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廃墟漁りの探索者達  作者: リュート
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とある新人探索者の悩み

 旧世界。

 いま、一般的にそう呼ばれているその時代に関する情報はその大半が失われて久しい。ハイテク技術と物資と快楽に溢れた夢みたいな時代だったと考えられているけれど、一方で生物兵器や無人機械兵なんかもわんさかと作っていたみたいで平穏無事な時代だったとも思えない。

 そういうのはまぁ、いい。そういうのは『管理局』のお偉い研究者が考えればいいことだ。私にとって重要なのは『旧世界』の品や物資や情報がお金になるってことだ。

 そう、お金。今の私に必要なものはまさにそれだ。


「うーん」


 私は手にした『武器カタログ』に目を落としながら唸る。

 探索者にとって最もスタンダードな武器といえばやはり銃だろう。火薬の力で金属弾頭を発射し、対象を破壊するシンプルな武器だ。

 しっかりとメンテナンスしておけば故障も少なく、メンテナンスそのものもハイテク武器に比べれば容易で維持費も安い。種類も豊富で発掘数も多いため安価なのも良い。

 ハイテク武器に比べると威力は控えめなものが多いが、そこはある程度手数で補える。

 ただ、その手数を補う為に弾丸を大量に持ち歩くのは実に骨が折れる。あと発砲時に盛大に音が鳴るのもいただけない。

 ではハイテク武器はどうか。

 レーザーガンやプラズマランチャー、ソニックランチャー、レールガンにコイルガン、フリーズシューターなどなど。

 威力も高いし、稼働させるためのエネルギーセルは小さくてかさばらない。それに銃と比べれば発射音が小さいものが多い。旧世界の廃墟の中で変異した生物兵器や無人機械兵なんかに囲まれたら間違いなく死ねるので、静かなのは大事だ。

 でも高い。目ん玉が飛び出るよこれ。維持費も高いし、今の私の収入だと買ったとしても維持できないだろうなぁ。まぁ小型のレーザーガンならなんとかなりそうかな。


「はぁ」


 安い、とは言っても銃にしたってそんなに安い買い物ではない。そもそも弾丸だって決して安い品物ではないのだ。今私が使っている拳銃の弾丸だって一ケース五十発分の値段で三日分の食費になる。

 それでもハイテク武器に比べれば楽だけどね。この前ハイテク武器を使ってる凄腕探索者にその費用をこっそり聞いたけど、開いた口が塞がらなかったよ。今の私だと一回メンテするために身体を売る羽目になるね!

 最後に近接武器のページが来るけど、ここは適当に読み飛ばす。

 や、だって無理でしょ。生物兵器だの無人機械兵相手に接近戦とか正気の沙汰じゃないって。私なら五秒でミンチにされるね。『剛腕』さんみたいに変異持ちだったり『獣憑き』の連中でもないとこんなの使えないよ。


 結局、今持ってる拳銃の他に小型のレーザーガンを一丁買うことにした。

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