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Silent nights  作者: ころな
1/8

開幕

私プロット作れませんので加筆修正されて行きます

設定とか変わっちゃうかも

途中でえたるかも

完全に自己満足です。

お粗末ですがご覧ください。

 私は夢を見ていた。

 正確には、夢のように視界の覚束ない場所に存在して、それが疑う余地のない真実だと信じ込んでいた、のだが。

 ぼんやりとした視界には、意味のあるものなどないように思えた。

 あんまり見たくないような、赤黒くなった何かが足元らへんにあるようなないような。

 声がかけられて、意識が大分はっきりする。


「これまたひどい死に様」


 死に様。あ、そうか。死ねたんだ。

 死んだという事実を思い出した。辛うじてそれが自ら選んだ事だったことも。

 思い出して、赤黒いものを、視界に入れないよう努めた。

 私が思い出したことを悟ったように、声は続けた。


「何故、自ら?」


 感情の読み取り難い声だと思う。怒っているようでも、優しく問いかけているようでもある。穏やかなのか、激情が滲んでいるのか。よくわからない。

 ただ、問いかけている人物を、私は何の理由を持ってか、神様だと思っていた。


「……神様に質問があります」


「カミサマ、ほう。問うてみ」


「生きる意味を」


 神様は、息をついた。

 悩める息のようにも、呆れたため息のようにも、はたまたせせら笑いのようにも聞こえた。


「なるほどな、わかった。求めているものかは存ぜぬが、応えようとも。

 お前の生きた意味は無い。生きる意味も無い。まして、死んだところで、それに意味もなかろうが。全くもってな、価値のない」


 ちょっと衝撃的。受け入れ難いことだった。なんとなく考えてた。けれどそれを他人に言われると、現実味を帯びて、のしかかり、突き刺さる。ましてや、相手は神だった。


「お前、何を望んで死した?」


 私が望んだもの。

 別に神との問答ではない。聞きたいことなんて、自分に散々聞いた。答えは全部、わからなかった。ただ辛く苦しくって。

 それから逃げてしまいたかった。

 誰だったかな、忘れてしまったけど「なんのために生きているの?」「なんのために頑張っているの?」と冷ややかに否定をされて、それがもともとのきっかけのだったかもしれない。

 この選択に至った原因なんて、どこを取ってもあるような気がする。そうして、たどり着くのは生まれたことが失敗だったという、ただ一つの答え。

 そうだ、私が求めていたのは安寧。人間なんて早すぎた。せめて獣として、生きるために生きて行きたかった。人間は、それで生きることができないんだもの。


「ケモノになるのを望むか」


 それが理由と尋ねられれば、途端にわからなかった。はたして私は死にたかったのか。


 わからない。わからない。……わからない。


 それが理由だったな、わからないこと。

 知らない出来ないわからない。

 それに気づいても、どうすればいいかわからない。

 周りはできているのだろう思った。何か、わかる術が。

 そして思い返せば何もしてこなかったし、何も人に誇ることがなかった。わかっている気がしていて、なにかをしている気がしていて、何もしていなかったし、わからなかった。

 そうして無駄にした年月の長さに驚いた、17になりたての私。

 気づいたのが、遅すぎた。次の年の18は、区切りだった。大人への。アダルトなものだって胸を張って見れる、大人な区切りだ。一人前の意味を持っていたはずだ。そしてその通りに、自立が突きつけられる。

 自分に出来る気が微塵もしなかった。

 自分の無知無力に絶望したのだ。

 過去を悔やんでも遅かった。

 たった17なんて思うかもしれない。それで絶望かと。いじめられてたわけじゃないし。

 相談できる相手もいなかった。相談といっても、何を相談したらいいのかさえ、わからないほどに、無能だった。

 だから、だから。だから?

 そう、だった。

 この選択も無能ゆえの選択にすぎないのだろう。でも私にとって、それが最もすべきことだったからこうなっている。


「お前はわかった気になっているな」


「違います……!! だって本当にわからなかった」

 否定されて、思わず声を荒げる。


たがわない。お前は、わからないということをわかった気になっている」


 意味が、わからなかった。


「近頃、お前のような奴が多いな。与えたものをさも使ったかのように捨てる」


 多く話すようになった声は、相変わらず感情の色を見せない。


「しかし、取り分けお前は。……お前の生を認めるわけにはいかぬ。生を認めず死を認めることかなわぬ」


「……え?」


 よくわからなかった。


「お前のすべての問いに答える。ーー生きろ」


 意味を噛み砕く間も無く、意識は解けた。




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