プロローグ:異世界融合の始まり
プロローグ:異世界融合の始まり
──世界が変わったのは、たった一夜のことだった。
地球の空に、巨大な裂け目が生じた。
異世界との境界が崩れ、「ダンジョン」と呼ばれる未知の空間が各地に現れたのだ。
それだけではない。
人類は“ステータス”という概念を持つようになり、スキルやレベル、クラスというゲームのような能力が目に見える形で付与された。
ある者は剣を手にし、またある者は魔法を操るようになった。
そして、人類に新たな試練が与えられた。
──ダンジョンに挑み、成長しなければ生き残れない世界へと変貌したのだ。
第一章:無名の錬金召喚師
**神崎 迅**は、エクスプローラー適性試験の日を迎えていた。
この試験は、適性がある者に“クラス”が付与されるものだ。
戦士、魔法使い、アーチャーなど、戦闘向きの職業を手に入れれば、それだけ生存確率が上がる。
「……頼む、まともなクラスを……!」
祈るように試験を受けた結果、迅が得たのは──
「錬金召喚師」
「……は?」
周囲がざわめく。
戦士や魔法使いと比べて、聞いたこともない職業だった。
「召喚師……ってことは、使い魔とか召喚できるのか?」
「いや、錬金術と組み合わさってるってことは、戦闘職じゃなくて補助職だろ」
「うわぁ、ハズレ職じゃね?」
そんな囁きが耳に入る。
迅の顔が引きつる。
──クラスが決まると、もう変更はできない。
つまり、一度ハズレ職を引いてしまったら、戦士や魔法使いのように戦うことは不可能なのだ。
「──だが、そんな常識をひっくり返してやるよ」
迅はすぐに理解した。
「ガチャ」
──この世界には、「ガチャ」というシステムが存在する。
ダンジョンで手に入る「ガチャポイント」を消費すれば、スキルやアイテムを入手できるのだ。
錬金召喚師は、ガチャで引いたものを合成し、最強のスキルや召喚獣を作り出せる──その可能性に気づいた。
普通ならスキルや装備をガチャで得るだけのシステムだが、迅は「錬金」でそれらを自由に組み合わせ、変化させることができる。
これは、他のクラスには絶対にできないことだった。
──**「なら、ガチャと錬金を極めて、このクラスで最強になってやる!」**
こうして、迅の成り上がりが始まる。