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ゴブリンじゃないのかよ!

視界の上下に黄色のCAUSIONの文字。

頭の中で鳴り響く警告音。

変身解除10秒前だ。

目の前には転移魔法陣。

手に入れた魔石は、インプの魔石が3個。ウインドウルフの魔石が6個。

そしてポケットには、ハニーアントの魔石が1個。


「ピンチ……なのか?どうする?」


俺は今、慎重になっている。何故かって?時間が無いから巻きで説明しよう!


あれから再びダンジョンへと潜った。

ルートは決まっている。転移魔法陣があった行き止まりまで猛ダッシュ。直ぐにエンカウントしたハニーアントを倒し、魔石を手に入れ転移魔法陣を起動した。ボス部屋に転移後インプを秒殺。魔石を手に入れダンジョンクリア。なんと残り時間は6分もある。もう一回行けるんじゃね?迷わなかった。今しかないと思った。思った直後、ダンジョンに突入していた。三度目も同じコース。インプを瞬殺。そして今に至る。


説明をしている間に変身が解除された。それは問題ない。インプとウインドウルフ達は絶命している。ボス部屋には俺しかいない。鉄格子が上がり、転移魔法陣が出現した。あれに乗れば脱出できる。ここまで全く同じだ。何の問題もない。


ただ、トラウマがある。ダンジョンの外に転移するのは問題ないが、万が一、転移先にモンスターがいたら?クールタイムの5分間を耐え切れるのか?

そう考えると、この場に留まった方が得策ではないか?

しかし5分も経たないうちに転移魔法陣が消えて、インプとウインドウルフ達がリポップしたら?クールタイムの5分間を耐え切れるのか?

決してビビってはいない。慎重になっているだけだ。


転移魔法陣の目の前まで移動した。振り返りボス部屋を確認する。インプはまだリポップしていない。転移魔法陣も消える気配はない。


「ナレーション!クールタイムの残り時間は?」


『説明しよう!4分22秒である』


「まだそんなにあるのかよ!」


どうする?ダンジョンから脱出するべきか?外に出ても、きっと現れるのはゴブリンだろう。やつはどこにでも現れる。今までも出会う頻度が高かった。インプとゴブリンではゴブリンを選択するべきだ。スピードスターで逃げれば問題無い。


「これも使えるかもしれない」


インプが持っていた蔦の鞭を拾っている。しかし何が起こるか分からない。クールタイム中は、なるべく敵がいないこのエリアにいたい。


「まだ大丈夫!」


インプが出現するであろう場所と、転移魔法陣が直線上に見える位置に移動した。この位置からインプ出現と転移魔法陣消滅を警戒しつつ注意深く見ているしかない。どちらかに動きがあれば即座に転移魔法陣に飛び乗る。


「それにしても、何もしない5分がこんなに長いとは……。時間が止まっているようだ。ナレーション!クールタイムの残り時間は?」


『説明しよう!2分49秒である』


もう少しだ。冷や汗が止まらない。


「頼む!どちらも、もう少し待ってくれ!」


焦燥感を紛らわすため、しゃがんだり立ち上がったり、腕を組み、足先をトントンと動かしたり、それでも全く落ち着かない。自ずと口数が多くなる。


「俺がここにいればインプはリポップしないかもしれない。転移魔法陣も消えないかもしれない。逆に外に出てもモンスターはいないかもしれない」


そう願いたい。


「慎重に見極めて、この場でクールタイムを凌げればベストだ。落ち着けよ俺。大丈夫。何も起こらない!それにしても、やっぱクールタイムが一番のネックだ。今後の事も……」


『カツン!』


音がした。


「ぎゃ〜〜〜〜!!」


転移魔法陣に飛び乗った。音が鳴った方を見ると、俺の足に当たった石が転がっただけだった。ビビってしまった!

俺はピンクの光に包まれた。


「し……」


そして、一瞬でダンジョンの入り口へと視界が切り替わった。


「……まった!!」


『説明しよう!待つのである』


「もうそれは良いよ!しまったって言ったの!毎回毎回俺の失敗を……げっ!」


ウインドウルフだ!


『グルルル』


『ワオォォォォン!』


「ゴブリンじゃないのかよ!」


ウインドウルフが9匹現れた。

クールタイムはまだ残ってる。しかし逃げられない。狭いダンジョンに逃げ込むよりも、ここで戦った方が生き残れる確率は高い。覚悟を決めろ。

顔が勝手に笑顔になった。


「先手必勝!チャームフォグ!」


1匹の頭を桃色の靄が包む。それが鼻の中に入った。


「吸い込んだ!次だ!チャームフォグ!」


『ワオォン!』


「避けられた!」


9匹全てが俺を見ている。完全に見つかった。9匹同時に相手をするのは流石に無理だ。しかしその内の1匹はチャームフォグで魅了したはずだ。頼む!俺の指示に従ってくれ。


『グルルル』


「なっ!何だ!」


魅了したはずの奴が、涎を撒き散らしながら俺に向かって来る。チャームフォグは効いてないのか?


「うおっ!」


『ワォン!!』


飛びかかって来た。こうなったらカウンターだ。


「パニックスマッシュ!」


『ガウ!』


くそっ!あっさり避けられた。そのまま体当たりを受けて後ろに倒れる。蔦の鞭を落としてしまった。マズい!押さえつけられて身動きが取れない!


「くっ!」


『ガウガウ!』


顔面に衝撃が走る。


「うわぁぁぁ!やめろ!」


ウインドウルフがベロベロと俺の顔を舐めやがった!……ん?舐める?

顔中、舐められている……。


「もしかして、魅了してるのか?」


『ワフッ!』


どうやら成功していたようだ。


「ちょ!うははっ!くすぐったい!やめ……はっ!来たぞ!」


2匹がこちらに向かって来る。戯れてる場合じゃなかった。


「動けない!そこをどいてくうえっぷ!」


ダメだ!舐めるのをやめてくれない。


『ワオォォォォン!』


殺られる!


『ワォン!!』


突如、魅了したウインドウルフが、舐めるのをやめて俺を守るかのように戦い始めた。助かった!このチャンスを逃すものか!


「チャームフォグ!」


2匹目も吸い込んだ。行けるぞ!


「ナレーション!クールタイムの残りは!?」


『説明しよう!残り11秒である』


「耐えた!11秒なら何とかなる!!そこは任せた!」


魅了2匹対ノーマル1匹。良いぞ!押してる!

ここは魅了ウインドウルフに任せて、残りの6匹の元へ向かう。


『グルルルルル』


6匹ウインドウルフが戦闘態勢に入った。


『『『ワオォォォォン!!』』』


吠えるのと同時に体の周囲に風が巻き起こる。


「魔法!?させるか!チャームフォグ!」


捉えた。

しかしチャームフォグが霧散した。


「何っ!?」


ウインドウルフ達の体を覆う風の膜がチャームフォグを無効化しているようだ。


『ワオォォン!!』


ウインドウルフが駆け出したのと同時に胸に魔石を添えた。


「3、2、1、ヴァイラス!」


魔石が取り込まれた。


『説明しよう!ハニーアントの魔石に秘められたスキル、【防御力+2】を取得可能である』


「防御力プラス2」


3回使ったハニーアントの魔石は今後使えない。


『説明しよう!防御力+2を取得した』


ピンク色の帯に包まれ、ヴァイラスピンクに変身した。


「I’m ready!」


危なかった。それでも変身すればこっちのもんだ。間に合った。


「行くぜ!スピードスター!」


俺だけが、まるで早送りでもしているかのように素早く動き、瞬く間にウインドウルフとの距離を詰めた。


「喰らえ!パニックスマッシュ!」


拳がウインドウルフの顎を捉えた。『ぱふ』という可愛らしい音が鳴ったかと思うと、大きく開けていた口が激しく閉まり、牙と血を撒き散らしながら空の彼方へ消えて行った。効果音とエフェクトが全く噛み合っていない。


「結果オーライ!次っ!」


『グルルル!』


『ワォン!!』


最初に俺を襲った3匹のウインドウルフも合流した。魅了は解けたみたいだ。8匹全てが俺に威嚇している。


『グルルル』


「どんどん行くぜっ!」


風を纏い飛び掛かってくるウインドウルフ。俺は素早く足元の石を拾った。ここからは投石で倒す。魔石を手に入れたいからな。


「投石!」


『キャイン!』


命中!ウインドウルフはその場に倒れた。


その後は俺の独壇場。

飛び掛かるウインドウルフに投石のカウンター。

ジリジリと、にじり寄るウインドウルフへ投石。

遂には、後退り逃げ出し始めたが、それも投石で仕留める。

魔石を金に代えさせていただきたます!

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