表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/23

懇親①

随分間が空きました。他の方の素敵小説を読み漁るのに夢中で、書く方が疎かになっていた罠(汗)。

 さて、ついに懇親パーティの日がやって来た。

 土曜日に当たる光の日は授業が午前中だけなので、軽く昼食を入れての三時からのスタートである。まぁドレスにヘアメイクにと忙しいオシャレ女子達は実家からメイドを召喚してのてんやわんやで、胃に何も入れる事なくコルセットでキリキリと締め上げていたようだが。アレで保つの? 凄いなオシャレ女子。

 私? 私は普通に食べて、一人でドレスを着たよ。髪色が派手過ぎて装飾品を着けると目に煩くなるから、実にシンプルなものである。

 でもドレス自体は宵闇の藍から紫のグラデーションが美しい凝った作りで、流石は兄セレクトといったところか。いや違うな、きっと義姉――まだ婚約者だけれど――セレクトだなこれ。次に会ったらお礼を言わなければ。

 場所は海に迫り出したバルコニーを持つ、多目的会館の大ホール。今私が居るのは、その大ホールの前室だ。なんでもパートナーの居る組は、学科毎で順番に入場するらしい。男女で他学科の場合には、男性側に合わせるとか。

 という事で、私は声を大にして言いたい。何故選りにも選って操船科と騎士科の待機場所が隣同士なのだと。

「よくあれからの時間でドレスを用意出来たものだな、侯爵令嬢。そこの貧乏貴族に強請ったのか?」

 と言ってアーノルドが視線を寄越した先は、私の隣に立つアルカロス。何故この男は毎度毎度、一々私達に突っ掛かってくるのか。アルカロスも苦笑いだ。

 断っておくがギニス家は爵位こそ子爵であるものの、全く以ってサッパリと貧乏などではない。というか世界有数のリゾート地を領土に持つ家が、貧乏である訳がない。きちんと国の許可を得て、あくまで貴族のお遊びの範疇でとの制限付きではあるが、カジノまで有しているのだ。その羽振りの良さは、国内でも十本の指には入る。

 まぁでも実際、アルカロス曰く先代の頃までは貧乏だったらしい。土地も痩せてて資源も少ない不毛の島だったらしくてね。でもそこから知恵と工夫と努力で観光資源を手に入れて、たった一代で成り上がったのだ。温室ぬくぬくの公爵家子息にはない発想なのだろうな。

「ギニス家の子息が貧乏な訳もありませんが、私にそういったはしたない趣味はございません。通常の社交の場ならばいざ知らず、学校行事の一貫の、それも学生同士でドレスを強請るなど……。」

 確かにね、正規の社交パーティなんかだと、エスコートパートナーがドレスを用意するというのも良くある話。でもこれ学校行事だからね? 学生同士だからね? 集る訳がなかろうに。

 でもそんな事を言ってくるという事は、アーノルドのパートナーを努める主人公ちゃんが着ているドレスは彼が用意した物なのだろう。色もアーノルドの瞳の色に合わせたブルーだしね。

 しかし隣に立つパートナーが買ってくれたドレスに身を包む主人公ちゃんは、アルカロスを溢れんばかりの大きな瞳でジッと見詰めている。

 うん? なに?

 その熱い眼差しを訝しんでいると、入場の順番が近付いてきたと声が掛かった。

 本来であれば大取を飾るのであろうアーノルドと主人公ちゃんが、手に手を取り合って会場入りして行く。

「相変わらず、何だかな〜って感じの人だね。」

 アーノルドを警戒して主人公ちゃんの挙動には気付かなかったアルカロスが、その背中を見ながら呟く。

「公爵家の嫡子であるご自分が、トリでなくて不満だったのではなくて?」

「ああ、そういうこと。」

 普通ならね、公爵家で学院長の玄孫であるアーノルドが大取だよね。でもさ、今回は私とアルカロスが殿しんがりを務めるんだよね。

 だって操船科だから。今年新設された学科だから。会場内に多数いらっしゃるだろう御来賓の方々へのお披露目兼ねてるから。……晒し者かそうなのか。

「さてと……ではお手をどうぞ?」

 婀娜っぽい笑みを刷いて、アルカロスが手を差し出す。

 その手に添えると、私は衆人環視の会場へと足を踏み入れた。

以下、本編に関係のない私の文体について。


いつかご指摘を受けるかもな〜と思いつつ放置していて、それについては私が完全に悪いのですが、ついにご指摘を頂く事がありました。

それも非常に丁寧な、とても考えられた、気を遣って頂いた文章でのご指摘でした。

この様な素人文に真剣に考えて頂けて、勿体無い限りです。

さて、そのご指摘がどういったものかと申しますと、「」内の最終文に「。」は必要ありませんよというものです。

全く以ってその通りです。

その法則を無視するのであれば、私は最初に明言しておくべきだったのです。

という事で遅ればせながら、ここに記させて頂きます。

私はその法則を知った上で、「。」を書いています。

何故か?

だって私は小学生時代、国語の授業で「。」を書くものだと習ったのです。

三つ子の魂百までと申しますが、書かねばどうにも落ち着かないのです。

自身の本棚に挿さる本をランダムで抜き出し確認しまくった結果、福永○彦先生と国木田○歩は「。」を書く派のようでした。

逆をいえばその他の作家は「。」なしですし、片方作家というより学者じゃねぇかというツッコミ所なんですが、まぁ少数派とはいえ「。」あり作家も居るという事で、このまま押し通す所存です。

という事で……あんまり気にしないでね!

ご指摘下さった方、ごめんなさい!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ