気が合う二人 宇海side
「えっ、あのRINRINさんが⁉︎」
深雪が旅行を了承した次の日、「KING」のメンバーである海(歌い手名は宇海)は、リーダーの空(歌い手名は宇宙)から、ゲストについて告げられ呆然としていた。
RINRINは深雪の歌い手名である。
「ああ。RINRINはちょっとした知り合いでな。快くOKしてくれたよ。あ、あとキュウポンもな。あいつは会ったことあるだろ。」
「じゃあ、5人ですね。了解です。」
宇海のとなりで話を聞いていた最後のメンバー、夏樹(歌い手名は未宇)はあっさりと返事をする。
「ちょ、ちょっと待って!本当にRINRINさんが明日来るの⁉︎」
「なんだ、苦手なのか?でも会ったことないだろう。」
「宇宙さん、こいつRINRINさんの大ファンなんですよ。新曲とか出したらすぐ連絡してきて。」
「ああ、そういうことか。じゃあ、仲良くなれるチャンスじゃないか。俺が上手く紹介してやるよ。」
宇海は顔を真っ赤にした。
「未宇!なんで言うんだよ。宇宙さんも笑わないでよ。ていうか俺、RINRINさんが近くでいたりしたら、何も喋れないか、変なことばっかいっちゃうよ。」
すると、宇宙が笑い出した。
「おまえ、意外とRINRINと気が合うかもしれないな。」
「な、なんで?」
「RINRINも、『KINGのメンバーに合うのには心の準備が必要』なんて言ってたぞ。」
「え〜〜〜‼︎絶対RINRINさんの方が人気あるじゃん。」
「RINRINは、自分の人気をあんまり知らないんだよ。ていうか、気にしてないんだ。というわけで、おまえも仲良くなれよ。あいつ、めっちゃ良いやつだから。」
「でも宇宙さん、さっきから宇海に対する当てつけのようにRINRINって呼び捨てにしてますよね。どういう関係なんですか。」
「そ、そうだよ!宇宙さん、どうなの?」
じっと見つめる二人に、宇宙は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「それは、明日の撮影中に言うつもりだから内緒。ま、楽しみにしててよ。」
いろいろなことが気になって、今日はとてもじゃないけど寝れないと思う宇海だった。