3話
ファンタジー系創作3話!
想像があれこれ浮かんで文字にするのがとても楽しいですが、膨らみすぎてまとめるのが大変な迎日です。
今回も、温かい目で見てくれたらと思いますm(_ _)m
一匹のトラが〝黒い森〟の中で、血を流しながらヨロヨロと歩いていた。彼はとあるサーカスにて使役されていた獣だったが、調教という名の繰り返される暴力に耐えかねて、脱走してきたのだった。負った傷は、逃げる際に受けたものだった。
あてもなく走り続け、もはや痛みもわからなくなっていた。己はここで死ぬのだろうと、草花の上でバタリと倒れた。
体が居心地の良さを感じていた。一定の感覚で撫でられる背中が気持ち良かった。
そこで、急速に意識がはっきりしだし、例のトラはパチッと目を覚ました。
「わあ! 起きたよお嬢様!」
「テール、静かに。目の前に怪我人がいるのよ」
トラは慌ただしく辺りを見渡す。彼は建物の中にいるようだった。
「おはよう。目が覚めてよかった」
微笑む少女は美しく、天使のような輝きを放っていた。
「……俺は、死んだのか?」
匂いは人間のものだというのに、そう呟いてしまうくらいには、綺麗な人間だった。
「落ち着いて。あなたはまだ生きている。ここはわたしたちが住んでいる洋館で、怪我を負ったあなたをここへ連れてきたの。まだ痛みはある?」
「た、多少はあるが、楽になった」
「リリーお嬢様の治癒魔法はすごいんだよ! どんな傷もあっという間に治っちゃうんだ!」
「テール、誤解を与えるようなこと言わないで。わたしだけで治せたわけじゃないのよ」
「くぅ〜ん」
「魔法を扱えて、こうして我々と話せているということは……君は、魔女なのか?」
「そう。孤児だったわたしを、母である魔女様が育ててくれた。だからこうして動物の言語が理解出来るの」
「……助けていただき、感謝する」
深々と頭を下げると、優しく顔を持たれる。
「わたしはリリー。あなたの名前は?」
「……俺には、名前などないんだ」
そう呟くと、またもやぶんぶんと尻尾を振りながら、テールは元気に言った。
「なら、お嬢様に名前をつけてもらいなよ! ボクもテールっていう名前はお嬢様からもらったんだ! ほら、あそこにいる二人もだよ!」
そう言ってテールは部屋の扉を前足で指した。そこには扉から覗き込んでいた茶色い毛色のうさぎと、黒のメインクーンがいた。
ビクッと肩をあげて驚く二匹は、一瞬顔を隠したものの、ゆっくりと部屋の中へ入ってきた。
「ニーナ! イース! 早くおいでよ!」
「おいテール、騒ぐなって言われただろ!」
「どっちもうるさいよぉ。静かにしてっ」
三匹の様子に、騒がしい子たちだなと思っていると、リリーはごめんねと一言謝った。
「お友だちが増えると喜んでいるんだろうと思うわ。良い子たちだから、どうか大目に見てあげて」
「は、はぁ……」
「怪我が治るまでここにいていいと、母から許しをもらってる。その後はあなたの好きなようにしてもいいと。ここに住むも去るも自由よ」
そう言われて、彼は己が手に入れた自由を考えた。
正直行くあてもないし、なんだかこの場所も気に入ってきたように思える。
「……もし、皆様が許してくださるなら……」
こうして、トラである彼は〝ロイ〟という名前をもらい、恩人であるリリーと洋館の主、イザベルに忠誠を誓った。
そして、彼はテールたちと同じように、洋館の使用人として働くこととなったのだった。
───────To be continued.
異世界ファンタジーって、夢がどんどん広がりますね。




