罪状.3〈帰還者〉
血生ぐさい。
鉄の匂い。歩けば足元からグチャリグチャリと音が聞こえる。
最初は灰色だった壁も赤黒い壁になっている。
木材の床も脳みその一部が飛び散っている、赤黒かった俺の手駒も血を浴びて更に赤黒くなっている。
グロテスクな風景、俺が死ぬ直前まで追い詰めたモンスターは床に倒れ痙攣している。
[Lv:UP]
[Lv:UP]
[Lv:UP]
[Lv:UP]
レベルアップ通知が何回も出てくる。
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レベル: 36
次のレベルまでの経験値: 1000EXP
HP:1080/1080
体力: 130
筋力: 240
敏捷性: 800
知力: 10000
耐久力: 400
魅力: 500
[〈無慈悲なる者〉の効果でLv:UP補正がかかる]
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レベルが上がりまくっている大体10くらい上がっている。
[手駒収納]
手駒がまた液体のようなモノへなっていく。
出てきたところ、背中へどんどん収納されていく
なにかが体内へ満たされていく。
なんとも言えない感覚、シュルシュルとなにかが入っていく。
どんどんとむず痒くなっていく。痒さはどんどん変化していく。痒さは痛みへ変わっていく。
痛い。でも不思議とそこまで、思ったより痛くはならない。
苦痛はない。
ただただ、心が満たされる痛みだ。
「はぁ、落ち着く。」
ただただ落ち着く。なんでかはわからない。
ただ、放置する。そんなことは生還に必要はない。
気持ちを捨てる。
階段に差し掛かる
上へ、上へと登っていく。コツ、コツ、と足音が響く。
上から光が入ってくる。
眩しい、目が痛い、帰ってきた。
帰ってきた。帰ってきた。帰ってきた。
家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家家
帰らないと帰らないと帰らないと帰らないと帰らないと帰らないと
「探索お疲れ様でした」
ダンジョンから出れた。受付の人が笑顔で迎えてくれる。
「あれ?他の人は、確か一緒に入ったはずでは?」
あぁ、あの人たちのことか、
「は、ははっ、、、」
乾いた笑みがこぼれる。
「あの人達は死にましたよ。」
「はい?」
「油断したから、しょうがないですよ。」
「は、はぁ」
「俺は注意したのに、彼奴等は、何も聞かずに突っ込んでいった。」
「え?どういうことですか?」
「彼奴等の自業自得だ。」
「あの人達は死んだのですか?どうして?なんで貴方だけ、」
「そんなことは良いんです。帰らせてください。」
「一応聞くんですけど貴方は、殺してないんですよね?」
「はい。」
「じゃあ、大丈夫です。また、後日事情聴取をするので、では、お疲れ様でした。」
帰ってきた。
死なないですんだ。
俺は生きている。
生きているんだ。




