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Gランク?

「はい。これが冒険者の認識票(ライセンス)よ」


首から下げるドックタグに似た、鉄製のプレートを受け取った。


「登録料は千ギャリーよ。無くさないようにしてね。再発行には1万ギャリー必要だから気を付けるのよ」


ロンベルト皇太子から受け取った布袋には、金の硬貨が5枚入っていた。確か金貨は1枚1万ギャリーだったな。

キャッシュに金貨1枚を渡すと銀貨が9枚返ってきた。そして認識票を受け取り首に掛けた。これで俺も冒険者の仲間入りだ。何か文字のような物が掘られているが読めない。やはり字を読むにもスキルが必要なのか?


「何て書いてあるんですか?」


「読めないのね。駆け出しの冒険者には珍しい事じゃないわ」


駆け出しで間違いないが、この世界の字は初めて見るんだ。はぁ……字も読めないとは……実年齢35歳の俺としては今日一番のダメージを受けた。残りのHPは1かもしれない。


「名前アスカ。職業テイマー。Gランクと書かれているわ」


「Gランク?」


トリックラットと同じだ。

キャッシュがカウンターから冊子を出した。


「これは初心者向けの冒険者ガイドよ。簡単な地図と周辺で採れる薬草類。あと低ランクのモンスターが載ってるわ」


「ありがとう」


「おい!もう良いだろ!」


順番待ちの冒険者から急かされた。


「ごめんね。悪いけど冒険者についての説明はアーヴァイン達に聞いてくれる?」


「了解です。どうもありがとうございました」


頭を下げるとキャッシュはウィンクをしてヒラヒラと手を動かした。セクシーだ。


「あそこで何か飲みながら説明しよう」


ジャックバッシュにそう言われ、食堂スペースに移動した。ウェイトレスに4人分の飲み物を注文して一息付くと、冒険者についての講義が始まった。


「まずはおめでとう。アスカも冒険者の仲間入りだね」


アーヴァインの勇者スマイルだ。


「ありがとうございます」


「その敬語は止めるんだ。冒険者は舐められたら終わりだからな」


ジャックバッシュは目を閉じたまま腕組みをしている。


「分かりました!……あっ!分かった……でもやっぱり急には無理なんで少しずつ慣らしていきます……慣らしていく」


「それで良い。さて、冒険者についてだが、冒険者とは簡単に言うと賞金稼ぎだ」


ジャックバッシュが腕組みをしたまま手だけ動かし、人差し指と親指を付けて丸を作った。お金のサインだ。


「えっ!そうなんですか?」


賞金稼ぎとは響きが悪いな。シャロンを見ると、静かに頷き説明を足してくれた。


「ザックリ言えばそうです。手頃なモンスターを倒し報酬を得る者もいれば、富や名声のために命を賭して辺境の地を探索したり、凶悪なモンスターに挑んだりする者もいます」


「賞金稼ぎか……盗賊みたいだな」


「そんな事ありません。これら全ては助けを求める『声』が起点となっています。故に結果的には人助けにも繋がります」


シャロンがそう言うならそうなんだろうけど、ジャックバッシュも頷いてるし。でも、賞金稼ぎにはなりたくないな。我らがヒーローヴァイラス的には人助けがしたいし。


「人助けができるんですか?」


「そうです。冒険者の仕事は他にも、採取や駆除、捜索や護衛等、直接人のためのクエストもあります」


「クエスト?」


「あそこに貼ってあるクエストをこなすのが主な仕事です。つまり依頼ですね」


シャロンが示したのは、先ほど確認した壁一面に羊皮紙が貼り付けてあるクエストボードだ。


「その内容は様々で、それぞれその難易度によってランクが決められています。一番上がS、その下がA、そして一番下がGランクです。上に行くほど危険度が増し難しくなります。それに併せて報酬も良くなるんです。そうそう、冒険者ランクも、初めて登録するとGランクからのスタートですが、クエストをこなす内に上がって行きます」


俺のランクはGランクと言っていたな。


「ただし、冒険者ランクと同じランクのクエストしか受注できないんだよ。文字が読めない場合は受付で直接聞くしかないけどね」


アーヴァインが受付のキャッシュを見つつ気まずそうに言った。


「でだ、これから俺達は別々に行動して、各々旅の準備をする。夕方またギルドに集合する予定だ。アスカはどうする?」


俺は、何よりもこの目立つスーツを変えたい。


「服を買います。それから少し街を見た後、クエストに出てみようかと思っています」


魔石が売っていないかも確認したい。


「それなら知り合いの店があるよ。僕の名前を出せば安くしてくれるはずだよ。店主はちょっとクセがあるけど、商品は文句なし。紹介しようか?」


「是非教えてください」


「うん。良いよ。それなら、このパンを店主に渡すと良いよ」


腰に付けているポーチのような小さな袋から肉と野菜を挟んだパンを取り出した。明らかにパンが入る大きさじゃない。


「え?どこから出したんですか?」


「これはマジックバッグと言って、見た目よりも沢山入るマジックアイテムさ。はい。これが彼女の好物だよ」


アーヴァインからパンを受け取った。


「ありがとうございます」


マジックバッグか。是非欲しい!

アーヴァインが言うには、防具屋は門に向かって歩いて行くと左に見えて来るそうだ。マジックバッグもあると良いな。


「それと、クエストが近場であっても、水と食料は必ず持って行くんだよ。何が起こるか分からないからね」


「なるほど」


「危険のないクエストを私が選びましょう」


「良かった!お願いします」


字が読めない俺にはありがたい。

注文していたドリンクが来た。ミルクみたいだ。ネットリとしている。チーズになりかけてるのか?腹を壊さないか心配だ。


「これを飲んだらクエストを受注してみましょう」

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