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精霊楽士は笛の音と共に〜テルミナ大陸魔戦奇譚〜  作者: 鬼戸アキラ
第一章 力に目覚めし精霊の楽士
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救うべき人、倒すべき敵。

お読み頂きありがとう御座います!

アルメストさん達と話をしてから2週間が過ぎようとしていた。

アルメストさんから貰った腕輪の効果でレベルアップによる日常生活の影響は直ぐに無くなっていた。

しかし、私は思い悩んでいた…何故私なのか?こんな魔物を殺す笛を持たなければならないのかと。

そういう難しい事を考えていたせいなのか、ラスティアも流石に声が掛け辛かった様で、私とマトモに会話もしていなかった。彼女は流石に痺れを切らしたのか、シューゲル様と一緒に声を掛けてきた。


「フリューレ君、一体如何したんだ?ラスティア君も心配してるぞ」


「申し訳ありません…少し考え事をしていたので…」


「もし、我々が協力出来る事なら相談してくれ。君の力になると約束しよう」


「ボクも君の力になるよ。話してみてくれないか?」


二人の気持ちは嬉しかったのだが、事は魔物に関する話…残念ながら二人に相談出来る内容じゃ無い…。


「ありがとう御座います…でも…」


「フリューレ君!ちょっと良いかしら?」


アルト講師が声を掛けてきた。私は二人に「ごめんね」と声を掛けてアルト講師の元に行く。


「あれからフリューレ君、塞ぎ込んだままですね…ショックなのでしょうが一度アルメストに相談しに行くと良いと思うのだけど」


「…私は…あの笛を吹きたい訳じゃありません。魔物を退治がしたい訳でも有りません。私は楽士になる為にここに来たんです」


「そう…でも、一人では解決出来ないのではありませんか?ならば魔物の専門家である彼に相談するのが良いと思ったの。あの笛は貴方を選んで来たとアルメストは言ってたわね。だとすればそれには意味が有ると思うの。笛の天才である君にしか出来ない意味意味がね」


「私にしか出来ない意味…」


「フリューレ君はあの笛が嫌い?」


私は考えても居なかった言葉に何も答えられなかった。あの笛が嫌い?いや、あの笛の音色は私の心を揺り動かした。だが、魔物を殺す能力は如何しても好きになれない…。

私は何日か悩んだ末にある決意をしてアルメストさんの所に向かったのである。


私は破邪の雷の屋敷にやって来た。アルメストさんにある相談をする為である。


「やあ、遂にやって来たか。どうだい?覚悟は決まったかい?」


「…アルメストさん、この笛を封印出来ませんか?」


アルメストさんは厳しい目をして私の方を見る。私は決めたのだ…この笛をもう使わないと。


「君はこの笛が来た意味を考えてないのかな?」


「それは笛の事情ではありませんか?私の事情ではありません…」


「…なるほど、そう解釈したか。じゃあ答えよう…その答えは間違っている。恐らく必要となるのは君自身だ」


「何故違うと言い切れるのですか?」


「例えば…物語にある勇者や英雄が持っていた伝説級の武具は、彼らにとって必要だったから彼らの前に出現した。それは歴史で明らかなのだよ。つまり、その笛が現れたのは君がその笛の力を必要とする事になるから現れたのだと言わざる負えない」


「でも今の私は必要としていません!この笛が…邪魔なのです…」


その時、扉が開きハリスさんが飛んで来た!


「お頭!王都の東側でオークの群れが出やした!貴族の馬車が襲われてますぜ!」


「騎士団は如何したんだ?奴らにやらせれば良いだろう?」


「それが騎士団は西のゴブリンの巣を退治に行ってて居ないんでさ!」


「不味いな…良し出るぞ!ちなみに貴族はなんて奴だ?」


「斥候の話じゃ、デラクテス伯爵家とレイブンス子爵家の馬車だそうです」


「レ、レイブンス!!それは本当ですか?!」


私は声を上げていた…レイブンス子爵家だと?


「お、おう、間違いないぞ」


「来るかい?フリューレ君?いや…来るべきだ!」


「…行きます!」


私はアルメストさん達と急いて王都の東側に向かって行った。アルメストさん達は物凄い速さで私は置いて行かれる…でも、歯を食いしばって速く向かう…もっと速く…。

その時、突然笛が手の中に姿を現した。私に何かを訴えて来る…笛を吹けと…私は言われるがまま笛を吹いた。

すると身体が急に軽くなって走る速度が上がったのである。



◆◆◆◆◆◆



「何があっても伯爵様をお守りしろ!!」


馬車の護衛達に声を掛ける。

レイブンス家は今でこそ財務官ではあるが、男爵家の頃は軍閥であり剣の腕には覚えがある。しかも私には魔法の適性があり、土魔法が使えるのだ。


しかし、オークの軍勢はざっと50体は超えている。東側の財務管轄地に下調べを兼ねて密談をする予定だったのだ。その為に騎士団が西のゴブリン退治に向かうのに合わせたのも状況を更に悪くした。


「アストン様!これ以上は耐えられません!!伯爵様とお逃げ下さい!!」


「駄目だ!逃げても直ぐに追い付かれる!削れるだけ削る!時間を稼ぐのだ!」


状況は悪化の一途を辿っているが、応援が来る事を祈るしか無かった。

土魔法で防護壁を作り圧力に耐えながら護衛と共に守り続けていたが…魔力も尽きかけており長くは維持出来ない。


(これ以上は…最早これまでか…)


その様な事が脳裏に浮かんできたその時に、微かに笛の音が聞こえて来たので有る…。


(笛の音が…何故??)


するとオークからの圧力がどんどんと減って来た…オーク達は苦しそうにしている??


一体何が起こっているんだ??



◆◆◆◆◆◆



身体が軽くなった私は更に速度を上げて行くとアルメストさん達に追い付いた。


「アルメストさん!先に行きます!!」


「分かった!無理するな!!」


「はい!!」


私は更に速度を上げて行く。そして王都の外に出て更に走ると、笛がもう少し先だと教えてくれる。そして馬車が小さく見えた時、私は走りながら笛を吹き出した!笛の音よ!速く届け!するとオーク達は苦しそうに藻掻いているのが見えた。私はそのまま馬車の上に飛び乗って更に笛を吹く。


「フ、フリューレ!!如何して此処に??」


其処には驚いた表情のレイブンス子爵閣下がいらした。良かった…閣下はご無事だ…私は更に激しく笛の音をオークの軍勢にぶつける!!

するとオークの軍勢から次々と「パキッ」と音がし出すとどんどんとオークが倒れて行った。

どんどんとオークが倒れると、今度は私に激しい目眩と吐き気が襲う…クソっ、レベル酔いだ…だがまだ倒れる訳には行かない…まだ半数も残っているのだから…意識が朦朧とする中、アルメストさんの声が聞こえてきた。


私は安心した…と同時に意識を刈り取られたのである。



◆◆◆◆◆◆



私は全力で走って居ると、後ろから笛の音が、聞こえて来た。何で此処で笛を?と思っていると、置き去りにしたはずのフリューレ君が追い付いて来た。そうか!今のは身体強化のハブ効果が有るのか!

追い付いたフリューレ君は私に声を掛ける。


「アルメストさん!先に行きます!!」


「分かった!無理するな!!」


「はい!!」


するとフリューレ君は我々を抜かして更に先に行った。


「フ、フリューレのヤツ、凄えスピードだな!!」


「あの笛でハブを掛けたみたいだな…中々やるな!ハッハッハ!」


どうやら彼は思っていた以上に出来る男の様だ。ますますスカウトしなければ…。

すると前の方で笛の音が聞こえて来た。フリューレ君がオークに仕掛けているのだろう。早く合流しないと…数によってはまたレベル酔いを起こしちまう。

何とか到着してフリューレ君に声を掛けると笑ったような顔で馬車の上から倒れて落ちた…するとフリューレを”蜘蛛”が助けていた。ナイスフォローだぜ…そして私達はフリューレに半殺しの目に合わせられたオーク達をバンバン斬り裂いて行く。私は広域炎魔法を掛けた。

フリューレ君に動きを止められたオーク達を倒すのは容易い。あっという間に全滅させた。


「君達は一体??」


「レイブンス子爵様、お初にお目に掛かります。私は冒険者クラン『破邪の雷』のクラン長アルメストと申します」


「おお、では君が”猛炎のアルメスト”か。噂はかねてより聞いているよ。今回は助かった。ありがとう…しかし、何故フリューレ君が?しかもアレは一体…笛を吹く真似をしたと思ったら笛の音が聞こえて…」


「子爵様…アレは見えない笛を吹いていたのです。彼は伝説級の横笛を手に入れたのです」


レイブンス子爵は驚いた顔をしている。仕方無い…此処で決着を着けよう。彼はやはり”こちら側”に必要だ。


面白い、次も読みたいと思われましたら、ブクマや☆の方を入れて頂けると嬉しいです。


連載中の小説です。コチラもご覧頂ければ幸いです。

転生したら属性魔法を使えないので、金属使役魔法を極めて生き抜く予定です。

https://ncode.syosetu.com/n0176gh/


落ちこぼれテイマーの俺は、ユニークスキル魔獣武装ビーストアームスで無双する。

https://ncode.syosetu.com/n9186gs/


キラーマシンな俺は、いずれ赤い塗装を施して『機動力3倍』を目指す件【新作】

https://ncode.syosetu.com/n5197gt/


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