可愛い 宇海side
宇海は、集合時間の30分前に海辺に来てみんな(主にRINRIN)を待っていた。
(RINRINさん、まだかなぁ〜。)
一人でドキドキしながら待っていると、10分前になったとき、黒い大型車がやって来た。宇宙だ。今回はあれに乗って旅行先に行くらしい。
RINRINではなかったことに落胆と少しの安堵を覚えながら、止まった車に近づく。
「おはようございます、宇宙さん。」
「おはよう。おい、ついたぞRINRIN。」
「え、RINRINさんも一緒なんですか?」
「ああ、途中で拾ってきた。」
(一体どんな関係なんだよ!)
一人で突っ込んでいると、後ろのドアが開いて、女の子が降りてきた。
その子が顔を上げて目が合った瞬間、宇海は固まってしまった。
艶やかな黒髪が風にたなびいている。ハーフパンツからスラリと伸びた足は細くて白い。少しタレ目で愛嬌のある瞳が、こちらをジッと見つめている。その姿は、可愛らしく、また知的な雰囲気もあり、宇海は見惚れてしまった。
「初めまして、RINRINです。よろしくお願いします。」
鈴が鳴ったときの音色のような美しい声で、ハッとした宇海は、慌てて挨拶を返した。
「初めまして、宇海と言います。よろしくお願いします。」
(ヤバイ。可愛すぎる!)
「宇海、RINRINは今回のメンバーの中で最年少だから、何かと面倒を見てやってくれ。」
「も、もちろんです。」
「後、RINRINは落ち着いているように見えて結構感情が豊かだから気をつけろよ。」
「ちょ、ちょっと宇宙さん⁉︎なんでそんなこと言うんですか!」
タレ目をちょっと尖らせて怒るRINRINに見惚れながら、宇海は心の中で叫んだ。
(だから、どういう関係なんだよ!)