2 緊張とドキドキ
お待たせしました。
そして2日後。
深雪は空の車で待ち合わせ場所に向かっていた。
「あ、深雪。見えたぞ。あの海辺で始めの撮影をするらしい。俺が全員の紹介をするから、軽く挨拶してくれ。」
「…………。」
「あと、俺と深雪の関係は途中でバラそうと思うから、それまでは宇宙とRINRINとして他人のふりをしてくれ。」
「…………。」
「おい、聞いてるのか?」
「…………
………あ〜〜〜〜〜!どうしよう、そら兄!全然心の準備が出来てないよぉ〜。宇海さんと未宇さんに会ったら、気絶しちゃうかも!でもそんなことになったら嫌われるよね。気をつけないと!」
宇宙はバックミラー越しに、呆れ半分笑い半分の顔で深雪を見た。
「とりあえず、そら兄はやめろよ。
…………本当に似てるな。」
最後のつぶやきは、緊張している深雪には届いていなかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
車は、砂浜に止まる。
「おはようございます、宇宙さん。」
「おはよう。おい、ついたぞRINRIN。」
「え、RINRINさんも一緒なんですか?」
「ああ。途中で拾ってきた。」
運転席の窓越しに宇宙と話しているのは、普段深雪が歌で聞いている宇海の声だった。
深雪は、ぎこちなく足を踏み出した。
「初めまして。RINRINです。」