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Episode-21~チョコの砂時計~


今日は土曜日で、練習はない。だから、青い海と遠い空を見に来た。


昨日は珍しく楽器弾くことより、話し合いの方が多かったかも。でも皆のおかげでWinter Sky Lim!tはいい感じになった。


どんな感じかは、クリスマスワンマンまでの内緒。White Some Star'Liru。の方はもう少し私が考えたくて言わなかった。


優はなんか気に入らなそうな顔してたけど、私にも意地があるんだよ。書いてるからには、私が何を伝えたいんだろうとか、何を言ってあげられるんだろうとか。


まぁ、ほんの些細な事かもしれないけどね。


私も音楽に勇気を貰い、励まされて、背中を押されて。仲間ができて、友達ができて。


音楽って、すごい好きだけど。たまに怖くもなる。なんでか、分からないけど。


見た目は甘そうなのに、中身はほろ苦い。とか入れてみようかな……うーん。


アコギのストラップを肩にかけて、弦を1本ずつ指で弾いていく。


「寂しい空気を進むと、なにもなくて。


一人で見ていた空から雲がちぎれて

ふわりふわりと白が舞い落ちる。


その中で手を広げて、あまりの冷たさに

きっと止まってしまった。


ふと…振り返れば街を灯りが

僕の心は彩るのに、そんな温もりが

今は、どうしてか切ない気持ちなんだ。

無数の星が輝いて見えるのかもしれない。


降り積もる白は、甘いと思ったら

苦い味だった。でも深く心に染みた


あのいくつかの星の中から

ずっと、何かを、探しているのかもしれない

Star'Liru…Ra〜。」


ーーーティロリン〜♪


BlueStaR L!neЯのグループメッセージの通知音。


スマホを見ると優だった、優は今日

ファミレスでバイトって言ってたかな。


ミニチョコパフェの写真が送られてきた。

優らしい感じが伝わる。もしかして優が盛り付け考えたのかな、マシュマロが美味しそうだな。


慧は、双子の妹たちと動物園行くとか言ってたな。うさぎやきつねが可愛い。


奏響は、部活の助っ人とか言ってたな。バスケかサッカー?だったかな。運動神経いいよね、たまに体育一緒になることあるけど、いつも点いっぱい採っている。


「あぁ、振り返ればその答えはそこにあった。

キミたちが持っていた。


今、流れた落ちた星が

この雪の結晶ように、そっとあったんだ。」


良いかも……


アコースティックギターと冬の空と海の写真。

歌詞と曲デモをメッセージに送った。


「パフェ、食べに行っちゃおうかな。」


そう思って立った時、電話の着信音が鳴った


「もしもし、優?」


「おめでとう、出来たんだね曲。

聞いたよ!すっごい良かった!


温かくてなんか泣けちゃうような

ふふ、やっぱり凄いね!


早くこの曲に音色(いろ)を付けたくなっちゃうな〜」


優、バイト中なのに態々かけてくれたのかな。


「パフェ、食べに行く。」


「ふふ、わかった。待ってるね!」


足取りは軽く、電車に揺られて

私はファミレスに向かったら


「よっ!」


「おす。」


何故か、奏響と慧もいた。


「いらっしゃいませ!どうぞこちらの席へ!」


「ありがとう。」


もう本当、君たちには敵わないなぁ。



また私だけしかいない、誰もいない部室。


Parfait and Chocolate。


とろける甘さの中に

パリパリとコーティングされたチョコ

甘さと苦味が、口の中をわくわくさせる

さらにスプーンが行くと、サクサクとした

アーモンドとチョコムースが

私の悩みまで溶けてしまうー


「なんて。」


「ふふ、ミニチョコパフェ気に入ったんだね」


「聞かれてしまった。」


「聞いちゃった!


でも、そういうのもいいね!楽しい!」


「帰り、食べて帰ろうかな」


「あはは、いいね〜それ!」


屋上で弾く時も、部室で弾く時も

優は楽しそうだ。


「私のギター聞いてて楽しい?」


「うん、わくわくする!何かが起こりそうな音がするから!」


そんな話していると、奏響と慧が来た。


練習のあと、ミニチョコパフェを食べて帰って

SiNSilentの2週間連続2日ライブも盛り上げで終わり。


12/24が来た、通しをして今日は終わり。


「奏響、慧、優にこれあげる。」


赤と青、赤と緑、赤と黄色の3つの小袋。


「わ!クリスマスプレゼント?ありがとう〜」


「サンキュ!」


「ありがとう。」


楽器ケースを持って、学校を出る。

曇り空で今にも降り出しそうだ。


「きぃちゃん!」


「?」


「これ、あげる!!」


優から渡されたのは、ピンクと赤の小さな箱。


「ありがとう。」


「うん、じゃまた!ライブハウスで!」


私と優は別れて、家に帰った。


中にはリップクリームとハンドクリームだった。優らしいな。



昨日ファミレスに行く前に紅茶屋さんに寄ってパック入りの茶葉を買ったんだ。3つの茶葉を見たら、奏響、慧、優の顔が不思議と湧いたんだ。小さい詩を綴ったメッセージと一緒に。


奏響へ、ジンジャーティー。

『少し刺激のある毎日に、温かなひと時があるとベースが生まれるかもしれない。』


慧には、レモンティー。

『緩やかな香りの中、酸味的なちょっと悪戯はいつものお返し。でも感謝もしてる。』


優のは、はちみつティーをプレゼントした。

『甘味と華やかな時間とゆとりの空間が、少しリズミカルな日にしてくれるかもしれない。』


アールグレイを飲んで、ほっと力が抜けた時

シャンシャンと明日は成功する、そんな鈴の音が聞こえた気がした。


……To be continued

エピソード21を読んでいただき

誠にありがとうございます。


冬の海と空の下、穂川の心は新曲「White Some Star’Liru」と仲間との温かな時間で満たされる。優の明るさ、奏響の頼もしさ、慧の静かな支えが、BlueStaR L!neЯの絆をさらに強くする。クリスマスワンマンライブ前夜、ミニチョコパフェやプレゼント交換の小さな幸せが、彼らの音楽に新たな輝きを添える。明日の「STAR IN SNOW STATION」は、青い星の熱狂が雪のように舞う最高の舞台になるだろう!


次回の投稿は、9月9日火曜日の夕方17時です。

よろしくお願いします!

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