表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転職⁉︎モブ神と始める異世界のお仕事!  作者: テルボン
第1章 なりゆき おどろき うしろむき
1/40

プロローグ

 力なく膝を落とし、途方に暮れる彼女を見た俺は、自分でもあり得ない行動を取っていた。


 彼女を落ち込ませた張本人の襟元を掴み、手繰り寄せていたのだ。


「なんじゃ?言いたい事があるなら、男ならハッキリと申せ」


 自分よりも小さな体だが、頭四方に顔があり、正面を向く端正な顎髭の顔に、俺は少し戸惑いながらも声を振り絞った。


「コイツは役立たずなんかじゃないっ!取り消せ!」


「ほう、そうか…」


 俺は軽々と引き離され、ゆっくりと彼女の横に座らされた。


 小さくともその力は凄く、抵抗は全くできなかった。


「ならば人間、其方に仕事を与える!」


「いや、俺じゃなく…」


「娘に見合った仕事を見つけ、其方が全面的にサポートせよ!」


「いや、だから!俺に()()の仕事なんて分かるかぁ‼︎」


 そう。俺は今、彼女との成り行きで神界とやらに来ている。


 宇宙のど真ん中を連想させる、真っ暗な空間に幾万の星が見える場所。


 そこには透明な床と壁が存在し、神々と称する老若男女に囲まれているのだ。


「確かに、今の神々の仕事に空きは無いのぉ。じゃから、其方が探して新たな仕事にせよ。それでその子も救われる。我がブラフーマの名に掛けて、役立たずとは誰にも呼ばせぬと誓おう」


 その誓いに、今まで静観していた神々も歓声を上げる。完全に見世物にされている。


「すまない…」


 俺を巻き込んだ事を悔やむ彼女に、俺は首を横に降り一緒に立ち上がらせた。


「モブ神だってな!ちゃんとした仕事できるって、証明してやるよ‼︎」


 俺は創造神ブラフーマに向かって、柄にも無く虚勢を張ってしまった。


「じゃあ、決まりじゃな?」


 そう、俺の20年の人生は、たった4日で激変し、この時に終わりを迎えてしまったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ