表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/110

そんな〜

鑑定水晶に触れてしまった。


「きゃっ!」


割れた……キャッシュが悲鳴を上げたがそれも納得だ。割れたと言うよりも粉々に砕け散ってしまった。

しかし俺のせいじゃない。アーヴァインに押されたから……だと思う。


「こ、これは……」


ジャックバッシュが目を見開き固唾を飲んだ。そして恐る恐るキャッシュを見た。


「壊れ……ちゃった……ね」


アーヴァインがキャッシュから目を逸らし、俺を見て気まずそうに笑った。


「すみません……」


キャッシュの背後に、ドス黒いオーラが揺らいでいる気がする……。俺も自然と笑顔になった。恐怖だ。


「……ちょっと……アーヴァイン?……割れちゃったじゃない!どうするのよ!」


「ご、ごめん……」


キャッシュが捲し立てる。


「ごめんで済んだら勇者は要らないわよ!!何?謝ったら魔王は許してくれる訳!?ったく!勇者だからって、何をやっても許されるなんて思ったら大間違いよ!!」


「ぼ、僕は、ちょっとアスカに触っただけなんだけどな……」


それは遠回しに、俺が弱いから悪いと言いたいのか?


「はぁ!?ちょっと触っただけで鑑定水晶が割れる訳ないでしょ!!酔っ払って力の加減が分からないんじゃないの!?」


「そ、そんな風に見えたかい?」


「そう見えたから言ってるのよ!……全く成長しないんだから!」


「キャッシュ殿、申し訳ありません。これで足りますか?」


シャロンが布の袋をカウンターに置いた。


「おいシャロン!それは俺達の……」


ジャックバッシュが伸ばした手を、虫でも払いのけるようにキャッシュが叩き落とし、金の入った布の袋を笑顔で受け取った。


「シャロン様、ありがたく頂戴します」


「お……おお……あぁぁぁ……」


ジャックバッシュの目が『0』になった。どんまい。


「……それにしても、こんな事は初めてよ。寿命だったのかしら?粉々になるなんて……でも、どの道これじゃ登録は無理ね」


「替えの鑑定水晶は無いのか?」


「無いわ。本部から取り寄せるしかないわね。でも何日かかるか分からないわ」


本部?何日かかるか分からない?この大陸の他には何も無かったはずだけど?


「困ったな……僕が保証するから口頭での登録はできないかな?」


「そんなの無理に決まってるでしょ!」


「キャッシュ殿。是非ともアスカ殿の登録をお願いします」


「シャロン様。彼の職業を教えて下さい」


うおい!この変わり身の速さ!二重人格か?シャロンには甘々だぞ。


「アスカ殿の職業は……何ですか?」


シャロンにそう聞かれるが、 ヴァイラスとは口が裂けても言えない。どうする?


「えっと……」


シャロンから目を逸らすと、ジャックバッシュと目が合った。


「テイマーだろ?あの時オークを……」


「ジャック黙って!……あなたには聞いてないでしょ」


おいおい。キャッシュさん。そりゃないぜ。


「そもそも、モンスターの1匹もテイムしてない人がテイマーな訳ないでしょ!」


「アスカはテイマーだからオークをテイムして盗賊と戦わせようとしたんだよね?」


テイマー?テイム?意味が分からないが、ここはアーヴァインの話に合わせておくべきだろう。


「はい!テイマーからのテイムです」


「アーヴァイン黙って!アスカも何言ってるのよ!」


「テイマーのテイムです」


「テイマーのテイムって何よ!もうアスカも黙って!」


俺にも厳しくなった!手で口元を隠し、小声でナレーションに聞いてみた。


「ナレーション、テイマーとかテイムって何の事だ?」


『説明しよう!テイマーとは職業の一種で、モンスターを従え戦闘や労働等に使役する職業である。テイムとはモンスターを、魔法や餌等で手懐けて調教する事で、従魔として自分の配下にする事である』


なるほど。モンリベで言うところのモンスター使いと、スキルの飼い慣らすの事か。しかしあの時は、投石を使って少し気を引かせただけだ。チャームフォグは誘惑だからテイムしたとは言えない。俺はテイマーじゃないな。


「アスカ殿はテイマーです」


「テイマーですね。かしこまりました」


テイマーになった。シャロンさんって何者?


「次は僕達3人をパーティー登録してくれるかい?」


「良いけど。パーティー名は考えてあるの?」


「もちろんだ!一攫千金と書いて、ゴールデンギャリーズだ!」


ジャックバッシュ……それはダサい。


「ジャックちょっと待ってよ!輝かしい感じは良いと思うけど、さすがに一攫千金はダメだよ。もっとこう、輝くイメージを残して……アルコールシャイニングなんてどう?」


アーヴァイン……それはアウトだ。


「どっちもダメに決まってるでしょ!!受付嬢の私が口を挟むのもアレだけど、お金とお酒はパーティー名に入れないようにしなさい!そうだ!シャロン様は何かありますか?」


「そうですね……ジャスティスダブルモフなんてどうでしょうか?」


ダブルモフ?モフモフか?モフモフは正義?


「良いですね!それにしましょう!」


それもダメじゃないか?


「ちょ!せめてゴールドは入れてくれ!」


「そうだよ!シャイニングだけでも!」


「却下!ジャスティスダブルモフで登録完了したわ」


「「そんな〜」」


お察しします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ