に頼みたいのだフィーファ様に信頼された君に」


「俺に……」


「聞かせてほしい、何故君がそこまでしてフィーファ様を護る事に拘るのか、フィーファ様の容姿に絆されたなどとそんな単純な理由ではないと願っているぞ?」


意地の悪い笑みを浮かべからかうようにそうシェインに尋ねるガノッサ、しかし彼の目は真剣でありシェインの真意をここでハッキリとさせておきたいという意思をシェインは強く感じていた。


「俺……、俺は幼い頃から父親の顔を知らない、そんな俺の父親の代わりをしてくれたのがグライン先生だった、グライン先生から教わった剣術が俺にとって先生との絆だった、先生がいなくなった後も俺はその絆に縋って剣を振り続けた、誰かを護るとか自衛のためとかそんな理屈なんてない、ただ剣を振ってればグライン先生との絆を感じていられたんだ」




シェインの独白をアルフィダは黙って聞いている、

アルフィダが逃げ出した後もシェインはずっと孤独に剣を振り続けた、

アルフィダは誰にも気づかれずただ拳を握りしめる。

アルフィダの視線にも気づかずシェインの独白は続いていく。



「人を護るためとか傷つけないためとかそんなのは詭弁だ、体のいい言い訳だ、剣は人を傷つける、人を殺す道具だ、コレを手にした段階で俺は誰かを殺す可能性があるってわかってたのに気づいてなかった、ただ、俺は先生の言った剣を振るなら誰かのためにって理由でありたいって思ったんだ、」


「その言い分では護るための剣が振れるなら護る対象は誰でも良かったと言っている様に聞こえるが?」


「だ、誰でも良かったわけじゃない、俺は……えぇ~と、あ、あぁもう、うだうだと面倒くせー、とにかく!俺はフィーファを護る!そう決めたんだ!理由なんかあるか!」


「つっ…、クククッ…あっははは!」




シェインの逆ギレとも言える発言に虚を疲れたガノッサは一瞬驚きつつも次の瞬間には大きな声で大笑いをしていた、

なんだよ、と言い募るシェインの頭を乱暴に撫で回しガノッサは言った、



「悩むがいいさ、悩むのは子供の特権だ、悩んで悩んで悩み抜いた末の決断がお前を立派な戦士に育て上げてくれる、その時は私自ら貴様を姫の近衛騎士団に推薦してやろう!」


「はぁ?ってか辞めろよ!いつまで人の頭撫で回してやがる!」


「ふん、これはすまなかったな、ではシェイン、姫を頼んだぞ」



貫禄を十分に含んだ大男の騎士はシェインにフィーファの護衛を改めて依頼する。


それはガノッサにとっての存在理由といって差し支えないもの、まして会って一日と立っていない子供に任さるにはあまりにも心許せなく不甲斐ない、検討の余地すらないはずのものだった。

だがガノッサにはかねてからの不安があった。

自分がこの先彼女の護衛をいつまで出来るのかという不安だ。


自分とフィーファには親と子程の年齢差がある、寿命もそうだが自分は騎士、戦士だ、彼女を守り死ぬのなら本望だが後に残された彼女はきっと悲しむし泣いてくれる事だろう。


だがその後はどうなる、一人となった彼女を誰が護る?行進の育成に手を抜いてはいないつもりだがガノッサはこの者にならという人物に今日まで出会えずにいる。


しかしこのシェインという少年はどうだろうか、

ガノッサにとってはこれは賭けに等しい、しかし賭けて見たくなったのだ、この少年に

自分の、フィーファ様の未来を。



「ガノッサのおっさん…、わかった、言われなくともフィーファは俺が護り抜いてやるよ!」


「フフ、良かったじゃないか、シェイン、愛しのお姫様の専属騎士だぞ?」


「なっ?アルフィダ!?だからそんなんじゃねーよ、おれはただ純粋にだな?!」


「照れるな照れるな、わかってるから」


「照れてねーよ!話聞けよ、もう!そりゃ始めて見たときキレーな子だなとは思ったけど、そんなんじゃなーしさ、」


「なんだ、やっぱり気になってんじゃねーか?」


「だからそんなんじゃ……」


「へぇ~っシェインてば、私の事、綺麗って思ってくれていたんですね?」


「なっ?フィーファ!?」


「フフフ」


赤面するシェインを意地悪く見つめるフィーファ、ソレをからかうアルフィダ、笑顔で見守るレイラ、

彼等はこらからマグラーナと言う一つの国を相手にしなければならない、力を持っていてもそれは小さな子供達にとっては途方もない話だろう、今先の事は隣に置いておき一時の団らんに心を和ませ盛り上がるのも悪くはないだろう、少年少女達の旅はここからはじまるのだから、


「良かったですね、ラミュア様、全てが貴方の思惑通りに進んでますよ、」


「うん、レスティーナのお姫様とも仲良くなれたしね、これでレスティーナとも太い絆を結ぶ糸口が出来た、後はマグラーナに退場願えればイノセントはもっと大きくなるよ、」


「しかし良かったんですか?あの娘が死ねばその太い絆も消えてしまう、レスティーナとのコネクション作りは振り出しですよ?」


「それならそれでしかたないよ、また振り出しから頑張るだけさ、まぁでもあの娘はきっと僕達の期待に答えてくれるよ、」


「ラミュア様にしては根拠のないあやふやな言葉ですね?」


「なに、期待してるのさ、それに…」


「それに?」


「それにようやくここまで来れた、長かったよ、本当に、後少し、あと少しで僕の目的が果たせる、僕から全てを奪ったアイツに“白光の聖女”に復讐出来るんだ。


何処にいても必ず見つけ出して私の手で絶対殺してやる」



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