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あん時のシロ  作者: 桜川 未有
2/6

その二

聖獣の輩 エピソード6 の頃

僕は白虎

名前はシロというのだ

ユーミちゃんのパートナー兼ペットなのだ


僕の仕事はもう直ぐやって来るアルマゲドンで他の聖獣たちと戦うことなのだ

ちなみに僕達の壮絶な戦いの結果世界は滅びる事になっているのだ


そんな僕達だけどやっぱり規則正しい生活が大切なのだ

就寝前のリラックスした一時、ユーミちゃんはベッドに寝転がって読書していた


ユーミちゃんにはこれまで趣味が無かったのだ

ところがこの前ミジンコとデートした時に「ハニー、趣味は無いのかい?」と余計な事を尋ねられて、それじゃあ何か始めてみようかなって事で読書を趣味にする事に決めたみたいなのだ


最近のユーミちゃんのお気に入りはニーチェ

ちなみに今日は「ゾロアスタはかく語りき」を読んでいるらしい



その時、突然隣から異様な呻き声いや不気味な笑い声が聞こえてきたのだ


実は今ユーミちゃんとカッスンはとある理由で秘密基地を一斉清掃中の為近くのマンションに仮住まい中なのだ

セキュリテーもイマイチだしもしかして不逞の輩がカッスンの部屋に忍び込んでよからぬ事を働いてる!?


ユーミちゃんと僕は急いで隣の部屋に駆けつけたのだ!



ユーミ「カッスンどうしたの?」


果たしてカッスンは無事だったのだ

不気味な笑い声の主はどうやらカッスンだった見たい…

カッスンの目が何処と無く危険に血走ってる?


カッスン「いいとこに来た、あんたも聞いてみなよ!」


カッスンはニヤニヤしながらヘッドフォンのジャックを外して音声をスピーカーにスイッチしたのだ

スピーカーから聞こえ来る…吐息? うめき声?


ユーミ「これって、…もしかしてミジンコ?」


ミジンコには耳の中に発信機が仕掛けてあって、その機械でミジンコの周囲の音を聞くことも出来るのだ


でも何だかミジンコの様子が変なのだ

なんだか苦しそう?

一体何が?

えっ、ユーミちゃんの名前を呼んでる?

どうして??


途端にユーミちゃんのドキドキが激しくなったのだ

何だかユーミちゃんの胸までキュンキュンなって苦しい…


ちなみに僕とユーミちゃんはテレパシーで繋がっているのでユーミちゃんの感情が直接僕に伝わってしまうのだ


ミジンコの激しい吐息…




カッスン「2回目よ2回目」

カッスン「一日に2回とは若いなぁ」


ユーミ「カッスン…これは一体?」

カッスン「これか、これは、あれだ、自家発電だ」


ユーミ「自家発電? まさか省エネの為に人力で発電してるの?」

カッスン「何カマトトぶってんの! 健康な青少年なら当然の自ら慰める行為のことよ。 ユーミだってやってんでしょ?」


ユーミ「ええっ!」


途端にユーミちゃんの顔が熟れ過ぎたトマトのように赤くなったのだ



ユーミ「な、何のことかしら …私はお肉を食べないからそういう欲求は起きないのだけど」


カッスンはユーミちゃんのコメントを無視してさらっと流したのだ

ちなみに僕はお子様だから何のことだか分からないのだ



カッスン「それにしてもここんところ毎日よ、いくら元気だからって言ってもちょっと心配だよね」


カッスンは机から一冊のノートを取り出したのだ


カッスン「ちなみにこれが番付表」

ユーミ「番付表?」

カッスン「ここ2週間で誰を何回オカズにしたかが記録されている! れっきとした調査記録よ!」


ユーミ「誰が…何回…」


ユーミちゃん! 目が真剣すぎだよ!!



カッスン「知りたい?」

ユーミ「べ、別にそんな事に興味は、…でも、調査対象の特性を知っておく事は調査員としては必要かも知れないわね」



カッスンは意地悪く焦らしながら発表するのだ


カッスン「三位は、…2回でピンクレンジャーだ」


ちなみにピンクレンジャーとは胸ばかり育った欲求不満の年増のことなのだ

事あるごとにミジンコを拉致しては恥ずかしい事を繰り返すとんでもない奴でこの間も酔っ払ったふりをしてミジンコに自分の下の世話をさせていたらしいのだ!



ところでミジンコの周りには現時点で8人の女が確認されているのだ


ピンクレンジャーと母親と中二病のおばさんを除くと残りは

ユーミちゃん

カッスン

リョーコ

アズマ

シオリ

の5人なのだ



カッスンはお姉様キャラでミジンコに濃厚なスキンシップを繰り返しているので実はかなり危険なのだ

リョーコもミジンコを見張るという口実で最近毎日ミジンコの家に入り浸っては妖しい妹フェロモンを振りまいているので危険なのだ

アズマはミジンコの単なる幼馴染みなのだがそれにもかかわらず最近急接近してもしかするとキスまで迫ったという情報があるからやはり危険なのだ

シオリというのは最近パッと出てきた小娘なのだが男は新しいもの好きなのでこれまた要注意なのだ


ところで何が危険かというと、ユーミちゃんの心の中の殺すリスト上位にアップされているという事なのだ!



カッスン「二位は、5回でリョーコだ」


やはり、リョーコ来たか!

しかも5回だと~!


遠くの美人より近くの●●とはきっとこの事なのだ

毎日ミジンコと一緒にいて、きっと情が移ったに違いないのだ…



ユーミちゃんの心が崩れる音が聞こえるのだ!

リョーコ! 何時の間にか殺すリスト一番上に書き換えられているのだ!



ユーミちゃんは平静を装っているけれど動揺を隠しきれて居ないのだ

顔が引きつっているよ! もしかして脂汗!!



ああ…、

と言う事は一応表向き彼女のアズマが一位と言うことだろうか?

それともエッチなスキンシップで誘惑を繰り返してきたカッスンが…?


まさかついこの間知り合ったばかりのシオリが6回以上というのはちょっと計算が合わない気がするのだ


ユーミちゃんの目が何時の間にか涙目になっているのだ

ゴメンねユーミちゃん、いくら白虎の僕でもこればっかりはどうしようもないのだ!!



カッスン「ダントツ一位は10回で文句なしユーミ。 まあ最初から分かってたけどね。」


ユーミ「…一位」


ユーミちゃんの顔に一気に血の気が戻ってきたのだ! それどころかどんどん赤くなってしまった


カッスン「私が1回も無いのはちょっと心外だけどな…」


ユーミ「ミジンコが私をオカズに…」

ユーミ「10回も…えへ…」


ちょっと! ユーミちゃん声でてるよ



ユーミ「はっ、」


我に返ると何か微妙―

ユーミちゃん一体何を夢見てたの???




カッスン「ちょっと、まて!」


いきなりカッスンが叫び声をあげてユーミちゃんを夢の世界から引っ張り戻したのだ!


カッスン「何だと、こいつ、三回目…行くのか?!」

カッスン「死ぬぞ…」


悶々とした息遣いに必死に耳を傾けるカッスンとユーミちゃん…

二人とも目が怖いよ~

鼻の下伸ばしすぎだよ~



その時! 突然音声が途切れたのだ!!


カッスン「しまった! 電池切れかも!!!」

ユーミ「シロ! 充電開始!!!」


白虎の能力のひとつは金属の結合を自在に操る事なのだ!

しかもレベル3に進化した僕は契約者か僕自身が意識できる対象物に対しては無限距離で影響を与える事が出来るのだ!

僕は50km離れた位置に居るミジンコの耳の中の発信機の電池にアクセスしてイオン結合反応を逆流!

一瞬にして充電を完了したのだ!!!



再びスピーカーから音声が流れ出す。

またユーミちゃんの名前をささやいてる…


カッスン「…11回目か」



じっと聞き入る女二人

伝わる想い

二人とも顔が火照ってるのだ、




ユーミ「私、寝るわ」

カッスン「おおぅ、私もそろそろ寝ようかな」


とか何とか言ってるけど、

きっとこのままじゃ眠れないね! 二人とも!!

なんだかよくわかんないけど、これが意思共鳴って奴なんだね!

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