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仕事始め① 瞬視点
時間の流れは早く仕事始めとなり
ぼくは再び激務の毎日を送っていた。
「佐藤くんまた大きな仕事を取ってきたんだって」
「すっごいよねー」
その中で駅前の再開発の目玉である高層ビルの建設という大きな仕事を取ってきた。そのことに周りは喜ぶ。でも、
"その程度の仕事で喜ぶな!もっと上を見ろ!"
この仕事でさえ「億」というお金が動くというのに
そんな仕事を取ってきても「もっと上を見ろ」「次だ、次」と言われ続ける。
「はぁぁ」
胃をキリキリと刺激するストレスをため息とともに吐き出した。
「おつかれ」
そのとき耳元で誰かが小さくささやいた。
「これね」
それからコーヒーの入ったコップをデスクに置いていった。
「?」
一瞬のことで「?」状態だったけど、コーヒーと一緒に置かれたメモ用紙を見て誰かわかった。
(……沙織)
沙織だった。そしてそのメモ用紙には
"おつかれさま"
短く一言、書かれているだけだった。
(ふふ)
だけど、短いその一言には
"私は見てたよ。瞬の頑張り"
そんな意味が込められてるってわかった。
伝わった。
(ありがとう)
僕は沙織がいれてくれたコーヒーを飲んで
「さあ、終わらせますか」
次の仕事に取り組んだ。




