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第6話 初めてのコラボで妹が緊張するなんて珍しい!(前編)

今回の6話の前編から7話の中編・8話の後編は妹視点の配信回となっております。

 私は赤坂すみれ。個人勢のソロでVTuber活動をやっている高校2年生。数日前に友人である朱里が兄貴の部屋に突然来て、私がVTuberだとばれ、色々あってコラボをしないかと提案してきたの。


 相手は、今人気上昇中のVTuberである雷桜(らいおう)つばきちゃん。もちろん私が知らないわけがない。星野宮きらりより前にデビューしてから、登録者数12万もいる人気VTuberなのだから。


 私は雷桜つばきちゃんとコラボなんて話が何故出たのか疑問だったので、朱里に質問したがネットの友達なのと、お茶を濁されたっけ。まぁせっかくのコラボの話を蹴るなんて当然そんな事するわけがなく、私は二つ返事で了承したよ。


 そして今日。朱里から教えてもらい登録した、雷桜つばきちゃんのIDから初めて通話が来た。私は少し緊張しながら彼女との通話を開始する。


「どうも、初めまして。星野宮きらりです。友人からの紹介で、今日はありがとうございます」

「こちらこそ。コラボの件サンキューね」

「いえ、こちらこそありがたい話です。話を聞いて驚きましたが、つばきさんよろしくお願いします」


 私はマイク越しではあるが、ついかしこまってしまう。同じ活動をしているとはいえ、向こうの方が私より長くやっている以上は、先輩にあたるわけだしね。


「私コラボって初めてで、つばきさんに迷惑かけないかちょっと心配です」

「ねぇ、きらりちゃんって年齢はいくつ?」


 不意に年齢を聞かれ一瞬どう答えようと考えたが、そのまま実年齢の17歳を伝えることにした。別に誤魔化しったって仕方ないし、これからコラボしてお世話になる人なわけだしね。それにこれっきりのコラボとは限らない。こうやって定期的にお互いやっていけば、登録者数は伸びる可能性は、十分にあるわ。


「私は17歳です」

「実は――、私も同い年だよ。だからもっとフランクにいこうよ、すみ、げふんげふん。きらりちゃん。そう、きらりちゃんって呼ぶからね」


 変な咳払いをするつばきちゃんだったけど、同い年なら安心してやれそうだと思う。それにしても偶然にも同じ年齢だなんて珍しいけど。まぁいっか。


「えっ。そうなんだ。良かった。じゃあ私もつばきちゃんって呼ぶね」

「そうそう、コラボする相手に遠慮とか敬語とかで呼んでたら視聴者さんもつまんないよ」

「うん、そうだね。じゃあ色々コラボする内容を考えていこっか」

「了解~」


 今回は星野宮きらり側が先に配信することになり、別日に雷桜つばきちゃんの配信に出演する方向へと決め、それから数時間かけて配信日程や内容、時間や細かい事を少しずつ決めていく。そしえ無事に初めての打ち合わせを終わらせる事ができた。


 最初はどうなる事かと思ったけど、つばきちゃんとは初めて話す相手にしてはとても相性がよく、楽しく打ち合わせが出来て嬉しかった。これなら本番でも安心して一緒にコラボ出来そうだなって私は思う。


 そうして日程は土曜日の夜、内容はオンライン協力型のホラーゲームに決まり、後はいかに配信を私達が楽しく出来るか。これに限る。とにかく緊張しないで、楽しくやれるようにリラックスしてやろう。


(初めてのコラボ絶対に成功させるわよ!)

 

そう決意して私達の初めての打ち合わせは終わった。





 今日ついに、星野宮きらりの初コラボ配信をやる日がついにやってきた。私と雷桜つばきちゃんは配信する30分前からもろもろの調整を行っていた。


「きらりちゃん、そっちの最終チェック整った?」


 今日のコラボ相手のつばきちゃんが忙しそうに、マウスを操作する音がこちらにも聞こえてくる。


「もちろん。後は配信した時に微調整をするつもりだよ」


 私は初めて誰かとコラボするからなのか、いつもより緊張をしている。やばい。上手にやれるかな。でもつばきちゃんもコラボは緊張するのか、声音がいつもより硬い気がする。


 やっぱり初コラボをやるのは少し緊張するよね。そーだよね。


「そう言えばきらりちゃんってホラーって苦手だったよね?」

「うん、ホラーは苦手。あれ、でも私言ったかな」

「え、いやー、そっちの実況見て怖そうにしてるの見たから。あはは」


 私はパソコン画面を見つめる。今日の配信はSNSで事前に予告していたので、自分の配信予定画面には既に視聴者さんが待機しているのが分かる。何だか見慣れた画面のはずなのに、いつもと違って感じるのが不思議だわ。コラボをやるって気持ちだけで高揚感が湧いてくるし。


 楽しみにしている人たちのコメントで、次々に「わくわく、どきどき」と書かれて埋めていく。明らかにいつもより人数が多いのが私には分かり、気持ちがいっそうと高揚してくる。つばきちゃんのおかげだね。ありがとう、つばきちゃん。


「そろそろ開始時間だね。じゃあ予定通り最初はよろしくね、きらりちゃん」


 事前に最初の挨拶の段取りや、簡単な挨拶の流れは打ち合わせ通り簡単に決めてはいる。私は現在の時刻を確認して、そろそろ配信開始ボタンを押す準備をする。


 よし、今日の生配信頑張ろう!


「ではいきます!」

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