Episode-15 ~夢追いの仮面舞踏会~
そしてSiNSilentのDawn of EmoT!onaL ライブから2週間が経った。まだライブの熱が費やす前にまだまだ燃やしたいとBlueStaR L!neЯは奮闘した。
はじめは1つのCDにまとめようとしたんだけど。
「うーん。」
私は悩んでいた。
「何を唸ってんだ、穂川。」
「いやね、CD制作の資金が溜まったんだけど」
「お!マジか!?」
「そーくん、けーくん!やったね!!」
作れるようになったのは嬉しい。でも思ったより動画とグッズの売上が良いし、Shady ShiC、TRAIN MOON'sやShinE L!ghtなど既存曲も大分ある。
優が黄色い練習楽譜ファイルをペラペラ捲る。
「ね!こんなにあるのに1つじゃもったいないからさ!2つのコンセプトにしてミニアルバムにしない?」
「2つのコンセプトのミニアルバム…それだ!」
「!?」
「穂川さんが大きな声出すなんて珍しいな!」
う、つい。
「ふふ、それだけ真剣に考えてたんだよね!」
優にフォローされて、彼の案を採用した結果。編集をして、ついに!!
「"MOONLITE"と"SUNLITE"の2タイトルミニアルバムが完成しました。」
MOONLITEには、Shady ShiC、TRAIN MOON's、Moonl!t JeweL、BLACK off WHITE、Ride or Die'S 、FIRE-FLOWER!!!!。
SUNLINEには、ShinE L!ght、RiNG SuNRaN、TR!BE L!NK DR!VE、SunSet Glow Way、BeyonD the BluE、WateR ArM BANGが挿入されている。SNSにも、動画でも告知をした。
「これまでの曲も多いし、1つにまとめるのはもったいないよね〜ってことで2つ作っちゃった!」
「2つ作れることになったのも、応援してくれているファンのお陰だ。」
「「「「本当にありがとうございます。。」」」」
ただいま、BlueStaR L!neЯの動画配信中。
「そして!なんと!!写真を撮るのが趣味であるきぃちゃんが集めてきた写真をポストカードにして、CD特典にしました〜!」
「…絶対にいらないと思う。」
「え、そう??僕は欲しいけどな!この夕焼けの写真とか月の写真とても綺麗に撮れてるじゃん!!」
それはテスト明けに行った合宿の時の写真。
「確かに、この小鳥とか向日葵の写真も綺麗に撮れている。」
「お、この花火とかもめっちゃいい!!」
「そんなことない。」
「そんなことあるよ!この写真たちを世に出さないなんてもったいなすぎる!みんなもそう思うよね?」
優、押しの勢いが凄いな。
@StarLinerFan: «めちゃくちゃ素敵な写真!ポストカードほしい!»
「ほら、コメントにもあるよ!どのポストカードが当たるかはお楽しみに!」
「はは!これからもBlueStaR L!neЯは走り続け、MARIN RUNLYの対バンに向けます!」
「そしてなんと!!ババン!新曲2曲を含めた11月15日土曜日にライブ配信をしまーす!」
盛り上げ役は、奏響と優にお任せ。
「11/25のライブタイトルは星光祭だ。」
「対バンの1週間前だね!」
「その日が皆のセットリスト投票日の締切だ。沢山の投票待ってる。」
「対バンのライブ当日には新グッズも登場するから、チェックしてみて。」
@StarLinerFan: «新Tシャツとタオル、めっちゃカッコいい!きいなのポストカードも欲しい!対バン行く!»
@SummerVibes2025: «BlueStaR LineЯのグッズ、闘志感じる!11月15日の星光祭ライブ配信&対バンでタオル回す!»
ーーーババンと!ドラムとベースのBGMが配信視聴者に待ったをかける。
「これで告知は終わりじゃない。」
ギターとキーボードのBGMが託しあげる
「そして、更にお知らせです!SiNSilentの秦オーナーからの提案で12月25日、クリスマスBlueStaR L!neЯのワンマンライブが決定!!」
「配信もあるから、慌てないで!みんなが参加出来る楽しいクリスマスライブにしよう!」
「ワンマンライブのタイトルはもう決まっているんたよな。」
「うん、STAR IN SNOW STATIONです。」
「ぜひ、両方合わせてお楽しみに!」
「「「「それでは、BlueStaR L!neЯでした!」」」」
対バン前のライブ配信告知、当日のグッズ話や12月25日クリスマスワンマンライブの告知も終わった。あとは対バンに向けて練習するだけ。ついに3週間前にテレビ通話会議をした時にMARIN RUNLYの提案でお互いの名刺曲である、"DolphiN PooL"をBlueStaR L!neЯが演奏を、MARIN RUNLYが"ShinE L!ght"を演奏することになった。
MARIN RUNLYがどんなアレンジのShinE L!ghtが聞けるか楽しみでたまらない。私たちと違う曲調に少し苦戦しながらもDolphiN PooLをひたすらに練習した。
エフェクターや電子を何個か組み立てて、やらないといけなそうで大変だ。SLYiLLに行っていくつかのエフェクターやペダルの試し弾きもしたりした。この曲を踏まえて、投票曲をセットリストへ落とす。
私たちは学業をやりながら、バイト、練習の日々、時には美紅と芽衣と楽しく遊びながら、対バンに向けた試作を打ち続けた。
ある日の土曜日に忙しくて行けてなかった美容院に行くことにした。練習は午後からだし、なにより伸びてきた前髪が鬱陶しい。
うちの高校は、公立だから校則はあまりないから、前髪にメッシュでも入れようかなと思い少しお小遣いを奮発した。長かった髪もバッサリにして、ショートウルフにしてみた。黒に赤のメッシュを入れたら、もともとしていたピアスが目立つ。
@KI!NA_BlueStaR L!neЯ「髪切りに行ってきた。新しい私とこれからもBlueStaR L!neЯをよろしく。」
美容院が思ったより時間がかかったから、楽器を一緒に持ってきてよかったと思いながら、そのまま部室へ向かった。
「あ、おはよう!穂川さん!」
「本当に短くなってるな。髪。」
「長いのも似合ってたけど、ショートも似合うね!およ?ピアスしてたんだ、きぃちゃん!」
「うん。まーね。髪長いと目立たないからね。」
「僕もきぃちゃんに習って髪を切りに行こうかな〜」
「優は金髪も似合うけど、ホワイトブロンド似合いそう。」
「え!本当?ホワイトブロンドかぁ、じゃあやってみちゃおうかな!」
慧はベージュかな。奏響は青好きだからブルーブラックとかかな?奏響はなんでも似合いそう。次の日には、私の影響かみんな髪型が変わっていた。誰かが髪切ったりすると自分も気になったりするのは、わかる。
「優、本当にホワイトプロンドにしたんだ!」
「うん!ちょうど茶色、飽きてたしね〜」
慧は明るめのベージュ、奏響はブルーブラックだった。記念てことで、全員で記念写真をSNSに投稿した。
@KI!NA_BlueStaR L!neЯ「私に影響されたほか、全員髪型チェンジした。明後日の2曲新曲ライブ配信、よろしく。」
@SoRa_BlueStaR L!neЯ「ぜひ、遊びに来てくれよな!」
@KeY-board_BlueStaR L!neЯ「楽しみにしててくれ。投票も忘れないようにな。」
@DRUM-YU_BlueStaR L!neЯ「新曲2つともタイトルも未発表だからね、お楽しみに〜!」
練習を終えて、、商店街を通っていた帰り道。
「あの、BlueStaR L!neЯの穂川さんですよね?」
もみじやコスモスの写真を撮っていたら、ある男性が声を掛けてきたのは
「あ。自治体の河本さん。こんばんは。」
「これはご丁寧に、こんばんは。実は穂川さんに相談があるんだ!」
「なんでしょう?」
駅前のフリーステージの申請の時にお世話になった人だ。
「毎年この商店街でハロウィンにちなんだお祭りをやるんだが、ぜひこのお祭りの盛り上げに、ぜひBlueStaR L!neЯにライブして欲しいんだ。」
「もちろんです。そのお誘いぜひやらせて下さい。」
日にちは10月31日。何も予定ブッキングしてなかったし。配信も許可を得たし、河本さんと話を進めた。
「と、いうことになりました。」
「事後報告されても、なんだがな。」
「ま、フリーステージライブも楽しいから良くね?ライブは何回やっても楽しいし!!」
「自治体の人には助けて貰ってるし、これくらいはやらないとね〜」
私たちはショッピングモールに来た。当日、仮装をする為だ。
@KI!NA_BlueStaR L!neЯ「BlueStaR L!neЯから緊急告知。10月31日ハロウィン、フリーライブが決定。新曲のサプライズもあるかも。」
SNSに告知完了し、10月31日当日。私たちは今、美紅と芽衣にも手伝ってもらって仮装衣装やメイクを終えたところ。
「わー!煌夏の狼めっちゃ似合うー!」
「春田くんはヴァンパイア、井間くんはキョンシーで、柳くんは魔女なんだねー!かっこいいねー!」
美紅と芽衣は写真撮り放題をして、私たちは出番が始まるまで商店街を回った。木にはジャック・オウ・ランタンのランプや星の飾り、小さいぬいぐるみが飾られている。
出店が出ていて、かぼちゃのソフトクリームや栗のおこわ焼きおにぎりとかめちゃ美味しかった。と写真付きでSNSに投稿して、私たちの出番が回ってきたので準備をして、いよいよ本番だ。互いの手を重ねあった。
「1発目のライブで対バンへ繋げよう!青い星が流れる熱狂を!」
「「「「BlueStaR L!neЯ!!」」」」
少し薄暗くなるとジャック・オウ・ランタンのライトが照らされるステージ。
「こんばんは、BlueStaR L!neЯです。」
河本さんがカメラを回してくれている。
「配信のみんなもこんばんわー!」
「今宵もBlueStaR L!neЯの"ORANGE PIERROT"の音楽ショーをお楽しみください。」
私は観客に深くお辞儀すると、慧のキーボードがアコーディオンの哀愁と電子音の怪しげな響きを紡ぎ、私のアコギが不思議な旋律で絡み合う。
「いつもと違う景色に、僕らは目覚めた。
輝かしい魔の月によって、招待された。」
私は冒頭をカッティングと弦を弾きながら歌う。
「オオカミ闇を引っ掻き」
スライド・グリッサンドで歌と奏でる。
「キョンシーが楽しく踊ってー!」
優がシンバルを鳴らし、スティックを回しなが楽しげに歌う。ORANGE PIERROTに優、奏響、慧のそれぞれに歌パートをつけた初の試みだ。
「ヴァンパイアは可憐に花びらを咲かせている」
奏響の少し長めの歌詞とベースの闇を沈ませるような重低音が心を弾ませる。やっぱ歌が上達しててちょっと感動している私がいる。
「魔女が夜の魔法をかけて。」
慧がアコーディオンからピアノ音に切り替えてグリッサンドを魔法をかけるような音だと聞こえるからわかったけど、何故か観客が驚いている。歌っているから後ろが見えないんだよね、気になるから後で美紅にお願いしている録画見せてもらおう。
『君たちの悲しみを食べてしまおう。』
「もう怖くない。」と私が最後の歌詞を歌い終わると、優のドラムが暴れ打ち、ギター、ベース、キーボードもドラムに合わせて暴れる。
「最後の曲、FIRE-FLOWER!!!!」
「配信の人たちも盛り上がっているか!」
「今日は2曲しかないから、全力で来い!」
「また、11/15の星光祭で会おう。」
「夕焼けから夜空へと
表情を変えて 提灯と出店に
明るい道に 心を弾ませながら
僕は慣れない下駄で 足速に歩く。
香ばしい煙や冷たい水面に浮く
風船や金魚 それから氷菓子が
暑い時間を忘れさせて
赤、黄、青が笛を鳴らし上げて
爆裂に響く音が、上を向いて、
心の輝きをキミたちの心にも灯す。
さぁ、その中の火を轟かせろ。」
「空に響いた音 パッと咲く花弁が」と歌うのと同時に夜空のてっぺんには、オレンジや黄色、赤の花火が打ち上がる。
そして、ハロウィンフリーライブと商店街のお祭りは静かに終えた。急遽ではあったけど、ハロウィンフリーライブの視聴者数5万人。私たちは着々と次のステージへと登っていた。
ちなみに美紅に録画を見せて貰ったらその場でターンした姿だった。慧がそんなことするとは予想外で驚いた。ライブでテンション上がっているな。後ろから優が慧に茶化している声が聞こえた。
……To be continued
エピソード15を読んでいただき
誠にありがとうございます。
BlueStaR L!neЯの情熱は新機材と共にさらに加速! 新曲「Colors LuckDaY」と「FLASH BreaKeЯ」を携えたミニライブは、視聴者を熱狂の渦に巻き込み、進化を続ける彼らの音が心を掴んだ。MARIN RUNLYとの対バン、そしてクリスマスのワンマンライブへ向けて、BlueStaR L!neЯの青い星はまだまだ輝き続ける!
次回の投稿は、9月2日火曜日の夕方17時です。
よろしくお願いします。