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Episode-3


キーンコーンカーンコーンと鳴った、ある日のお昼休み。


「穂川さーん!」


「?」


「一緒にお昼食べない??」


樋野さんと花沢さんがお昼ご飯を持って、私の机に来た。


「私と?」


「うん!もっと穂川さんのこと知りたいからさ!」


「私もー、昨日話が出来て楽しかったからさ!


あ、私のこと、花沢さんじゃなくて美紅(みく)って呼んでよ!煌夏ちゃんって、呼ぶからさ!」


「え、ずるい美紅!私は芽衣(めい)ね!


せっかくだから友達になろうよ!?」


まさか入学してから過ぎたけど、友達ができるなんて思わなかった。


友達できた記念に、机に並べてある

お弁当たちを、スマホの写真アルバムに収められた。


「わかった。美紅、芽衣よろしく。」


「よろしくー!」


「私と芽衣の名前覚えててくれて、嬉しかったんだ!」


「うんうん!昨日のあの言葉を言い切っちゃう、煌夏ちゃんがかっこよくてさ〜!」


「あれは惚れちゃうよね、ね!美紅!」


「ね〜!」


2人息ぴったりだなと思ったら、美紅と芽衣は中学生からの友達らしい。なるほど、それでか。


「煌夏のお弁当の卵焼き美味しそう!」


「ほんとだ、きれいに焼けてる!」


「お弁当の卵焼きだけは、私が焼いている。」


両親は塩派だけど、私は少し出汁が効いた甘めの卵焼きが好きで、自分で焼いている。


「こだわりがあるんだね。あ、なら私の唐揚げと交換しようよ!」


「芽衣、その卵焼き半分こ!」


「分かってるよ〜」


私は卵焼きをあげて、美紅からは唐揚げを貰った。こんなに賑やかなお昼ご飯はいつぶりだろうか。




お昼を食べ終えると美紅はテニス部に入部しているらしくテニス部のミーティング、芽衣は本を返しに図書室に行くらしく、私はギターを持って屋上に来た。


「んふふ、きぃちゃん!屋上じゃなくて部室でやればいいのに〜」


緩い口調で、私のことをちゃん付けで呼ぶのは


「優。私は屋上で弾くのが好きなのよ。」


「屋上に行くのが見ちゃっから、来ちゃった〜」


「奏響と慧は一緒じゃないんだ。」


いつも3人は一緒にいるイメージ、教室でもそうだし。


「そーくんは先生に呼ばれて、けーくんはわかんないな。けーくん自由人だからさ!」


「ふーん?」


軽くチューニングして、弦を鳴らす。


「いいギターの音だね、僕だけきぃちゃんのソロギター聴けなかったから聞いてみたかったんだよね。」


「ふーん。」


今考えている曲のフレーズを弾く。


「今のいいね!」とか、「わぉ、そのフレーズいいじゃん!」とか、一部始終、日差しのような明るい人だった。


「この楽譜、きぃちゃんが書いてるの?」


「そうだよ。」


「ねぇ、きぃちゃんって、このバンド弾いてみたの動画、コウはきぃちゃんだよね!?」


「うん、そうだよ。」


バレてもバレなくても、どっちでもいいし


「やっぱり!曲調がなんか似てるというか、まんまだしね!」


「私が弾いているからね。」


青空の下で、ひたすら私はギターを弾いて、飽きもしないで優はずっと楽しそうに聞いていた。




そして、放課後の部室。


「穂川さん、何そのファイル?」


ついに、このファイルをお披露目する!


「このバンド"BlueStaR LineЯ"の初のオリジナル曲に相応しい曲を選んでもらうのよ、あなた達にね。この中から選んでもいいし、新たに作るのもよし!」


「気合い入ってるねー、きぃちゃん!」


「……やり過ぎかしら?」


「いや、いいんじゃねーか。今まで俺らカバーばっかりだったしな。」


「オリジナル曲、せっかくバンドになったんだから。やりたいよ、俺も。」


良かった、私の音楽の向き合い、3人は共感してくれるみたいで。


「それじゃ、とりあえず見てみるか!」


「このファイルにあるの、もしかして全部かよ!?」


「おー!凄いね〜!なんか、宝物見つけるみたいでわくわくしちゃうね、そーくん、けーくん?」


「まぁな」


「うん!凄いよ、穂川さん!」


ちょんちょんと肩をつつかれて、優が居て


「けーくん、あんな涼しい顔してるけど、本当は楽しみだと思うよ。ほら、目が輝いてる。けーくんも意外とバンド馬鹿なんだよ?」


へぇ、いいね!バンド馬鹿、上等!!


私の作った曲に、こんな反応してくれるなんて素直に嬉しい。


「ね、きぃちゃん?どれか配信で披露した曲あるの?」


「この中にはない。配信で使ったのは全部カバーだよ。」


「配信?」


「なんのことだ、井間」


優は気付いてたけど、慧と奏響は気付いてなかったのか。


「えぇ、2人とも気づいてないの!?てっきり気付いてると思ったのに。」


優が、2人に爆弾を落としたかのようだった。


「はぁ!?マジか!」


「なるほど、それじゃ穂川さん上手いわけだ。」


雑談も混じえつつ、私のファイルから5つ曲が決まった。


この曲がこの4人で楽器が着いたら、どんな音色になるのか、楽しみでならなかった!




なんかいいよね〜!


好きなことしてる人ってそーくんも、きぃちゃんもいい顔している。


きぃちゃんのギター屋上で聞いたし、部室でセッションした時もなんか絵になる感じで。彼女の努力が垣間見える、このファイルに全部きぃちゃんが作った曲たちが詰まっているなんて。


「すごいな。」


本当に凄いと思う。無機質な物なのに輝いて見えるのは彼女を今まで見て感じてのものなのかな?よくわからないけど。


あのギターの実力は相当努力しただろうし、しかもどの楽譜、曲をどれ見ても良すぎて、驚いたし、どれにするか悩んじゃった。


きぃちゃんが今日バイトだってことで、部室にはそーくんとけーくんだけだ。


「よし、こんなもんだろう。」


「だな。」


「おつかれ〜」


きぃちゃんが作った曲"ShinE(シャイン) Light(ライト)"を練習したんだけど、ドラム叩いててテンション上がって、少し走ってしまった。


「この曲楽しくていいな。」


「そうだな、慧のキーボードが映えるな。」


眩しい太陽が、背中を押してくれるような曲。他の2曲の、"RING SuNRaN(リング サンラン)"と"TR!BE L!NK DR!VE(トライブ リンク どらいぶ)"もアップテンポな曲が特徴で楽しいよ!


「ライブでやったら、盛り上がりそうだよね〜」


そんな話をしていると、ティロリン〜♪と3人のスマホが鳴った。スマホ見るとグループメッセージを開いた。


「は?」


「わお!」


「いいな、テンション上がるな。」



『2週間後、ライブハウス1枠空いてるんだけど、そこでライブやらない?』



何やら、楽しいメッセージのようだ。



ライブハウスでライブかぁ、楽しみだなぁ〜♪


……To be continued

Episode‐3を読んで頂き、誠に有難うございます。


曲も練習し始めた、BlueStaR L!neЯが本格的に始動しました。4人の初のライブは、なんとライブハウスだ!


どんなライブを輝かせるのか?


それでは、次回もお楽しみに頂けるよう

尽力して行きますので、もし良かったら

評価とブックマークをよろしくお願い致します。


次回の投稿日は、8月20日の夕方17時に更新です!


作者・ユメウラ

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