学院案内
閲覧数ゼロとかだったらどうしようとか思っていたのですが、意外と読んで頂けてる様で嬉しいです!……なのに次話が極短の説明回……すみません。区切りが良かったんです……。
さて説明説明で申し訳ないが、ちょいとこの学院について述べさせて欲しい。
公爵家が創設した教育機関だけあって、国の中枢への発言力はかなり強い。というより、王宮で働ける人材の確保と育成を目指した訓練施設と言って良いだろう。なにせ入学出来るのは貴族の子弟や大商人の息女など、上流階級の限られた人間だけなのだ。
幼稚舎三年、初等科六年、中等科三年、高等科三年、更に研鑽したい者は本人希望と教員の推薦によって上級院三年、の完全エスカレーター式で、中途入学は高等科への進学のタイミングでだけ可能。うん、つまり中等科の卒業資格が得られずに辞める人が多いから、その分補充するわけだね。そしてダメな人を追い出しての補填なので、入学試験はおっそろしく難度が高い。私も吐くレベルで勉強した。
大人しく幼稚舎から通っておけばと後悔したよね。そしたらウチの家柄は文句無しだし、簡単な面接だけで済んだ筈なんだ。二歳くらいから既に前世の記憶あったからさ、グランフィルスが乙女ゲームの舞台になるって知ってたからさ、全力回避で別の学校に通ったんだよね。高等科で結局入る事になるなら、無駄な抵抗しなきゃ良かったよ。
……また話がズレたな。
そんな学院が保有する学部は六つ。
つまり騎士科、護法科、占術科、医務科、研究科、使役科の六科ね。
で、先程まで壇上にいた六人に話は戻る。
彼等はその六科で、それぞれトップの成績で進学した猛者達なのだ。
アーノルドが騎士科で、主人公である女の子が医務科だったはず。あとは知らん。
そしてこの学院では、トップ進学を果たした六人は強制で生徒会入りさせられる。うん、なんと一学年に一つ生徒会が存在するんだぜぇ。
まぁこの辺は、乙女ゲームのご都合主義が炸裂したと思われる。
聖グランフィルス剣術魔法学院高等科に、医務科トップの成績で外部入学を果たした主人公。強制で入れられた生徒会には、他科トップの、頭脳も魔力も家柄も揃った多種多様なイケメン達が! ……失笑を禁じえ……いや何でもない、心沸き立つ展開ですね。
攻略対象はこの生徒会の五人だけで、妹曰くかなりシンプルな仕様らしい。「学園モノなのに攻略対象は同学年だけで、先輩も後輩も、先生ルートも無いんだよ!? その潔さや良し!」とか言っていた。そっか学院長ルートないんだ残念だねと言ったら、「百歳のお爺ちゃんルートとか何処需要よ……」と嫌そうな顔をされた記憶がある。学院長先生と茶飲み友達エンドとか、ほのぼのしてて可愛いと思うんだけどな。
おっとまた思考が脱線していたよ。申し訳ない。
つまり彼等の登壇は、これから学年を代表する事になる生徒会メンバーだよー、という挨拶だった訳だ。うん、つまりサッパリ話を聞いていなかった私は、結構ヤバい事になる。極力近付かない為にも、名前くらいは聞いておくべきだったな。
そしてまたも話を聞いていない間に、今度は入学式典そのものが終わった。……いや、本当に大変申し訳ない。