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新たな大陸を目指すのであった……。

食糧、水、回復薬、それに鞭。

必要な物は粗方購入した。

キャッスリンにも挨拶に行った。ツケを払おうとしたが受け取ってくれなかった。またギャリバングに戻って来た時に払ってくれだとさ。それどころか、長旅では必需品だとか言って、コートのような丈の長い上着をくれた。どこまでも良い奴だ。

キャッスリンズ♡ベアを後にして、真っ直ぐ門へ向かい、名残惜しいがギャリバングの街を出た。


「アクセルビーに乗れないってどういう事だよ!なぁ!」


『キュ〜!』


「確かにそうだな!それ系のスキルが無いから仕方ないか……」


実は、レンタルアクセルビーを借りに行ったが、騎乗系のスキルが無い俺には乗る事ができなかった。しかも、テイマーにテイムされており、従魔契約をする訳にもいかなかった。アクセルビーに乗る為には、チャームフォグを連続で使うしか方法は無いみたいだ。それならと、馬を借りに行ったが結果は同じ。乗る事はできなかった。

自分で見つけたアクセルビーと従魔契約してやる!と出て来たところが今だ。


「よくよく考えたら、従魔契約しても騎乗系のスキルが無かったら結局乗れないのかも……スキルをゲットするしかない……よし!そうと決まれば、次は騎乗系のスキルをゲットするのが目標だ!行くぜキュウ!」


『キュ〜ッ!』


「ムン!」


え?ムン?……この声は!

振り向くとあの3人組と馬車が近付いて来た。


「どこかで見たことがあると思ったらヒモ君じゃないか。生きてたか」


槍を肩に担ぎ、皮肉を言うのはフィーゴだ。皮肉じゃなくて、本当にヒモだと思ってるのかも。ちなみに上半身裸だ。


「旦那も散々でやんしたねぇ〜。実は、あっしらもランの姉御に金を奪われやんしてね……」


小太りのドラペイも上半身裸だ。服を金に変えたのか?


「ムン!結局、信用できるのは鍛え抜かれた筋肉だけだ」


シモンは胸筋をヒクつかせてアピールしている。パンツ一丁だ。こいつは好きで脱いでるみたいだ。


「あんたらも無事だったのか!」


「ムン!筋肉の差で無傷だ!」


「ごめん。それは意味がわからない」


「それにしても、ランの姉御がモンスターだったのには驚いたでやんす」


「俺達は操られたんだ!ギャリバングに手引きしたなんて変な言いがかりはやめてほしいもんだ!」


フィーゴが眉間に皺を寄せ、苛立ちを槍に乗せ地面に刺した。


「でやんす!」


「ムン!」


ランを手引きしたと勘違いされて捕まってたのかな?


「で?ここで何してるんだ?」


「仕事だよ。馬車の護衛でルーブレッザまで行くんだ」


「ルーブレッザ?」


「グリーンザス大陸にある街でやす」


「ルーブレッザという街があるのか。どこにあるんだ?」


「ムン!東の橋を渡って道なりにマッスル行った所にある!」


「真っ直ぐね……了解分かった。ありがとう」


シモンに礼を言うと、フィーゴが地面に刺さった槍を抜き肩に担いでニヒルに微笑んだ。


「良いってことよ。困った時はお互い様だ。まぁ、昔の事は忘れちまおうぜ。兄弟!」


この人達と兄弟は、何か嫌だ……。


「となると、あっしが長男でやんす」


「ムン!冗談は筋肉を動かせるようになってから言え!俺が長男だ」


「雑用はお前らの仕事だろ?俺が長男だからな」


喧嘩が始まった。


「ははは。楽しくて良いねぇ。あんたも乗ってくかい?」


御者をしている商人風のおじさんに声をかけられた。


「ありがたいけど、のんびり歩いて行くから大丈夫だ」


本当は、人がいると何かあった時に変身できなくなってしまう。それは避けたい。


「そうかい。気を付けてな」


馬車が進むと、デコボコ3人組は喧嘩をしたまま乗り込んだ。


「ふぅ……さてと……」


旅立つにはうってつけの青空だ。空はどこまでも続いている。……ように見えるが、実際は、四角いセルの中にある世界だ。

新たにアップデートされたセル。そしてそこに現れたグリーンザス大陸。プライマリーは既に向かっているのだろうか。いや、既に到着しているかもしれない。


「こうしちゃいられない!俺達も行こう!」


『キュウ!』


縛りがエグいチートな旅は、まだ始まったばかりだ。




『こうしてアスカは、プライマリーの思惑を阻止すべく、新たな大陸を目指すのであった……。

行け!アスカ!

戦え!ヴァイラス!

次回予告 緑の風』

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