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反復
「辞めちまえ!」
この言葉が錆のように頭から離れない。
あの時は相手に悟られないよう仮面を被ったが、今は腹立たしく、情けなく感じる。
色んな場所で言われた。
学校、会社、夢の中。
「辞めちまえ!」
ああ、この言葉に惹かれてしまいそうだ。
何度も倒れた。
何度も傷ついた。
でも言うんだ『生きたい』と。
「辞めちまえ!」
どこで間違えた。
何が悪かった。
なんでこうなった。
「辞めちまえ!」
認めてほしかった。
場所がほしかった。
ただそれだけだった。
「辞めちまえ!」
隣の芝生は青く見えた。
私は何も持っていなかった。
だから動いた。
「辞めちまえ!」
ああ、辞めよう。
私はまだ生きている。
生きているんだ。