第一章:ダンジョン初挑戦
第一章:ダンジョン初挑戦
【ダンジョンエントランス】
ダンジョンの入り口をくぐると、空気が一変した。
目の前に広がるのは、崩れかけた古代の遺跡のような空間。
石造りのアーチ状の天井はひび割れ、ところどころ崩落している。
壁には古代文字のような刻印が彫られ、うっすらと青白い光を放っていた。
足元の床は黒いレンガで敷き詰められ、所々に草が生えている。
まるで、何千年も前に滅びた都市の中を歩いているようだった。
「……へぇ、思ってたより壮大だな。」
俺は周囲を見渡しながら、ゆっくりと進む。
ダンジョンの内部は不思議な構造をしていた。
天井があるのに、空のような光がぼんやりと差し込んでいる。
しかし、その光の正体は不明。
天井には太陽も月も見えず、ただ青白い光が広がっているだけだった。
(まるで、異世界に迷い込んだみたいだな……)
このダンジョンは「新人探索者用」らしいが、その神秘的な雰囲気はまるで神話の遺跡のようだった。
そして、さらに奥へと進むと、壁の一部に奇妙な彫刻を見つけた。
「……なんだ、これ?」
壁には、巨大な扉と、その扉を開けようとする人間の姿が彫られていた。
しかし、その先は見えない。
まるで「この先に進むな」と警告しているかのようだった。
「この遺跡には、何か秘密があるのか……?」
考えても仕方がない。
今はダンジョンの仕組みを理解しながら、戦い方を学ぶことが最優先だ。
俺はゆっくりと深呼吸し、再び前に進んだ。
【探索:ダンジョンの環境】
ダンジョンは直線的な通路と、広い部屋が交互に続く構造をしていた。
途中、俺はダンジョンの環境についていくつかの法則を見つけた。
✅ ダンジョンの壁には「刻印」が彫られているが、触るとわずかに暖かい。
✅ ダンジョン内には「空気の流れ」があるため、閉鎖空間ではない。
✅ 時折、天井から「光る粒子」が降り注ぐ。これは魔力の一種か?
「……もしかすると、このダンジョンは“生きている”のかもしれないな。」
ただの洞窟や遺跡ではなく、何らかの法則で形を維持し、自己修復している可能性がある。
この異質な空間に足を踏み入れたことで、俺は改めて「異世界融合」という現象を実感した。
【モンスターとの遭遇】
「……っ!」
その時、影が動いた。
足音を殺しながら、壁際から緑色の肌をした小型のモンスターが現れる。
──ゴブリンだ。
こいつはダンジョン初心者向けの敵。
武器はボロボロの短剣で、動きも鈍い。
だが、油断は禁物だ。
「……ちょうどいい、こいつで試してみるか。」
俺はスキルガチャで得た「召喚契約(R)」を発動した。
魔法陣が光り、目の前に青いスライムが出現する。
【召喚獣:スライム(N)】
「……やっぱり、見た目は弱そうだな。」
だが、ここからが俺の職業の本領発揮だ。
「錬金精製──発動!」
俺は地面に転がっていた**「低級魔石」と「スライムの核」**を組み合わせ、進化触媒を作成した。
スライムの体が淡く輝き──
【スライムが進化しました!】
【召喚獣:スライムソルジャー(R)】
槍を構えたスライムが、ゴブリンの前に立ちはだかる。
「行け、スライムソルジャー!」
俺の命令と同時に、スライムソルジャーが突進した。
槍が閃き、ゴブリンの胸を貫く。
鋭い突きが直撃し、ゴブリンは呻き声をあげて倒れた。
「……っ、やるじゃねぇか。」
俺は召喚獣の可能性を確信した。
召喚×錬金を組み合わせることで、どんなモンスターでも進化させ、強くできる。
つまり、俺がガチャで引いた召喚獣も、「進化」と「合成」を繰り返せば、最強の存在になり得る。
「この職業、マジでヤバいかもしれないな……」
俺は笑みを浮かべ、ダンジョンの奥へと歩みを進めた。